今回は、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の感想記事第1回目です。
『SEED』の続編にして、アナザーガンダム系作品としての初の続編TV作品となった『SEED DESTINY』。フォーマット自体はわざと前作と似た形にしつつも、戦闘描写をより重視し、その中でドラマを展開していく形がとられており、スタートダッシュの勢いとしては前作を超えているなという印象を受けました。ここからどんな風にドラマが展開していくのか、世間的には評価が二分しているようですが、楽しみです。
なお、キャラクターとモビルスーツについては、↓下記公式HPをご参照ください。
また、前作(機動戦士ガンダムSEED)の総括感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
PHASE-01「怒れる瞳」
2004年10月9日放送
登場した敵他:カオスガンダム、ガイアガンダム、アビスガンダム
「なんでこんなことを…。また戦争がしたいのか、あんたたちは!?」
STORY:第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦ののち、地球とプラントは講和条約を締結。人類は平和への道を歩もうとしていたが、まだナチュラルとコーディネーターの争いが消えたわけではなかった。C.E.73の10月、極秘裏にプラントのコロニーの1つ:アーモリーワンを訪れていたカガリとアスランは、現在のザフト評議会議長であるギルバート・デュランダルとの会談の場を持つが、それをぶち壊すかのように、ザフト基地に配備されていたガンダム3機が、突然破壊活動を開始した!再び戦争を起こそうとする者の正体とは何か?そして、アスランたちがピンチに陥るとき、現れる新アナモビルスーツ。その名は、インパルスガンダムだった!
『SEED』の続編として制作された、『DESTINY』。その第1話となる今回は、前作の世界観や起きた出来事をしっかりと踏まえつつ、大まかなドラマ構成はわざと前作の第1話とほぼ同じようなものになっており、前作を観た者にとっては、ニヤリとさせられると同時に、「人類はまた同じ過ちを繰り返してしまうのか?」という虚しさを覚えることになりました。主人公はシン・アスカなのですが、ドラマ構成の都合上出番はカガリやアスランのほうが多く、またOPやED映像等から、前作のキャラが今後多数登場するであろうことは明らか。こうした状況下で、シンはどこまで爪痕を残せるのでしょうか。
かつての戦争期、オーブが戦場となっていた戦い。キラ/フリーダムガンダムたちが、連合と死闘を繰り広げる中、地上では多くの一般市民が避難の真っただ中であり、その中にはシンの姿もありました。運悪く戦禍の中を走り抜けることになるシンと家族たちは、ギリギリのところを何度も回避しますが、彼の妹が携帯電話を落としてしまったことで、足止めを食らうことに。両親が避難を優先しようとする一方、シンは駄々をこねる妹のために形態を拾おうとしますが、直後カラミティガンダムの砲火が背後に着弾して―!今回は、かなり長めにアバンタイトルの時間をとり、その中でシンの経験したオーブでの戦いを描写。当時一般市民だった彼は、家族とともに避難するしかなく、その中で家族全員が死亡し天涯孤独の身になるという、壮絶な経験をします。前作では、こうしたグロテスクな描写な死亡描写は、そこそこオブラートに包む形で描写されていましたが、本作の場合はかなり直球。ちぎれてしまった妹の腕や、瓦礫と土砂に押し潰されで血溜まりが広がっていく両親と、子供向け番組としてはなかなか攻めた描写をしていました。いくら本作の主人公とはいえ、第1話の始まりたてでこんな経験ををさせるなんて、ハード過ぎるでしょ…。