分かりあえると思ったのに。残念だよ―。今回の『新幹線変形ロボ シンカリオン チェンジ ザ ワールド』は、ドクターイエローデビュー編の前編。レイジとイナたちの関係性がタイセイたちに正式に明かされると同時に、ドクターイエローとその運転士候補となったモリトのことも彼らに伝えられますが、モリト自身はドクターイエローに搭乗することに消極的であり、タイセイたちと溝が深まる結果になってしまいました。
モリトが運転士になることを拒否する理由、そしてそれをなんとかしたいと考えるリョータの思いもよくわかるのですが、せっかく良かったその流れを終盤で壊しちゃったかなという印象。配慮ができないリョータが、モリトの神経を逆なでしてしまうというドラマ展開は十分アリなのですが、彼らは初対面じゃなくて既に数ヶ月単位での付き合いのはずなんですよね。それでリョータがあの態度になるのは、個人的にはかなり違和感があったかな。
なお、前回(特別編3)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
前々回、仮面の男に対するイナの反応に驚いたタイセイたち。そのことを問うと、カドミチを中心に、ERDAの各メンバーが、かつてのシンカリオン0の運転士であり、失踪したレイジのことを語り始めます。レイジが自発的にアンノウンに協力している可能性が高いと知ったタイセイたちの間には、重い空気が流れて…。序盤では、タイセイたちに対して、レイジのことや彼とイナたちの関係が明かされることに。視聴者にとっては周知の事実であるため、ドラマ展開として絶対に必要なシーンではあるものの、そのままやっては間延びする印象を与えかねないため、カイジによるレイジ失踪における新証言を挿入することで、それを緩和していました。レイジはある日忽然と姿を消したと思われていましたが、カイジの証言によれば、深夜病室から抜け出して、すぐにその姿が見えなくなったということ。ということは、レイジは失踪の直前意識を取り戻し、自発的に姿を消した可能性が非常に高くなります。メタバース空間で意識だけが残ったあと、何らかの存在からの作用で反ERDAの思考となり、意識を身体に戻されたのち、失踪したということなのでしょうか。やはり、敵の本丸はメタバース空間にありそうですね。
重苦しい空気を払拭するため、ある情報を解禁すべく、メタバース空間にタイセイたちを呼び出したイナ。そこには、テンをはじめとする全国各地のシンカリオン運転士たちが集結していました。そこで発表されたのは、シンカリオンSRGに次ぐERDAの切り札:シンカリオンドクターイエローの完成と、その運転士があのモリトであること。テンたちとは初対面となるモリトは、彼らにあいさつをしますが、その後飛び出てきた言葉、予想だにしないものでした。中盤では、全国のシンカリオン運転士が集い、完成したシンカリオンドクターイエローと、その運転士候補であるモリトが紹介されるさまが描写。その中で最もインパクト大だったのは、やはり500こだまの運転士であるヤマトでした。ヤマトのノリとネーミングセンスは相変わらずで、シオンたちをドン引きさせるほど。そこまではただ笑えるだけで済みましたが、イナに対するネーミングだけは、彼女を納得させられずゲンコツを食らうハメになります。イナとおいなり(いなり寿司)をかけるのはいいんだけど、「おいなりオバハン」はやりすぎだよねぇ。こうしたやり取りのあと、タイセイたちの前にモリトが登場。彼が名古屋の進開学園に通っていることが明らかになる一方、せっかく運転士候補になったのに、彼自身は乗る気が全くないと宣言し、タイセイたちに動揺が走ります。シンカリオンの運転士には全く興味がなく、ゆえに能力があっても皆の足を引っ張ってしまうだけだと語るモリト。まあ、彼もいきなり、「適正値が高い」だのなんだの言われて、なんだかよくわからないうちにこの場にいるのでしょうから、この反応はわからなくもありません。普通の反応ですよね。
なんとかモリトをドクターイエローに乗せるため、彼の興味を現実世界にも向けさせようとするリョータ。タイセイの協力も仰ぎ、モリトのメタバース空間に向かった彼は、実際に全国各地の鉄道スポットをめぐる旅行を提案します。最初は上手くいくかと思われたこの作戦でしたが、リョータの無配慮な言葉が仇となって、モリトをより自分の殻の中に閉じこもらせる結果に終わってしまいます。終盤では、リョータを中心に、モリトの目を現実世界に目をむかせて、シンカリオン運転士になってもらおうとするさまが描写。しかし、これは結果的に真逆の効果を生み、モリトとの間に深い溝を生むことになりました。「現実世界にも魅力的な面がある」ということを伝えるまではよかったのですが、それがメタバースよりも優れているとバッサリ言い切っちゃったのがマズかったですね。このシーンで首をかしげたくなるのが、こうしたリョータたちの反応。この行動やセリフ自体は、リョータの気質に合ったものですが、彼はタイセイほどではないものの、数か月単位でモリトと見知った仲。まだお互いのことをよく知らない状態で、このやり取りをしてしまったということなら理解できますが、どれだけリョータが鈍感だとしても、「モリトはかなりメタバースのことが好きなんだな」ということを知っているであろうはずなのに、このやり取りをしてしまうのは、いささか配慮に欠けるというか、ちょっと人の心を汲み取れなさすぎという感じが否めません。中学生は大人に比べれば、確かにこうしたことにはまだ未熟かもしれませんが、それでも少しは相手を慮ることくらいは出来るんじゃないかなぁ。終盤のこれは、タイセイたちとモリトを対立させたいがために、若干ムリして挿入した感があるなぁという感じでした。
モリトを傷つけてしまった―。そのことを深く反省したタイセイたちは、直接会って謝るため、名古屋へ向かう。まだ心を開ききっていないモリトに、タイセイたちはどう打ち解けていくのか!?
次回は、ドクターイエローデビュー編の中編。いよいよモリトが、ドクターイエローに搭乗するようです。ここから泣けるドラマ展開になるらしいけど、現時点で予想できるものとしたら…まさか、イドが消滅するとかかなぁ?
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