お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『ウルトラマンアーク』第6話 ちょっとした感想

コミュニケーションにも必要な想像力

 

 

 

人の身になって考える。胸の内を思いやる。そのために、想像力は不可欠です。今回の『ウルトラマンアーク』は、シュウが主人公に据えて、『Z』のバロッサ星人以来の、ストーリーにガッツリ絡む新規造形(全身ではなかったけど)の宇宙人であるクロコ星人が登場するお話に。アークと戦う怪獣は、第1話にも登場したシャゴンでしたが、3体登場し、うち2体にアークが様々な技を繰り出すことで、しっかりとお盆休み期間中の販促にも繋げていました。

 

シュウがいつも以上にかなりとがっていたのには、リアタイ視聴中ギョッとしましたが、お話を観終わったあとに俯瞰して見てみると、いいスパイスだったかなという印象。そして、今までとはまた違った方向の「想像力の大切さ」を説いていたのは、秀逸に感じました。「想像力」という言葉の万能さと奥深さを、改めて感じさせられたなぁ。

 

なお、前回(第5話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

◎ストーリー面

あけぼの荘を舞台に、母星に帰りたいクロコ星人との遭遇と、タイミング悪く出現するシャゴンとのバトルを描いた今回。シュウがほぼ最後までとがっていましたが、今回を通して「彼は仲間である一方別組織(防衛隊)の所属である」こと、またやっぱり、彼はマジメで実直そして悪い人間ではないことを、それぞれ再認識させてくれたように感じました。ラストのまとめ方は、プラスの方向に持っていきすぎと言えばそうかもしれませんが、クロコ星人に救いのあるENDでよかったですね。

 

特定地域で観測される、異常な電磁波と群発地震。怪獣の可能性もあるということで調査に乗り出したSKIPは、そこがかつてUFO騒動で話題になった場所であることに気づき、ひっそりと営業する旅館:あけぼの荘にたどり着きます。女将と番頭と仲居で営業されるそこでしたが、シュウは並々ならぬ疑いを向けて、根掘り葉掘り調査を始めます。その末に見つけ出したのは…。今回は、既に怪現象が起きており、そこをユウマたちが調査し始めるところからスタート。「ここがUFO騒動で話題になった場所だ」とリンが発言した際、シュウが鋭い表情を見せていましたが、これは今回のお話を踏まえると、宇宙人に対するかなりの疑心があったからということだったんですね。リアタイで観ていたときは、この時点でそんな事情は分からなかったので、普通にUFOに興味があるだけかと思ってたよ…。というか、よく考えてみると、このUFO騒動の話自体も、クロコ星人の地球訪問にかかる伏線だったんですね。そうした土地で営業している旅館が、あけぼの荘。女将のアヤコ、番頭のヌマタ、仲居のムラカミの3人で営業されているそれに、シュウはヌマタのみせたハンドサインをキッカケに、1人この旅館に疑いを向け、あの手この手調査を進めていきます。そしてその結果、不自然に林に逃げ込んでいくヌマタを発見し、ユウマたちは彼の正体がクロコ星人であることを突き止めます。このあとのお話や戦闘シーンに時間を割く都合もあってか、クロコ星人の正体バレのドラマは、かなりスピーディー。お粗末と言えばそうかもしれませんが、ある種彼が悪意ある宇宙人ではないことの証左にもなっていますよね。

 