そうそう、この一連のシーンは、シンが登場していないシーンについてもすべて新規で描き起こされており、気合いが入っているなという印象。また、シンが偶然生き残る理由が、安全対策をして危険なことをしなかったからではなく、逆にやめろと言われていた妹の携帯電話を取りに行ったことになっているのが、ひねりが加えられていて面白いと感じました。まあどちらにせよ、シンにとってはツラい経験なのは間違いないけどさ…。しっかし、このように、言ってみればガンダムの存在に恨みを抱きそうなシンが、インパルスガンダムのパイロットになるなんて、ちょっと不思議ですよね。その経緯は、おいおい明かされるのでしょう。
時は流れて、戦争終結後のC.E.73 10月。講和条約も締結され、地球とプラントは着実に平和への道を進み始めていましたが、まだすべての懸案事項が解決したわけではありませんでした。この日、オーブの代表として極秘裏にアーモリーワンを訪れていたカガリは、デュランダルと面会し、戦争時に流出したオーブの技術を用いて、これ以上の軍備増強をしないよう申し入れを行いますが、対するデュランダルは、「争いがなくならないから力が必要なのだ」と主張し、暗にそれを拒否します。OPを挟んで、お話は現代パートへ。ここでは前作よりカガリとアスランが登場し、復興しつつあるオーブの代表として、新たにプラントのザフト最高評議会議長となったデュランダルと面会します。第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦のあと、カガリはオーブに戻って父ウズミの遺志を受け継いで代表になり、アスランはアレックス・ディノの偽名を使って、お付として行動を共にしている模様。かなり精力的に活動している様子ですが、思うようにもろもろのことが上手く行っていないことから、戦争時とは別の意味で悩みと苦労が絶えないようです。アスランとカガリが離れ離れになっていないのは、純粋に良かったなと思ったけど、これからどうなるんだろう?そんなカガリが、わざわざデュランダルに、しかも極秘裏に面会したのは、戦時中流出したオーブの技術をもとに、プラントがザフトの軍備増強をしていたから。カガリは「力があるから争いが生まれる」と主張しますが、デュランダルは逆に「争いが無くならないから力が必要」と反論します。戦争末期のオーブでの戦い以降、技術者がプラント側にも退避・流出したことで、こうした現状になった模様。その技術で作ったのが、ザクウォーリア等なんですかね?デュランダルは、前作のパトリックに比べると、よっぽど理性的で考え方もまともに感じられますが、池田秀一さんボイスということもあり、一筋縄ではいかない相手ですね。
アーモリーワンの基地の視察中でも、カガリとデュランダルの意見は平行線のまま。そんな中、突然基地内に警報が鳴り響き、1つのドックから3機のガンダム=カオスガンダム・ガイアガンダム・アビスガンダムが出現し、基地内で暴れ始めます。ザフトはこれを鎮圧すべく、待機していたモビルスーツで対抗しますが、ジン・シグー・ガズウート等、従来のものでは全く歯が立たず、カガリとアスランも、その戦いに巻き込まれることになってしまいます。Aパート終盤からBパート序盤にかけて、比較的穏やかだったドラマ展開が一気に波立つ形に。密かにアーモリーワンに潜入していた、地球のエクステンデッドであるスティング・オークレー、アウル・ニーダ、ステラ・ルーシェは、内通者の手引きでザフト基地内に侵入。この基地の最重要機密であったカオスガンダム・ガイアガンダム・アビスガンダムを強奪し、基地内で暴れ始めます。敵軍が内通者を通じて、極秘裏に開発されていたガンダムを強奪するというのは、前作と全く同じ。これは決して偶然ではなく、意図的なものであることは明らかでしょう。冒頭でも述べましたが、「歴史は繰り返してしまうのか?」という虚しさも覚える、前作を知っているものにとってはなかなか胸に来る描写でした。でも潜入の仕方は、ザフト時代のアスランたちに比べると、かなり荒っぽかったですね。ステラのようにナイフを中心に戦って、隠密行動を貫くスタイルはわかるけど、スティングやアウルは普通にアサルトライフル奪ってぶっ放してたもんなぁ。よくあれで、警報鳴らされるまでザフトにきづかれなかったね…。
