お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『ウルトラマンアーク』第21話 ちょっとした感想

“赤い球”にはご用心!

 

 

 

望みは誰かにかなえてもらうものじゃない!自分でつかむものでしょ!?今回の『ウルトラマンアーク』は、前回の次回予告でも明らかだった通り、キングオブモンスの登場回。お話そのもの自体も、概ね『超時空の大決戦』を意識したような作風になっており、かなり駆け足気味でしたが、赤い球の正体のことまで、キチンと描ききっていました。

 

特撮描写については、『超時空の大決戦』を意識したこともあってか、かなりドハデで大変見ごたえのある出来でGood。一方のドラマ面については、かなりムリして20分強の中にドラマを収めた感じがあり、やりたいことや伝えたいメッセージはよくわかるのですが、全体的に唐突というか、ドラマ展開のぶつ切り感が否めなかったですね。正直なところ、キングオブモンスを出すに足るドラマとは、言い難かったかな。

 

なお、前回(第20話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

◎ストーリー面

ゲストキャラクター:アオイと、彼女の友人であるリンを中心にドラマが展開されていく単発回となった今回。ユウマたちの出番がかなり絞られており、変わった切り口を終始維持しつつ、『超時空の大決戦』のオマージュをやっていたその努力は認められますが、それを加味しても、ちょっとドラマの出来は今一つだったかなぁという感じでした。玩具販促上仕方のない一面もあったのでしょうが、正直ザンドリアスやギヴァスの登場がノイズでしたね。

 

学生時代、作家になりたいと夢見ていた、リンの友人であるアオイ。しかし、現代の彼女は、中小の編集業者で、過重労働にあえぎながら夢を追う日々を追っていました。ある日、夢で見た「夢咲き鳥」というワードを思い出したとき、周囲に起こる異変に気付いた彼女が外に出てみると、草むらの中で赤い球を発見。そこから発せられる言葉に対し、彼女が願ったのは―。今回はアバンタイトルが全くなく、OPとCM後始まるドラマも、ほぼアオイ視点から始まるという異質な感じでスタート。こうした構図を用いることにより、アオイというキャラクターと彼女が置かれている現状を、可能な限り短時間で端的に描き切ることに成功していました。このあたりは、ユウマたちの登場時間を削ってまでこれに充てていたので、視聴者のアオイというキャラへの解像度がかなり上がりましたね。そんな彼女が出会ったのが、赤い球。一度は気味悪がって、そのまま放置しましたが、デスクに戻るとそこに鎮座しており、彼女はそれの言葉に引き寄せられるようになります。

 

誕生したベビーザンドリアスに難色を示しながらも、それから発せられるアイディアやアドバイスを受け、創作が軌道に乗ってきたアオイ。リンから謎の宇宙線にかかる連絡が入るも、それ以外は、ほとんど何も気にすることはありませんでした。ところが、やがてベビーザンドリアスはザンドリアスへと成長。とうとう編集長たちに発見され、衆目にさらされることになったザンドリアスは、通報を受けた防衛隊の発砲を受けてしまい…!中盤では、アオイが想像した「夢咲き鳥」であるベビーザンドリアスが登場。最初こそ、その顔つきに難色を示していたものの、じょじょにあらゆることが上手く行き始めて気をよくしますが、ベビーザンドリアスはやがてザンドリアスへと成長していきます。中盤では、赤い球の力によりアオイが上手くいくようになる→ザンドリアスの存在がバレて急転直下・どん底に落とされるさまが挿入。この一連の流れを、序盤同様できるだけ短時間で端的にまとめようとしていた努力は感じられましたが、どうもザンドリアスとワチャワチャしている感じのほうが印象に残ってしまい、ドラマのノイズになっていた気がしました。ドラマ展開を重視するなら、ザンドリアスは出さずとも、「赤い球の力でアオイの状況が好転の兆しを見せるも、赤い球の存在自体がバレて糾弾される」という流れもイケるはずなんですよね。このあたりは、ドラマ構成よりも、着ぐるみの調整の関係でこうした形になったのでしょう。

 

ザンドリアスが傷つけられ、怒りをあらわにした葵の脳裏によぎるは、創作の際に浮かんだ「キングオブモンス」のワード。それを受けて、ザンドリアスは赤い球の力でキングオブモンスへと変貌してしまいます。市街地を蹂躙するそれは甚大な被害を出し、アークも苦戦を強いられ、さらには無関係の少女までもがピンチに陥る状況に。己の行動を反省し、助けてほしいと願ったアオイは、赤い球の力でギヴァスを帯びだすことに成功し、キングオブモンスの撃破に成功。そしてラスト、再度赤い球に向き合ったアオイは、自分の力でそれを消滅させ、新たな未来へと踏み出そうとしていました。終盤では、赤い球の力でザンドリアスがキングオブモンスへと変貌。これ自体は、前回の次回予告時点でなんとなく予想できたので驚きはありませんでしたが、このあたりから戦闘終了までのドラマ展開は、正直しっちゃかめっちゃかでした。アオイもいつの間にかザンドリアスにメチャクチャ愛着がわいてますし(共に生活をするうちにそうした感情が芽生えたのでしょうが、やや描写時間が短い印象)、キングオブモンスという名前も唐突。さらにはアークを救う存在として、月からギヴァスを呼び寄せるというのは、ちょっとやり過ぎだと思いましたね。ここで敢えてガイアを出さなかったのは、『ブレーザー』とのコラボ編と同様、『アーク』の世界観をあくまでも主体とするためでありGoodに感じましたが、このドラマの流れなら、アオイがキングオブモンスよ止まれと強く願うほうが自然に思えました。『超時空の大決戦』におけるティガとダイナの登場を意識したのであろうことはよくわかりますが、なんでもかんでもオマージュすればいいってものでもないよなぁ。ラストでの、短いながら赤い球との決着と消滅までしっかりと描いていただけに、今回のドラマは、『超時空の大決戦』にとらわれすぎずに頑張ってほしかったなと感じました。

