
1月29日(木)~2月2日(月)までの北海道旅行の間、私自身何回かお世話になったほか、最も走っている姿を見かけた車両である「特別快速/快速/区間快速エアポート」。すべての種別を合わせると、日中毎時6本(10分ヘッド)で運行しており、他に走る列車を加味して、本列車が通る函館本線と千歳線の線路容量を踏まえると、もうこれ以上の増発は困難というところまで走っています。
このエアポート、一般人や外国人観光客においても、「新千歳空港から札幌へ移動する場合の手段」として浸透している一方、ひとたびダイヤ乱れ等が発生すると、線路容量の都合から間引き運転が行われたり、旅客がこの列車に殺到したりと、悩みの種となってしまう列車でもあります。
先述した北海道旅行の中で、何度もJRを利用する中で、まだまだJR北海道は頑張れるのではないかと感じたのですが、その中の1つにこのエアポートのさらなる効率化が挙げられると考えています。
というワケで今回は、現状走っているエアポートのさらなる改善策を考えてみることにしましょう。
①使用車両の733系への統一または新形式の投入
エアポートは盛況な利用を誇る列車ですが、さすがに毎時6本の列車全てがすし詰め状態になるワケではなく、列車によってはゆったり立てたり、途中駅からでも座れたりする場合があります。
このような差が生まれるのは、もちろん種別が影響していることもありますが(快速よりも、速くて小樽までつなぐ特別快速のほうが混雑する印象)、使用車両も影響していると言えます。収容力の面で、733系はかなりある一方、721系はそれに比べてかなり劣っているのです。

721系の収容力が劣る理由。それは普通車自由席も転換式クロスシートであるほか、各乗降ドアごとにデッキが設けられているから。札幌近郊区間は車両更新が進み、また道内各地のローカル線区間ではH100形が導入され、大半の車両が技術の進歩によりデッキが省略されていますが、721系は1990年の製造と車齢35年超となる車両であるため、デッキがまだ存在。冬季の車内を守るために必要な設備であることは重々承知していますが、このデッキが乗車定員を押し下げており、エアポートの混雑率悪化につながっていると考えられます。
721系、マスクデザインは割と好きだし、転換式クロスシートは旅情を感じられて良いんですけど、旅行中に札幌近郊区間で乗った際は、正直そんなに良い印象は受けませんでした。朝ラッシュ時の小樽方面に投入されたときは、車内がすし詰め状態になって首都圏朝ラッシュ時を超える混雑になっていましたし、学園都市線に乗った際は、平日日中にも関わらず立席客がそこそこ出る状態で、さらに乗降にも時間がかかっていました。
そのためエアポートは、普通車自由席がすべてロングシートで、かつ収容力の高い733系に統一して運行したほうが良いのではないかと考えます。理想としては、限りなく通勤型車両に近い新型近郊型車両を投入するのが良いと思われますが、今のJR北海道の財政状況だとそれは非常に厳しいでしょうから、なんとか733系を融通するのがまだ現実的でしょう(733系も製造から15年近く経ちますが、まだ車齢は若いほうでしょう)。
②エアポート各種別と停車駅の整理

現在エアポートは、冒頭述べた通り特別快速・快速・区間快速がありますが、これを快速・区間快速・普通に再編したうえで、毎時6本体制の維持を提案します。これにより、エアポートが対新千歳空港向け種別であるという立ち位置は維持される一方、「全て速達種別である」という概念は消滅することになります。
また、種別再編後の停車駅は、以下の通りとし、日中は快速と普通で毎時3本ずつ、平日朝夕のみ区間快速と普通で毎時3本ずつます。
快速(日中は手稲-小樽間各停):
新千歳空港-南千歳-千歳-恵庭-北広島-新札幌-札幌-桑園-琴似-手稲-小樽築港-南小樽-小樽
区間快速:
新千歳空港-(この区間各停)-新札幌-札幌-桑園-(この区間各停)-当別[学園都市線]
現時点で最速である特別快速を廃止するのは、現行の特別快速(36分)と快速(38分)で、札幌-新千歳空港間の所要時間がたった2分しか変わらないため。小樽等札幌以東へ向かいたい旅客を、新千歳空港でふるいにかける意図があるのかもしれませんが、札幌までの利用客でも「特別快速=快速や区間快速よりも速いんだ」という認識で、本列車にわざわざ乗ることがあるほか(現状、特別快速が快速や区間快速を追い抜くことはない)、せっかく札幌-新千歳空港間を飛ばしても所要時間がそんなに変わらないのなら、昔のような快速に戻したほうが、まだ利用客の均一化ができるのではないでしょうか。