瓦礫等で逃げ道をふさがれてしまったアスランは、偶然倒れてきたザクウォーリアを発見し、それに搭乗して応戦することを決意。最初こそ、ガイアガンダムを押し返しますが、やはり3体のガンダム相手に、ザクウォーリアのスペックでは、いくらアスランの腕とセンスがあっても、対抗することは不可能でした。左腕を切断され、もはやこれまでかと思われたそのとき、付近に駐留していた戦艦ミネルバから、3機のメカが飛び立ちます。やがてそれは、1つのモビルスーツへと合体して―!終盤では、逃げ惑うアスランとカガリがザクウォーリアに搭乗して戦い、ピンチのところにインパルスガンダム(ソードインパルス)が駆けつけるさまが描写。ザクウォーリアは今のザフトの量産機の1つであり、ガンダム系に比べるといささかスペック的に劣るものですが、それでもカオスガンダムたちに食らいついていたアスランは、さすがと言えるでしょう。とはいえ、久しぶりの戦闘で、しかも性能的に劣ったザクウォーリアで3体のガンダムを相手にするのは、さすがのアスランでも限界。そんな彼のもとに颯爽と現れたのが、ソードインパルスでした。終盤でようやく、ソードインパルスが登場。インパルスガンダムは、ストライクガンダムを発展させたようなモビルスーツであり、コアスプレッダーを中心に3機のメカが自律的に動き、さらに自由に合体出来るという、柔軟さを備えたものになりました。3つのパーツが合体してガンダムになるというのは、明らかに『ガンダム』オマージュ。3機のメカが自由に動けるという点では、『V』のヴィクトリーガンダムも意識しているのでしょうか。そんなソードインパルスは、ザクウォーリアの前に立って抜刀して、今回は終わり。かなり柔軟な運用が出来そうなインパルスガンダムの、今後の活躍が楽しみです。
PHASE-02「戦いを呼ぶもの」
2004年10月16日放送
登場した敵他:カオスガンダム、ガイアガンダム、アビスガンダム、エグザス、ダガーL、ダークダガーL
「じゃあ、お前はここで死ねよ。ネオには僕が言っといてやる。「さよなら」ってな!」
STORY:シンの乗るソードインパルスが、カオスガンダムたちに引けを取らない奮戦を見せていた一方、宇宙では、ネオ・ロアノーク率いる連合の部隊により、ザフトは大きな被害を受けていた。スティングは、当初の予定だったガンダム3機を強奪したことから、早急にアーモリーワンから脱出しようとするが、ソードインパルスを倒すことに固執するステラ、そしてそんな彼女を無理やりにでも止めようとしたせいで、混乱を招いたアウルのせいで、余計な足止めを食ってしまう。対するシンも、インパルスガンダムをフォースインパルスに換装して引き続き応戦するが、そのパワーは限界を迎えつつあった。今、フォースインパルスを無事回収するため、ミネルバが初めて発進する!
インパルスガンダム猛追、ガンダム強奪を許すな!今回も、前回に引き続きアーモリーワンでの戦闘を描く一編に。今回でいったんその話は終わるのかなと思いきや、宇宙に飛び出してもなおまだこれにかかるお話が続く形になりました。今回まるまる使って描かれるのは、インパルスガンダム・ブレイズザクファントム・ザクウォーリアVSカオスガンダム・ガイアガンダム・アビスガンダムの戦い。描写も気合いが入っており、かなり贅沢な本編の使い方だなと感じましたね。また、地球側の士官であるネオも登場。その声色といい、使っている機体といい、もしかして彼は…?
