帰ってきた『ブレーザー』ワールド！
防衛隊は間に合わない！私たちがやるしか…いや、私たちならできます！今回より『ウルトラマンアーク』は、『ブレーザー』とのコラボ編に突入。その一発目となる今回は、モグージョンとザンギルが登場し、大まかな流れは『ブレーザー』のときと似たよう展開をしつつも、細かいところで独自性を出して、『アーク』らしさも感じる一編に仕上がっていました。
『ブレーザー』とのコラボ回だと、そればかりがクローズアップされそうな感じもありましたが、ちゃんとシュウのことにもスポットを当ててドラマが進行していたのがGood。モグージョンとの戦闘中の彼の姿は、今までで最も凛々しく、そしてカッコよく見えました。やっぱりシュウは、最後までユウマたちの味方としていてほしいですね。
なお、前回（特別総集編2）の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面
次元の裂け目からやって来たモグージョンに、ユウマたちが挑むことになる一編。また、今回の戦いを通して、シュウの人間味をさらに知ることが出来ました。最終的には、宇宙科学局への帰任を蹴って、まだしばらくユウマたちのもとにいることを決意したシュウ。登場当初に比べて、彼の心がより豊かになり、考え方が柔軟になったことを象徴する描写でもありましたね。
シュウの宇宙科学局への帰任の話が持ち上がり、寂しがるSKIP一同。彼が去るその日、ユウマは出勤途中に出会い、彼が宇宙科学局入りした理由を聞きます。そのとき、市街地では、謎の光を浴びた直後、人々が異常に何かにおびえる奇妙な事件が発生。調査に出たユウマとシュウは、通報先のキャンプ場で、半透明な謎の怪獣に遭遇します。そして、シュウは怪獣の放つ光を浴びてしまい…。序盤では、ユウマとシュウのやり取りにおいて、ユウマがSKIP入りした理由が判明。彼があえて防衛隊を選択しなかったのは、怪獣を調査することこそが、今後の怪獣災害等を防ぐために最も資することになると確信していたからでした。彼が幼少期に、K-DAYで悲しい思いをしているのは周知の事実ですが、そうしたことを経験しながらも、「怪獣なんてぶっ倒してやる！」という極端な考えにならず今に至っているのは、ユウマの心の強さを感じました。ユウマ、アークに変身するようになる前から、本当に精神的にタフだよなぁ。こうしたやり取りののち、ユウマらはモグージョンの脅威に立ち向かうことに。キャンプ場でそれを発見した彼らは、背後に現れた謎の男＝ザンギルの加勢がなければ、危ない状況でした。モグージョンの光を浴びたことで、シュウが恐れているものが判明。それは、ユウマたち仲間と別れることでした。彼が恐れそうなものについては、なんとなく想像がつきましたが、ここで内心動揺しながらも、表向きには一切そのそぶりを見せていなかったため、ユウマに負けない彼の精神的なタフさに驚きました。この時点で、『ブレーザー』のテルアキたちよりかは精神的に強いってことになるんだね…。
怪獣の放つ光が、奇妙な事件の原因であることを確信したSKIP。そんな中、怪獣が市街地に出現し、光を放ちながら暴れ始めます。イリュージョンを使うモグラのような怪獣ということで、モグージョンと名付けられたそれに、攻撃を仕掛ける防衛隊ですが、怪獣には一切の攻撃が通じずじまい。それはアークも同様で、かなりの苦戦を強いられます。市街地が混乱に陥り、自分たち自身にも危機が迫る中、それでもSKIPは、シュウを中心に決してあきらめず、現地で粘り続けます。中盤から、モグージョンが市街地に登場。実体のない幽体であることから、防衛隊はもちろん、アークもまた苦戦を強いられてしまいます。このシーンでSKIPを引っ張り、最も頑張って目立っていたのはシュウ。アークが苦戦しながらも、必死に自分たちを守っていることを悟った彼は、避難誘導こそ自分たちの使命であると改めて感じ、爆風に巻き込まれて怯んでいたヒロシたちを奮い立たせます。このときの、「私たちがやるしか…いや、私たちならできます！」というシュウのセリフは、ヒロシたちを同じ立ち位置の仲間と捉えていることがハッキリわかるもので、個人的には、現時点で『アーク』で好きなセリフの1つ。またこの描写により、シュウの人間味をさらに感じることが出来ました。
アークがピンチの際、シュウの背後に現れた謎の人影。彼は巨大化してザンギルとしての正体を見せ、アークに力を与えて共闘を始めます。これにより形勢逆転することになったアークは、途中動きが鈍くなったザンギルを解放しながら、想像力を解き放った斜め上の戦法で反撃。最後はアークファイナライズでモグージョンにとどめを刺します。こうして事件は解決。あとはシュウの今後が気になるところでしたが、翌朝ユウマの前には、同じようにシュウの姿があって―。終盤では、アーク&ザンギルVSモグージョンの戦闘が中心。詳細は後述しますが、モグージョン撃破のさまは、アークだからこそできる技だったなと感じました。戦闘経験ではブレーザーのほうが圧倒的に上でしょうが、彼がゲントと力を合わせて頑張っても、あの発想はなかなか出てこないことでしょう。こうして戦闘は終結し、いよいよシュウもSKIPを去るときが。、しかし、彼は宇宙科学局への帰任を留保して、引き続きSKIPに留まる選択をしていました。SKIPでユウマたちと行動をともにすることで、宇宙人や怪獣への認識が変わったと語るシュウ。このときの彼の言葉は、間違いなく本心から出たものでしょう。
