2回転生したせいでコミカルさが増したザンギル
この星の安寧と調和を守るのが、おぬしの定めじゃ―。今回の『ウルトラマンアーク』は、『ブレーザー』とのコラボ回2回目。ザンギルがガッツリとストーリーにからんで、今回の事件や自身復活の理由をしっかりと説明し、終盤ではCG合成を多用した物量勝負のような戦闘が展開され、ギャラクシーアーマーの万能さを感じると同時に、お祭り回らしさを強く感じる一編になっていました。
『ブレーザー』のときに比べて、ややコミカルになったザンギルですが、『アーク』の作風に合わせたのかなという感じで、そこまで格は落ちてなかったなという印象。アークを導く立場としてずっと立ち回っていたのは、Goodでした。でも、言うほど斬鬼流星剣の話はクローズアップされてなかったから、サブタイトルは別のものにしてもよかったんじゃないかなぁ。
なお、前回(第16話)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面
ザンギルがストーリーにガッツリ関わり、後半では大乱戦の様相を呈する形になった、まさにお祭り回という感じの一編。次元の裂け目等諸々の設定は、ザンギルに全部語らせることでドラマを圧縮し、上手く後半の戦闘シーンとのバランスをとっていました。でも、欲を言えば、斬鬼流星剣の話はもっと掘り下げてくれても良かったかな。
前回、モグージョンとの戦闘において、アーク/ユウマをアシストしたザンギル。ユウマたちの前に現れた彼は、ヘルナラクの接近を訴えるも、ジャンプに失敗して昏倒してしまい、ユウマたちに介抱されてSKIPで目を覚まします。最初は近寄り難い雰囲気を出していましたが、シュウとのコーヒー談義で話が弾み、一連の事件の原因と真相、そして次元の裂け目の先で戦う別のウルトラマンの存在を語るのでした。前半では、ザンギルがユウマたちと出会い(シュウの前には少しだけ姿を見せてたけど)と、今回の事件の背景等を語るさまが描写。地面に頭を突き刺したまま昏倒したり、コーヒー談義が弾み過ぎたりと、『ブレーザー』のときに比べてややコミカルになった彼でしたが、キャラがブレるほどではありませんでした。ザンギルの語りにより、事件の真相が判明。次元の裂け目はヘルナラクのいる世界へと繋がっており、その能力で『ブレーザー』の怪獣たちが次々と卵化。孵化したものは幽体怪獣となって暴れまわるというものでした。ヘルナラクはその見た目から、『ブレーザー』の登場怪獣が何らかの形で合成された合体怪獣かとも思われていましたが、実際はそうではない様子。目玉がそのままということもあり、ちょっとユーモラスさも感じるデザインであることから、ザンギルが散々「闇将軍」と表現しているのには、ちょっとギャップを感じました。でも、「ウルトラシリーズ」では、こういう見た目の怪獣が、なかなかの強敵であることが多いんですよね〜。ちなみにこのシーンでは、ユウマがシュウのことを「シュウさん」と呼んでいることに、リンたちが気づくほか、ザンギルの言い回しも相まって、皆が皆「シュウ殿」と呼び出すように。シュウは嫌がっていましたが、彼がよりSKIPに馴染んだ感じがして、微笑ましい描写でした。