前回、カオスガンダムたちの前に立ちはだかった、ソードインパルス。スティングたちは混乱しながらも、追撃を防ぐために倒そうとしますが、そう簡単にやられるシンではなく、ソードインパルスはかなりの機動力を誇りながら応戦していきます。しかし、その動きには、機体性能に頼り気味な欠点もありました。同じ頃、宇宙では、ネオの率いる地球の艦隊が、ザフト艦隊を襲撃。完全に奇襲を受けた恰好になったザフトは、防衛網の突破どころか、宇宙港の破壊まで許してしまいます。今回は前回の続きであるため、アバンタイトルでの振り返りを経て、すぐに戦闘描写に突入。前作のキラ/ストライクガンダムが、訓練も受けずに乗っていたため動きがぎこちなかったのに対して、シン/ソードインパルスは、ザフトの正規軍人であることから、ほぼ乗りこなしており、おそらくインパルスガンダムとして初めての実戦だったにも関わらず、カオスガンダムたちとまともにやり合って拮抗します。初期値的には、シンのほうがキラを上回っている印象を受けますが、まだインパルスガンダムそのものの機体性能に頼っているほか、まだ精神的に未熟で視野が狭いのが欠点だなという感じ。今後の戦いで、このあたりを改善できれば、主人公として遜色のない強さを誇るパイロットになることでしょう。このように、アーモリーワン内ではソードインパルスが応戦して一定の戦果を挙げていましたが、一方宇宙では、ネオ率いる地球艦隊の攻撃にザフト側が完全に押され、防衛網を突破それどころか、宇宙港への侵入と破壊まで許してしまいます。いくら奇襲だったとはいえ、ここはザフトが推されすぎな印象。直前にソードインパルスの優勢を観せられていましたから、なおさらです。せめて、ジンとかディンとかモビルスーツは配置しておこうよ…。そんな、このザフトが完全にやられた恰好の奇襲の指揮を執っていたのが、仮面を被った地球側の士官であるネオ。その声色といい、愛機がメビウスやメビウス・ゼロの発展機であるエグザスであるといい、もしかしてお前…ムウなのか?
ソードインパルスにかまっていられないと、上空へと飛び立つカオスガンダムたち。当然シンがこれを見過ごすはずがなく、追撃します。ステラのガイアガンダムがこれに応戦しますが、ステラは地上で押され気味だったこともあり、ソードインパルスを倒すことに固執。スティングの呼びかけにも全く応じません。そんなとき、アウルは半ば嫌味でブロックワードを口走り、これがステラを精神的に不安定にしてしまいます。同じ頃、中破したザクウォーリアで何とか帰還した、アスランとカガリは、安全に退避できる場所を探すも、現場は混乱していてとてもそうした状況ではありませんでした。Aパート終盤より、戦闘の舞台は空中へと移行。近接戦闘向けのソードインパルスでは、カオスガンダムたちに対して不利かなと思われましたが、シンはそのまま戦闘続行して食らいついていきます。ストライクガンダムのときは、ソード・ランチャーでそれぞれ特性と欠点が明らかで、またそう簡単に換装できないことから、戦闘フィールドに応じて武装を慎重に選んでいましたが、インパルスガンダムは多少のムリは効く様子。最大の武器であるエクスカリバー レーザー対艦刀は、合体分離だけでなく、ブーメランの要領で敵に投げつける攻撃も可能であり、これを上手く使って立ち回っていました。前回に続き、インパルスガンダムの戦闘に対する柔軟性は驚かされるばかり。本当、初期スペックと使い勝手は、ストライクガンダムを上回っていますよね。そんなソードインパルスに押され気味のステラは、スティングの指示も無視して戦闘を続行。なかなか止める気配が無いため、アウルがわざとブロックワードを言い放ち、これで一時的にガイアガンダムの行動は止まりますが、やがてステラが錯乱状態に陥り、さらに戦闘が継続してしまう結果を生みます。ステラが錯乱状態に陥ったのは、ブロックワードのせいで。前作のオルガたちブーステッドマンの発展型であるスティングたちは、心身ともに基本的には、落ち着いていますが、戦闘時は性格が豹変するほか、特定の言葉=ブロックワードとで精神的に不安定になるという欠点を抱えていました。そして、ステラのブロックワードが「死」。いや、仮にも戦地に派遣して戦わせる兵士で、一番その死と隣り合わせなのに、これをブロックワードにしちゃダメでしょ…。