 

 

 

◎特撮面

暴れ狂うキングオブモンスに立ち向かう、アークとギヴァスの姿をダイナミックに描いていた、今回の戦闘/特撮パート。アクションの激しさやCG合成とミニチュア特撮の使い分け、そして多彩なアングルからのカットの大胆な使用の連続で、誇張抜きで、『超時空の大決戦』に引けを取らない、見応え十分な特撮になっていました。ミニチュア特撮における爆発・破壊演出は、やはり『超時空の大決戦』には劣るものの、矢継ぎ早に様々なカットをどんどん挿入することで、それをあまり気にさせない構成になっていたのもGoodでした。

 

赤い球が生み出した、ベビーザンドリアス→ザンドリアス。それが防衛隊の無慈悲な攻撃にさらされ、アオイが怒りと破壊衝動を覚えたとき、キングオブモンスへと変化した!こうして登場したキングオブモンスは、市街地を蹂躙し甚大な被害を出していきます。戦闘シーン序盤では、キングオブモンスの登場から破壊活動を描写。ここでは、一発目のクレメイトビームによるビル破壊をミニチュア特撮で、続いての描写をCG合成とそれらの実景との合成でそれぞれ表現し、見せ方の違いを上手く利用して、街を蹂躙するキングオブモンスのさまをしっかりと描いていました。あとから振り返ると、破壊シーンは意外に時間的には短いのですが、それでもインパクトと満足度は十分。秋武監督の演出は、非常に興味深いなと感じました。

 

キングオブモンスに応戦するため、ユウマはアークに変身。しかし、怪力自慢なうえ遠距離攻撃であるクレメイトビームを持つそれの前に、ほとんどなすすべもなく劣勢を強いられることになります。アークが登場してからも、キングオブモンスの優勢は変わらず。接近戦を挑もうとするアークを容赦なくビルにたたきつけ、クレメイトビームでダメージを与えつつ距離を離したかと思うと、グロッキー状態のアークに再び近づいて踏みつけると、まさに最強クラスの怪獣にふさわしい、力押しの暴れっぷりを楽しむことが出来ました。一連のシーンでも、特撮の使い分けはもちろんのこと、シーンごとにアークとキングオブモンスを寄りや広角で映す等、画角の使い分けもしっかり行っていたのが、強く印象に残りましたね。今回のこれらの演出で、キングオブモンスを全く知らないちびっ子たちでも、「この怪獣は強くてヤバい」ということを痛感したことでしょう。

 

アオイの願いが月に届くとき、ピンチのアークの前に現れたのは、なんとギヴァス。これにより、アークとギヴァスのタッグマッチが始まります。2人が総出でかかっても、キングオブモンスはかなりの強さを見せますが、ギヴァスの身を呈してでの攻撃と、アーク ギャラクシーアーマーの力がそれを上回り、最後はギャラクシーファイナライズで撃破され、それに巻き込まれそうになったギヴァスも、すんでのところでギャラクシーアーマーの力で救われるのでした。ギヴァスが月から帰ってきてから、アーク側の反撃が開始。その反撃も、アーク側が一気に優勢にはならず、競り合った結果辛勝したという形になっており、キングオブモンスの格を落とさない配慮がなされていたのが良かったですね。そんなここでの特撮シーンは、CG合成を主体にして多彩な攻撃が描かれますが、それにプラスして力が入れられていたのは、大胆なアングルの変更。吹っ飛ばされた車の窓を一度突き抜けてからの、降下しながらのアークとキングオブモンスの激戦の描写や、アークアイソードが弾き飛ばされて以降、敢えてアークアイソード側に視点に置いて、空に上がってから落ちるまでの動きでアークたちの戦いを映したりと、全く予想しなかった画角からの特撮表現に度肝を抜かれましたね。今回の特撮描写、本当に『アーク』で1,2を争うほど素晴らしい出来でしたね。今後も「ウルトラシリーズ」で、秋武監督を起用してもらいたいなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

普段と変わらない日常に、その「もの」は確実に忍び寄っていた。ユウマの前に現れる白い仮面の男の正体とは?そして、世界を脅かさんとする「もの」とは、いったい何なのか!?

 

次回は、今回以上に『ウルトラQ』テイストが強い単発回になりそう。メインとなる怪獣や敵が一切登場しないのが、これまた想像と興味を掻き立てられます。メトロン星人が出るかもしれないってウワサ、本当なのかなぁ(ちょうど今日、ウルトラアクションフィギュアも発売されましたし)?

 

 

↓次回も走れ、ユウマ!

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

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