ユウマがアークであることを他人に隠していることを察したザンギルは、場所を変え、ブレーザーのことや自身の技:斬鬼流星剣のことを伝授。ユウマがそれらに理解を深めた直後、次元の裂け目から投下された卵が次々に孵化し、ゲードスやタガヌラーが出現します。前者をユウマたちが、後者をザンギルが担当することになり、前者はSKIPの努力とユウマのアーク変身で撃破しますが、後者は物量作戦のごとく大群で攻めて来たことから、ザンギルは追い詰められつつありました。ユウマが正体を隠していることを察し、場所を変えて斬鬼流星剣のことを語るザンギル。斬鬼流星剣とは、ザンギルが使う、幽体怪獣を斬る剣法のことでした。ザンギルがゲントの名前を出し、ブレーザーが次元の裂け目の先で戦っていることを示唆するのは、『ブレーザー』を観ている者にとっては感無量。今後ブレーザーがアークと共闘することが分かっていても、かなり嬉しくなりました。でも、結局斬鬼流星剣の話は最低限で終わっちゃったのは、ちょっと拍子抜けしたなぁ。サブタイトルにもなっているくらいだから、ユウマがザンギルと特訓でもするのかと思ってたよ。その後ヘルナラクの放った卵が孵化し、ゲードスとタガヌラーが出現。前者はSKIPとアークの活躍で、割とすぐに撃破されますが、一方後者は、ザンギル自身が本調子でないこともあり、苦戦を強いられていました。今回のSKIPは、ゲードスやタガヌラーの姿に全くビビらずに冷静に分析し、流星剣の音を解析・コピーして放つことでゲードスの実体化に成功していたりと、通常の防衛隊並みのファインプレーを披露。ここに関しては、『ブレーザー』のSKaRD並みか、下手するとそれ以上だなと感じました。
復活時の闇のパワーも尽きかけており、万事休すのザンギル。ところが、ここでヒロシが流星剣の音を各所から流し始めたことで、タガヌラーにスキが生まれ、またアーク ギャラクシーアーマーも駆けつけ、その絶大なパワーとチート級のイリュージョンを見せて、全タガヌラーを撃破し逆転勝利をおさめます。事件を解決し、ユウマが斬鬼流星剣をマスターしたことを確信したザンギルは、1杯のコーヒーを飲んだのち、静かに消えていくのでした。終盤では、特別総集編含めて2週も新規活躍シーンの無かったギャラクシーアーマーが、これでもかというほど活躍。詳細は後述しますが、その能力はあまりにも万能すぎて、「もうギャラクシーアーマーだけでいいんじゃないかな」と思っちゃうほどでした。今回は無数のタガヌラーが現れましたが、ザンギルは途中で戦線離脱しちゃうので、大半をギャラクシーアーマー単独で撃破してるんですよね。今回の戦闘は、ギャラクシーアーマーの強さをガツンとアピールしてくれるものになっていましたね。こうして戦闘が終わり、とうとうザンギルにも最期のときが。全てをユウマやシュウたちに託した彼は、1杯のコーヒーを飲んで静かに消滅していきます。ここでは、ザンギルの語りも注目させられますが、やっぱり『ブレーザー』から観ている者にとっては、ザンギルがコーヒーを飲んでちゃんとこの世を去れていることに、ジーンと来ました。『ブレーザー』のときは、最期のコーヒーが飲めてなかったもんね。
◎特撮面
前半をドラマに振ったぶん、後半は戦闘描写にほぼ全振りしていた感のある、今回の特撮パート。ギャラクシーアーマーの第2戦ということもあり、CG合成をふんだんに使用して、ヘルナラクの放つ幽体怪獣の脅威と、それに真っ向から立ち向かうギャラクシーアーマーのさまが、大胆に描写されていました。本当、規模がデカすぎて、思わず笑っちゃいましたよ。
ヘルナラクの放ってきた卵が孵化し、ゲードスとタガヌラーが誕生。このうちゲードスをSKIPが担当することになり、ユウマたちは現地に向かいます。流星剣の音を解析・コピーした音声を使ってゲードスを実体化させることに成功したSKIPは、その後の対処に難儀するも、アークが登場したことによりあっという間に倒されるのでした。今回の戦闘シーンでは、SKIP&アークVSゲードスとザンギルVSタガヌラーが同時並行で描かれており、前半ではやや前者の描写が多め。SKIPの攻撃やゲードスが実体化するさまはCG合成で表現されていました。今回のSKIPは、「ストーリー面」でも述べた通り、かなりのファインプレーだったと思いますね。