ステラの錯乱による攻撃や、スティングたちの連携攻撃に、ソードインパルスでの対応は限界と判断したシンは、ミネルバに打診してフォースインパルスに換装。また、レイ・ザ・バレルのブレイズザクファントムや、ルナマリア・ホークのザクウォーリアが加勢に来たことで、再び形勢逆転します。地上でも、混乱は少しずつ落ち着きつつあり、デュランダルは事態の把握と終息のため、自らミネルバに乗艦。そして、アスランとカガリも、自分たちの退避とザクウォーリアの補修のため、偶然そこに身を寄せることになります。ここまでは、ソードインパルスの活躍に頼り切りだったザフトの地上部隊ですが、ずっと混乱していたわけではなく、その中で着実に反撃を準備。瓦礫の中からレイのブレイズザクファントムや、ルナマリアのザクウォーリアが掘り出され、それぞれ搭乗して上空に飛び立ちます。レイとルナマリアは、今後シンと行動を共にする仲間であり、性格はそれぞれ、クールで物静かと快活で明るいと、真反対。これはシンと、良い化学反応を見せてくれそうです。そんな2人は、さっそく出撃するも、ルナマリアのザクウォーリアはエンジン不調のため早々に戦線離脱。対するレイのブレイズザクファントムは、しっかりとインパルスガンダムのアシストをし続けます。ブレイズザクファントムの強さはかなり頼りに出来ますが、それを操縦するレイの声が関俊彦さん(前作のクルーゼ)であるのが面白いです。声色は同じなのに、それから受ける印象が全然違うんですよね。声の抑揚でキャラ変化をつけているのが、興味深いです。こうしたレイたちの活躍に、シンも負けてはおらず、ソードインパルスからフォースインパルスに換装。空中戦が得意な姿になったことで機動力が上がり、カオスガンダムたちを攻め立てていきます。フォースインパルスへの換装はもまた、ソードインパルスと同じ要領での合体機構であるため、都度母艦に戻る必要がないのが、ストライクガンダムにからの改善ポイント。これにスティングたちはメチャクチャ驚いてたけど、パーツ換装すること自体は、ストライクガンダムもやってたはずだけど…。もしかして、知らないのか?
ルナマリアに銃を突き付けられながらも、誤解を解くことに成功したアスランとカガリは、ミネルバの艦橋に立ち入れることに。そんな中、艦長のタリア・グラディスは、カオスガンダムたちを追撃するあまり宇宙に飛び出したフォースインパルスを回収するために、ミネルバの出撃を決断。緊急出撃のフェーズに入ります。ミネルバが退避ではなく戦闘に向かおうとしていることを知り、アスランは愕然とするのでした。アスランとカガリは、いきなりミネルバに乗り込んだ恰好になるため、戻っていたルナマリアから、不審者として銃を突きつけられてしまうことに。しかしここは、アスラン自身が名乗ってカガリの身分を明かしたことにより、事なきを得ます。ここで、アスランは表向き「アレックス・ディノ」という偽名を使っていることが判明しますが、すぐにカガリが、ルナマリアの前でアスランの名前を口走ってしまったため、ルナマリアから疑念を持たれることに。アスランのせっかくの努力をムダにしてしまった形ですが、こういうところでウソをつけないのが、カガリらしくて微笑ましくも感じましたね。そんな彼らの乗ったミネルバは、インパルスガンダム等が所属するバリバリの宇宙戦艦。その艦長であるタリアは、カオスガンダムたちを追って宇宙に飛び出したフォースインパルスを回収するため、緊急出撃を決意。アスランとカガリは、意図せずまたまた戦闘の最前線に赴くことになります。果たして彼らは、生きてオーブに戻れるのか?次回へ続く―!