小樽方面の直通需要は、快速のうち毎時1本のみ小樽ゆきとして確保すればよいでしょう。本当は全列車小樽ゆきにしたいけど、函館本線手稲方の線路容量的に、ちょっと厳しいんじゃないかな。
続いて、前後しますが普通。ここで「エアポートは速達種別の名称である」という縛りを撤廃するのは、札幌-南千歳間のダイヤの柔軟性を高めるためと、実は札幌-新千歳空港間全線各停にしても、そこまで大幅に所要時間は延びないためです。
函館本線内でダイヤ乱れが発生した場合、そのダイヤ調整に最も苦労するであろう列車が、本数が多いうえに現状全て通過運転を行うエアポート。通過運転を行うだけならまだいいのですが、北広島から先、札幌まで函館本線は単独での待避設備が無いため、どうしてもここでダンゴ運転にならざるを得なくなります。
待避設備が不足していて、ダイヤ乱れを早期復旧させるには、元のダイヤにおいて速達種別を減らすのが、一番シンプルな方法。そのため、日中毎時6本走るエアポートのうち、3本を普通(各停)化し、沿線各駅の利便性を高めるとともに、ダイヤ乱れの際の対応を強化します。
さて、現行の列車のうち半分を普通化すると、所要時間が延びて利用者から不満が出るのではないかと思われますが、現行ダイヤを参考にすると、この区間全てを普通で走破した場合の所要時間は50分で、快速の所要時間38分に比べれば当然遅いですが、区間快速の所要時間が44分であることを加味すると、思ったほど遅くはないという形になります(現行ダイヤでは朝と夜に普通新千歳空港ゆきがあり、特急待避を行う1本以外は50分程度で走破する)。
所要時間10分程度の差なら、快速側のダイヤを少し調整すれば(その調整が難しいのですが)、札幌まで普通が逃げ切るダイヤも組む余地はあると考えられるので、この点からも、エアポートの一部普通化はそこまで突拍子もない提案ではないと思います。
また、普通新千歳空港ゆきを作ることで、この時間帯の苫小牧方面の列車を千歳発着等(南千歳は新千歳空港への分岐とそれに対応する接続のため、線路容量に余裕がない)に短縮する余地もあろうかと思われます。苫小牧へ向かう場合、乗換えが発生してしまいますが、逆にこうすることで、「途中で新千歳空港ゆきに接続しうる普通苫小牧ゆきに空港利用客が乗らない」という事態を避けることができ、列車の混雑の平準化ができるのではないでしょうか。
最後に、区間快速。現状終日にわたって設定のある種別ですが、これを朝夕のみに限定し、全て札幌折返しにするのではなく、一部学園都市線当別方面に逃がします。このようにすることで、札幌-新千歳空港間の通過駅を少なくして函館本線の線路容量に余裕を持たせつつ、各駅の通勤ラッシュ需要にこたえ、札幌以西は、現状線内運用が大半である学園都市線にこれを直通させることで、札幌駅の線路容量に余裕を持たせ、運用を効率化します。
札幌-桑園間で、函館本線西側に食い込みますが、この区間は学園都市線との線路別複々線区間になるため、札幌出発時点で区間快速を学園都市線の線路に転線させれば、函館本線の線路容量に干渉することもありません。
区間快速が遅延すると、学園都市線のダイヤも合わせて遅延するという危険性もはらんでいますが、「別路線に列車を逃がして途中区間の列車を増やす」というのは、各都市圏のダイヤでも見られるダイヤパターンであり、また現状(主に車両運用の都合ではありますが)当別-札幌-新千歳空港を走るエアポートもあるため、そこまで非現実的な提案ではないと考えます。
ただ、運行区間が長くなると、乗務員の乗務区間も長くなるため、どのように乗務員を確保するかも課題の1つになりますね。運行距離的には、当別ではなくあいの里公園あたりで折り返すのがちょうどいいだろうけど、利用者の動向を加味すると、当別まで運転したほうがいいかな。
③快速の8両化と一部列車のuシート廃止

エアポートを構成する大きな要素と言える、座席指定車両であるuシート。ですが、近年は値上げに次ぐ値上げで利用率がそこまで芳しくないことを踏まえ、②で新設する普通エアポートはuシートを連結しない6両編成とし、逆に速達種別である快速は、uシート連結を維持したうえで、両数を6両から8両(普通車自由席を2両増結)化します。