ゲードスを実体化させたあと、ろくに対処出来ていなかったと言えばそうですが、彼らは防衛隊ではなく調査チームなので、仕方ないともいえるでしょう。そんなSKIPの活躍あとは、アークの活躍が描写。こちらはミニチュア特撮やアクションが中心になっており、ゲードスを投げ飛ばすアークのさまには、歴代ウルトラマンが何度も見せてきた、あのジャイアントスイングや尻尾をもって投げ飛ばすさまを想起させてくれてGoodでした。そしてラスト、ゲードスは開きにされて爆散。『ブレーザー』で串焼きにされた次は開きとは、完全に魚扱いの最期だな…。
タガヌラーに応戦するザンギルでしたが、相手は次々に孵化して大群を形成。1体ずつ応戦していくザンギルでしたが、さすがの彼でも、これだけの数を相手にするのは不可能でした。それでも何とか粘り切りますが、とうとうエネルギーが尽きて等身大に縮小。打つ手なしかと思われたそのとき、アークがギャラクシーアーマーをまとって加勢します。VSタガヌラー戦では、ザンギルの奮闘が披露。こちらは、タガヌラーの大群をCG合成で表現しているぶん、戦闘シーンはあまりCG合成を使わずにアクションを中心に描写しており、ザンギルの立ち回りのほか、追いつめられて膝をついた際の瓦礫や周囲の情景のミニチュア等が、細かく作りこまれていたのが印象的でした。まあ、あれだけの数じゃあ、本調子のザンギルでも、全て相手するのは難しいだろうなぁ。
ギャラクシーアーマーは、自らを分身のうえ、それらをソリスアーマーとルーナアーマーにチェンジ。タガヌラーの大群相手に、ルーナアーマーの分身能力を使って各個撃破しつつ、その分身の一部をソリスアーマーにチェンジさせてタガヌラーの大群の攻撃を防ぎきると言った、大規模な攻防をどれも単独でやってのけてみせます。これにより、タガヌラーの多くが撃破され、残ったものたちは、ギャラクシーアーマーの斬鬼流星剣で一網打尽。続いて次元の裂け目より侵攻しようとしたタガヌラーの別の大群は、ギャラクサーファイナライズで一瞬のうちに全滅させられるのでした。終盤の戦闘シーンでは、ギャラクシーアーマーがこれでもかというほど活躍。分身して各アーマーにチェンジすることは、なんとなくありえそうとは思っていましたが、その分身もまた各アーマーの能力をフル活用することが出来、分身に次ぐ分身でタガヌラーの大群を真正面から相手してまともに勝利するとは思ってもみませんでした。いや、いくら何でもギャラクシーアーマーチートすぎるよ!CG合成をふんだんに使用した分身どうしの戦闘シーンも、なんだか『マックス』のVSダークバルタン戦を想起させましたね。このあとの斬鬼流星剣の演出や、ギャラクサーファイナライズの強さもあって、今回はギャラクシーアーマーの強さをガツンとアピールされた感じだったなぁ。今回を観て、ギャラクシーアーマーに惚れないチビッ子はまずいないでしょうね。それくらい、とてもカッコよくインパクトのある活躍でした。
ザンギル亡き今、ユウマたちは自力で次元の裂け目やヘルナラクに挑まなければならない。防衛隊は対抗兵器を開発するが、それにはアークの協力が不可欠だ。しかし、防衛隊はアークへのコンタクトの仕方がわからず、ユウマも自らがアークだと言い出すワケにはいかない!この状況、どう打開する?
次回は、引き続き『ブレーザー』とのコラボ回であるものの、敵怪獣であるバザンガやタガヌラー以外は特に登場しない様子。次回の終盤でヘルナラクがその姿を現す形になるのでしょうか。そして最大の関心事が、ブレーザーの登場の仕方。次回だけでなく、次々回も楽しみで仕方ないぞ!
↓次回も走れ、ユウマ!
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