PHASE-03「予兆の砲火」
2004年10月30日放送
登場した敵他:エグザス、カオスガンダム、ガイアガンダム、アビスガンダム
「さすが、きれいごとは、アズハのお家芸だな!」
STORY:宇宙に出たシン/フォースインパルスとレイ/ブレイズザクファントムを待ち受けていたのは、ネオの乗るエグザスだった。その想像を絶する機動力を前に、2人は完全に押され気味になるが、ミネルバからの援護攻撃と指示もあり、何とか戦線を離脱し帰投する。その後、ミネルバはこのままネオの艦を追うことになり、アスランとカガリも、ここに居合わせたことから、そのまま乗艦し続けることになった。なおも平和のための力の放棄を訴えるカガリだったが、それにシンはとうとう感情的になって反論する。そして、ついに追いついたネオの艦。インパルスガンダムは、ブラストインパルスとなって戦場に出た―。
公開されるミネルバ艦内。そして、カガリに対するシンの思いとは?引き続きカオスガンダムたちが強奪されたことにかかる戦闘を描くことになる今回は、中盤にアスランとカガリを交え、ミネルバの艦内を紹介したり、シンが初めて彼らと接触してその怒りをぶつけたり等、キチンと基盤となる要素を紹介しつつ、ストーリーを進めるドラマ構成となっていました。シンがオーブ出身であることや、アスランがアレックスの偽名を使ってオーブに潜伏していたことは、割と中盤辺りまで視聴者だけの知る秘密として引っ張るのかなと思いきや、今回でどちらも、デュランダルが知っていることが明らかに。これは意外だと感じると同時に、ここからさらにどうドラマ展開をしていくのかが気になります。
前回、カオスガンダムたちを追って宇宙に飛び出した、シン/フォースインパルスとレイ/ブレイズザクファントム。2人の前に立ちはだかったのは、ネオの乗るエグザスでした。モビルアーマーであるため、火力はモビルスーツに劣るかと思われましたが、ネオ持ち前のセンスと技術による操縦を前に、シンたちは想像以上に苦戦。フォースインパルスも脚部の一部を損傷するなどして、長期戦になるにつれて、じわじわと追い詰められていきます。前回からの続きということで、序盤では、フォースインパルス&ブレイズザクファントムVSエグザスの戦闘が描写。メビウス・ゼロの発展機であるエグザスは、モビルスーツ系に比べると火力的に劣るかと思われましたが、フォースインパルスたち相手に堂々と立ち回り、着実にダメージを与えていきます。エグザスの戦闘中の動き方は、まさに卓越したもの。フォースインパルスたちも決して弱いわけではなく、前回カオスガンダムのファンネル攻撃を特に問題なく凌いでいたことを考えると、いかにエグザスが変態機動っぷりを見せているかがよくわかります。いやこれ、本当にエグザス強すぎだよ!これでネオがそのうちモビルスーツとかに乗り出したら、かなりの強敵になりそうだなぁ。そんなエグザスの攻撃に対し、ついアツくなってしまい、負のスパイラルに陥っていたのはシン。対するレイは、理性を失わず、しっかりとシンのことを気にかけながら、エグザス相手に立ち回ります。クールで冷静なことから、冷徹なのかなと思われそうなレイでしたが、今回のこの描写で、そうではないことが明らかに。レイは本当に、信頼できる仲間として、シンとともに『DESTINY』の物語を駆け抜けてくれそうですね。
フォースインパルスを追って宇宙に出たミネルバは、ようやくそれとブレイズザクファントムを発見。速やかに戦闘を終結させてシンたちを救うため、タリアのとった戦術は、母艦であるネオの艦に向けて攻撃を集中するというものでした。シンたちに帰投命令を出した直後、ミネルバは攻撃を開始し、タリアの作戦は成功。ネオがエグザスでの戦闘に時間を食い、またカオスガンダムたちは回収できたことから、ネオは撤収を指示しますが、このままそれを見逃すミネルバではありませんでした。Aパート後半では、タリアの的確な判断と作戦が功を奏し、しっかりとシンたちをアシスト。「とにかく相手の本丸である母艦を叩く」というのは、一見すると誰でも思いつきそうなムチャな作戦のように思えますが、タリアはこれを実行。指切りしながら放つことで相手を油断させ、着実にダメージを与えていきます。ろくに実戦訓練もなく新造戦艦を指揮することになったという意味では、前作のマリューとアークエンジェルに似ているタリアとミネルバですが、タリアは以前からかなり実戦経験があるようで、この事態に全く動じずに指揮。艦長としての威厳とカリスマを感じさせてくれました。演じているのが小山茉美さんということもあって、マジで信頼度が段違いなんだよなぁ。マリューはマリューで、親しみやすい艦長でしたが、タリアのような、物腰柔らかいけどやるときはガッツリやる艦長も、イイですよね。このタリアの攻撃や、ブレイズザクファントムと思ったより長期戦をやりあったことから、ネオもここからの撤収を決意。レイがクルーゼと似た声といい、かつてのムウとクルーゼのような、互いの存在を察する感覚といい、レイはレイで何か大きな秘密を抱えてそうですね。