◎特撮面
『ブレーザー』のときも、その幻覚能力で苦しめてきたモグージョンとの戦闘を描いた、今回の特撮パート。ザンギルも登場してハデな立ち回りをするだけでなく、モグージョン自体が幽体であることから、それを表現するための細かな描写を挿入していたのにも、注目させられました。見た目以上に、今回の特撮はなかなか手間がかかっているように感じられましたね。
キャンプ場からの通報を受けて、向かったユウマたちが目撃したのは、怪獣モグージョン！実体がないように見えるそれを前に、手も足も出ないユウマたちでしたが、ザンギルの加勢により窮地を脱します。しかし、モグージョンは続いて市街地に現れ、防衛隊の攻撃をものともせず、蹂躙していきます。序盤では、モグージョンの脅威に重点を置いて描写。ユウマやシュウがタフであり、視聴者的にも一度『ブレーザー』で観たことがあるため特性を知っていることから、「モグージョンってこんな感じだったよね」という感じでサラッと流しそうになりますが、その見た目に反しての凶暴性は、しっかりと表現されていたように感じられました。幽体であることを活かした表現に力が入れられており、防衛隊のミサイルが貫通してビルに当たってしまうさまは、かなりの迫力がありましたね。欲を言えば、あそこでミニチュアが崩壊してくれるとより面白かったけど…、さすがにそこまでは予算の都合でムリだったのかな。
ユウマはアークに変身し先制攻撃を仕掛けますが、実体のないモグージョンにあらゆる攻撃が無効。そのくせ、モグージョンの攻撃は当たり判定があることから、アークはじょじょに防戦一方になって行きます。シュウをかばい、決死の反撃を見せますが、それも効果は無くて…。戦闘シーン中盤より、アークが登場。アークアイソードを振りかざし、やる気満々でモグージョンに先制攻撃を行いますが、幽体であるそれの前には、アークの攻撃すらも通用しませんでした。カッコよく登場して斬りつけてからの、「コイツ、もしかして攻撃が効かないのか？」と確認するようにアークアイソードをつつくさまは、アークらしくてちょっと笑えるところ。こうしたコメディーチックなことも平然と出来て成立させちゃうのが、アークの魅力ですよね。そんなアークは、その後はほぼ防戦一方に追い込まれることに。しかし、モグージョンのビームを的確に弾き返したり、頭部にダメージを与えるために決死の反撃を試みたりと、精いっぱい応戦し続けていました。今回は、アーク単独のアクションも大ぶりで、見応え十分。特に、アークアイビームで全ての攻撃を弾き返すさまは、CG合成も相まってかなりカッコよかったです。
ピンチのアークのもとに現れたのは、ザンギル。彼の力で、モグージョンへの攻撃が通用するようになったアークは、ここから反撃を開始します。そして、モグージョン最大の攻撃である幻覚攻撃は、アークアイソードの反射を活用することで、返り討ちにすることに成功。最後はアークファイナライズでフィニッシュしてくれました。終盤では、ザンギルが巨大化して登場し、アークの反撃が開始。大まかな反応は、ブレーザーとほぼ同じでしたが、反撃開始後のモグージョンへの攻撃は、とてもアークらしさがにじみ出たものになっていましたね。依然としてビーム攻撃をしてくるモグージョンに対し、アークはアークギガバリヤーを細かく砕き、乱反射させることで防御。さらに幻覚攻撃は、アークアイソードの剣身にモグージョンの顔を反射させることで、逆にモグージョン自身を幻覚状態に陥らせることに成功していました。一見するとムチャクチャで、でも非常に効果的な攻撃の連続。これぞまさに、アークの戦闘スタイルの真骨頂と言えるでしょう。ギャラクシーアーマーどころか、そのアークキューブすら使わなかったのは、ちょっと意外でしたが、それを差し引いても、今回の戦闘シーンはかなり満足度の高いものでしたね。
正体不明の宇宙侍：ザンギル。彼がユウマそしてSKIPにもたらしたのは、時空の裂け目から迫りつつある、次元を超えた危機だった。次々と出現する幽体怪獣を前に、アークとザンギルの技が炸裂するぞ！
次回は、今回の続きで引き続き『ブレーザー』とのコラボ回。てっきり次回でヘルナラクが出てくるのかと思いきや、もう1話挟むんですね。ヘルナラク登場回におけるブレーザーの客演が、俄然楽しみになってきたぜ！
↓次回も走れ、ユウマ！
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