大切なのは、自分のハンドルを握り続けること
番組は変わって、『爆上戦隊ブンブンジャー』です。
自分のハンドルを握ってるなら、秋の人生の主役は秋だよ。チャンピオンブンブンジャー関連のものの紹介がひと通り終わり、再び通常回に戻った『ブンブンジャー』。今回は未来が主役であり、彼女の強さと優しさ、そして思いやりをひしひしと感じる、ドラマとしてとても見ごたえのある一編になっていました。
メインゲストである秋役に、『ゼンカイジャー』のフリントこと森日菜美さん。トイザらスにおける未来と秋の上司役に、『ドンブラザーズ』の山田部長こと滝晃太朗さんと、歴代作品からのゲスト出演が目立つ回でもあった今回。しかし、仮にそうした話題性がなかったとしても、今回は『ブンブンジャー』の中で特にインパクトを放っており、通常回として非常に完成度の高い一編だったなと感じました。ドラマ時間が限られているので、多少巻き気味な部分もありましたが、『ブンブンジャー』という作品の伝えたいメッセージやエッセンスが、とても濃く出ていましたね。
なお、前回(バクアゲ35)の感想記事は↓コチラです。
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また、同日放送の『仮面ライダーガヴ』の記事は↓コチラです。
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今日もバイトの合間にブンブンジャーとして活躍し、苦魔獣を撃破する未来。彼女が今勤めるトイザらスには、幼馴染の秋も勤めていました。仕事に戻ることから、休憩に入る秋にブンブンチェンジャーを預けた未来は、退勤後彼女から、夢をあきらめて就職することを検討しているのと告げられてビックリ。反対する未来でしたが、ブンブンジャーとして活躍し、大也たちという仲間も出来て、人生が変わったと語る彼女を見ていた秋は、魔が差してしまって…。序盤では、ブンブンジャーとして華々しく活躍し、バイト先でもそのこと含めて受け入れられている未来と、それに対してイマイチ仕事が振るわず、さらに親の勧めもあって夢を捨てて就職しようとしている秋のさまが、対比して描写。短時間のうちに、未来と秋の置かれている状況が真逆であることを表現したうえで、大也たちを登場させて未来のキラキラ度を上げ、それに静かに嫉妬しブンブンチェンジャーをそのまま持ち帰るという行動に出させる秋の姿まで端的に描写し、状況説明のセリフをほぼ使わずに、秋の心の動きを的確に描写していることに唸らされました。秋は一言も「未来のことが羨ましい」とは言っていないのに、未来のさまやそれに対する秋の反応で、秋がそう感じているんだろうなということをしっかりと視聴者に感じさせてくれているんですよね。このあたり構成の巧みさには、観ていて本当に舌を巻きましたよ。
玄蕃と先斗が常槍本部長と密会しており、未来が、アキがブンブンチェンジャーを返してくれることを信じて待っていた頃。街にはレイゾウコグルマー二代目とソウジキグルマー二代目が出現。大也たちが応戦のために駆けつけますが、なんとそこには、ブンブンチェンジャーを手にした秋がいました。しかし、変身出来ず未来に救われることに。安全な場所に避難した未来は、この行動の理由について秋に問いただしますが、返ってきたのは未来への嫉妬でした。玄蕃と先斗は、ドラマパートでは常槍本部長とのシーンでのみ登場。常槍本部長は密かにワルイドの情報を訊き出したつもりでしたが、ブンブンチェンジャーを通して射士郎たちに筒抜けにされていたあたり、ブンブンジャーのほうが一枚上手だったなと感じました。そんなシーンのあとは、レイゾウコグルマー二代目とソウジキグルマー二代目が暴れ回るシーンへ。真っ先に駆けつけたのはなんと秋であり、秋は未来のブンブンチェンジャーを使って変身しようとするも失敗。結局生身の未来に救われることになります。避難のため場所を移し、未来と秋が1対1になってからこそ、今回のドラマの最大のクライマックス。未来がなぜこんなことをしたのかと問いただすのに対し、秋は彼女への嫉妬を語ります。秋が自分の本心をぶつけて来るのに対し、未来は終始反論するも意見を完全には否定せず、かつ秋を元気づけているのが素晴らしいポイント。過度な説教臭さもなく、ヒーロー番組のメインキャラが誰かを諭すシーンとして、非常にいい塩梅で作られているなと感じました。こうしたところに、この作品の優しさと、「これは絶対に伝えたい」という揺るがないメッセージ性を感じましたね。
互いに面と向かって話し合うことで、その仲を回復した、未来と秋。秋からブンブンチェンジャーを返してもらった未来は、ブンピンクそしてチャンピオンブンピンクへと変身し、ほぼ単独で2体の苦魔獣を撃破してみせます。そして、巨大ロボ戦もブンブンジャーロボチャンピオンによりあっという間に決着がつき、やがて秋の引っ越しの日当日に。そこには未来も駆けつけており、届け屋として、秋を新居へ送ろうとしていました。秋との仲を取り戻した未来に、もう気にかかるものは何もない!終盤では、満を持してブンピンク→チャンピオンブンピンクへと変身し、2体の苦魔獣相手に堂々と立ち回る未来の姿が描かれます。ここは、チャンピオンブンピンク自身の勢いと、他の仲間たちから応援されているさまが要所要所で挿入されることで、チャンピオンブンピンクがメチャクチャカッコよく描かれており、Very Goodでした。よく考えてみると、前回の次回予告はある意味詐欺予告だったのですが(シーンの繋ぎ方により、秋もブンピンクに変身するような印象を受ける)、それは観終わったあとにようやくハッと気づくくらい、本放送中のこのシーンは素晴らしいものでした。今回で、ブンピンク/未来の株が、さらに上がりましたよね。その後、巨大ロボ戦はブンブンジャーロボチャンピオンのおかげで割とアッサリ終わり、ラストでは秋の引っ越しシーンが。そこには届け屋として未来の姿もあり、秋は夢を絶対にあきらめないことを誓って、新居へと共に向かっていくのでした。ラストシーンもこれまたいい塩梅。秋は結局就職と引っ越しを回避することは出来ませんでしたが、その心までは現実に負けておらず、その精神は揺らいでいないことがしっかりと描かれています。例え今が理想の形でなくとも、自分のハンドルを握っていればそれは自分が主役の人生だし、夢をあきらめない心があれば、人間は決して折れない―。静かながらも強いメッセージ性を、このシーンでは感じさせられました。
射士郎の前に現れた、かつてのスパイ仲間。これをキッカケに、ブンブンジャーの絆が壊れていく?生身でぶつかる大也と射士郎。この戦いの結末は、どうなるのか!?
次回は、射士郎のメイン回。ゲストキャラとして、内藤好美さんが出演されます。ヤスノブ役の梶原さんに続き、『ウルトラマンブレーザー』からのゲスト出演。もしかして、スタッフもちょっと意識してオファーしてたりするのかな?
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