タリアは、カオスガンダムたちをこのままネオに強奪されたままにしないため、進水式をしていないにもかかわらず追撃を決断。同時に、デュランダルもこのまま乗艦し続ける意向を示しますが、それにプラスして、何と乗り合わせたアスランとカガリに、艦内を紹介したいと言い出します。艦橋やドックを案内され、それを踏まえてもなお「平和のための力の放棄」を訴えるカガリでしたが、そのドックに居合わせていたシンは、皮肉交じりに彼女に反論してみせるのでした。Bパートでは、ルナマリアの報告とデュランダルのはからいもあり、アスランとカガリは、ミネルバへの継続乗艦を許されることに。さらにそれだけでなく、デュランダル自らの手で艦内を案内されることになります。このシーンを通して、視聴者に対しても、ミネルバの構造が公開されることに。ザフトの宇宙戦艦に対する考え方は、前作の頃からかなり変わっているようであり、さらにミネルバはインパルスガンダム格納用の特殊機構が施されていて、各スプレッダーを速やかに射出し、自由に合体ができるようにしていました。ミネルバの紹介をしてくれるのはありがたいですが、ここまでデュランダルが、敵ではないとはいえ他国の首脳に対し、自分たちの最新鋭武装をつまびらかにしてしまうのは、逆に違和感。何か裏があるのではないかなと思ってしまいます。デュランダル、やっぱりただのいい人…ではなさそうだよねぇ。そんなデュランダルに、ザクウォーリアのドックを案内されたカガリは、なおも武装放棄を主張。これに対し、シンは皮肉交じりにカガリに反論し、カガリはシンのことが強烈に脳裏に焼き付くのでした。ここでは、やはりシンの主張が一番インパクトが強いですが、デュランダルが「彼はオーブからの移住者なんだ」と語っていることから、シンの出自を知っているということが見逃せないポイント。戦後のプラントは、ナチュラルも受け入れているということなのでしょうか?それとも、何か思惑があって、シンを受け入れたとか…?
ネオの艦に、ついにミネルバは追いつくことに成功。これを受けて、タリアはシンとルナマリアに出撃を指示します。シンはインパルスガンダムをパーツ換装したブラストインパルスで、ルナマリアはザクウォーリアでそれぞれ出撃。そのさまを、アスランとカガリは艦橋から見ていましたが、近くにともに座っていたデュランダルは、何気ない会話から、アスランの正体をズバリと指摘します。これを受けたアスランは、硬直することしかできず…。ラストでは、タリアの指示を受け出撃していく、シンとルナマリアの姿が描写。シンは初めてブラストインパルスに換装し、これでインパルスガンダムの初期3形態が全て出揃うことになりました。モビルスーツの描写的には、ここが注目ポイントですが、やはりストーリー的に見逃せないのが、ラストでデュランダルがアスランの正体を看破すること。なんだかんだで、アスランの正体は1クールくらいはバレずにそのまま行くんじゃないかと思っていましたから(ルナマリアも、カガリがアスランと呼んでいたことに気づくも、その確信が持てていなかった)、これはとても驚きました。さて、早くも第3話で正体バレしてしまったアスラン。このまま戦闘が終われば、無事オーブに帰還…とは、ならないんだろうなぁ。
今回はここまで。次回は、第4話から第6話をご紹介予定です。『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』。切なる想い、叩きつけろ!ジン!!
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『機動戦士ガンダSEED DESTINY』の本編は、各種サイトで公式配信中!↓コチラもチェックだ!
☆ガンプラ Pick Up!
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場したモビルスーツのガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!
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