これのねらいはシンプルで、物理的に普通乗車券で乗れる列車や車両を拡大することで、列車そのものの収容力を上げるというもの。uシートを一部連結しないとなると、この部分における減益は必至となりますが、繋いでいたとしても利用率が高くなく、また旅客を乗せきれないことで、ホームへの滞留や入場規制を引き起こすくらいであれば、普通列車だけでもuシートを連結せず、とにかく札幌方面への輸送に全振りするという選択もアリだと思います。
また、快速のみ8両増結とするのは、ホーム延長工事のコストを抑えるため。普通まで増結してしまうと、ホーム延伸工事を行わなければならない駅が増えてしまいますが、快速の停車駅のみであれば、工事をせずとも8両対応できる駅がかなりありますからね。
快速は8両に増結、普通はuシート廃止で実質1両増結としているのに対して、区間快速のみ現状維持としているのは、上でも触れた、日に1本ある当別-札幌-新千歳空港ゆきを踏まえてのもの。学園都市線区間は、uシートを営業せず普通車自由席とし、札幌からuシートとして営業開始するという運用が取られており、現行ダイヤでそれが問題なく行われているのであれば、無理に8両に増結する必要はないでしょう。またこれにより、8両編成になった場合実施しなければならないホーム延伸工事も回避することができ、コストが抑えられます。
ただ、「コストが抑えられる」と言いつつも、快速については8両増結するのですから、車両新造費用がかかるのもまた事実。普通エアポートのuシート廃止により捻出したuシート車両を、格下げ改造する案も考えられますが、それでも改造費用は一定程度かかるのは必至です。なので、提案しておきながらアレですが、①や②に比べると、実現可能性は正直低いかなとも思いますね。まあ、提案するだけタダなので、書いてみたってことで…。
④その他
実現可能性が高いかどうかは、自身の調査が不足しているので、確定的なことは言えないのですが、新千歳空港から小樽への移動需要にこたえるために、札幌乗換えではなく桑園乗換えを活用できないか…と感じるときがあります。
これは、②で提案した区間快速エアポートの一部学園都市線乗り入れに関連するのですが、ただでさえ通勤ラッシュで混雑している札幌駅に、観光等でやってきた新千歳空港からの旅客の乗り換えもぶつけると、駅構内が大混雑になるため、この旅客のうち、小樽方へ向かいたい分を桑園乗換えに割り振ろうというものです。
ダイヤの調整は当然に必要ですが、桑園乗換えがもし実現できた場合、利用客は区間快速を学園都市線のホームで降りて、そのまま隣のホームに階段乗換えして小樽方へ向かうという芸当が出来るので、JR側としてはこの乗換客を札幌駅から切り離すことで札幌駅に余裕を生み出すことができ、乗換え客側も、札幌駅での乗換えに比べて移動距離が短くなるため、win-winとなります。これ、単純で地味に見えて、なかなか面白いのではないでしょうか?
桑園乗換えだと、必ず階段等を用いたホーム移動による乗換えが必要になりますが、これは札幌乗換えでも多々発生するものになるので、そんなにマイナス要素にはならないと考えます。
ただ、やっぱり上述したダイヤの調整と、あといかに乗換え客に「小樽方へ向かうには桑園乗換えが便利です」というマインドを植え付けるかが課題になりますね。実現可能性は高くなく、実現したとしても得られるものがそんなに大きくはないけど、繰り返しになりますが、実現すると面白いことになりそうな気がします。
今回は、「特別快速/快速/区間快速エアポート」にかかる妄想を垂れ流してみました。JR北海道も様々な試行錯誤をした結果、現在のダイヤにたどり着いているんだろうとは思いますが、上で提案したような大胆な施策以外にも、まだまだ取り組める細かな施策はあるような気がします。
そういえば、この記事を投稿している今日2月13日に、京成電鉄が成田スカイアクセスの路線改良と新車投入を発表しましたね。一部区間の複々線化とか、大規模な工事をJR北海道も出来ればいいけど、場所によっては土地は何とかなるとしても、資金面がね…。
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