クロコ星人は、地球に来た顛末や今の目的を語りますが、シュウだけは、依然として強硬姿勢を崩さない状況。そんな中、突然シャゴンが出現し、ユウマたちはあけぼの荘に避難します。やがて、シャゴンの脅威はあけぼの荘に迫り、屋根が破壊され一刻の猶予もない状況。そうした中でも、シュウはクロコ星人を絶対に確保しようとしていましたが、それはアヤコにより阻止されてしまいます。クロコ星人は、宇宙各地のキノコを採取しており、16年前に地球へも飛来。採取後すぐ母星に戻る予定でしたが、諸事情により自分だけ取り残される恰好になり、ヌマタとして生活しながら、帰るための宇宙船を造り続けていました。こうした事情を抱えるクロコ星人に対し、それでもシュウは強硬姿勢を軟化させず、捕縛しようとします。シュウがここまで宇宙人に疑いの目を向けるのは、悪の宇宙人の話術に乗ったばかりに、死傷した仲間がいるから。確かに、「ウルトラシリーズ」においても、食わせ者の宇宙人は少なくないですが、比較的穏やかな雰囲気で進んでいる『アーク』において、このようなピリッとした要素を盛り込んできたのには、「おおっ」と感じさせられました。尺の都合で、このあたりのさらなる掘り下げがなかったのはもったいなかったですが、『アーク』という物語を引き締める、良いスパイスでしたね。そして、こうした張り詰めた空気の中で出現したのが、あのシャゴン。ユウマたちはあけぼの荘に退避し、なおもシュウはクロコ星人を捕縛しようとしていましたが、アヤコが彼をかばいます。シャゴンの襲撃を受けつつも、本筋のドラマを進めるという、なかなかてんこ盛りなシーンづくりとなったこのパート。要素が多いのに取っ散らかっていなかったのが、いい塩梅でした。

 

ユウマの知識通り、シャゴンは複数体出現し、クロコ星人は逃亡。ユウマは外に出てアークに変身し、シャゴンに立ち向かいます。さすがのアークでも、1VS3の戦いはかなり苦しい状況でしたが、多彩な技を繰り出し、またクロコ星人の捨て身のアシストがあったことで、うち2体を撃破、1体を撤退に追い込むことに成功します。そしてラスト、生還したクロコ星人にシュウが訊いた、全てのキッカケとなったハンドサインの意味とは―。シャゴンとの戦闘については後述しますが、その襲撃とドラマの両面を進めるために、あけぼの荘に刻一刻と迫っている構図を作り出していたのは面白いところ。ミニチュアの見せ方も趣向が凝らされており、唸らされました。その後のアークの戦闘も見ごたえがあったけど、まさかクロコ星人が特攻するとは思わなかったなぁ。そんなクロコ星人は、宇宙船は大破したものの生還。規程に則り防衛隊へ引き渡されることになりますが、シュウの証言により、かなり事情を考慮してもらえる可能性がありました。今回最もお話として見ごたえがあったのは、このラストシーン。あのヌマタ/クロコ星人がみせたハンドサインにシュウもユウマも人間的ではないものを感じていた一方、それをもとにシュウは疑念を抱いたのに対し、ユウマは温かみを覚えていました。結果としてユウマの勘のほうが正しく、シュウはコミュニケーションに対する想像力の大切さを痛感します。そう、想像力は何も、何かを生み出したり作り出すときだけに使うものではない。相手がどう思っているか、何を考えているか、それをもとに自分はどう行動すべきか―、それを考えるのもまた、想像力に依るものなんですよね。この切り口は盲点だったなと感じると同時に、子供番組としてとても大切なことを伝えてくれているなと、ジーンと来ました。

 

 

 

◎特撮面

お盆期間中の販促回も兼ねており、第1話に登場した怪獣シャゴンが3体も登場と、再登場怪獣とはいえなかなか豪華な布陣となった、今回の特撮パート。それに対抗するアークも、多彩な武器や技を見せてくれたほか、迫るシャゴンの脅威の表現の仕方にも、多様なものが見られ、とても興味深く観ることができました。今回は、前回とはまた違った意味で、かなり力の入った特撮描写が頻出していたよなぁ。

 

あけぼの荘付近の林で、クロコ星人の正体を暴いた直後、偶然出現したシャゴン。ユウマたちはあけぼの荘へと非難しますが、シャゴンは彼らを食料と捉えており、あけぼの荘まで追いかけてきたうえ、屋根を部分的に破壊しながら、仲間を呼び寄せようとします。シャゴンは中盤で登場し、まずは最初の1体がユウマたちを追跡の上、あけぼの荘に接近。最終的には屋根を破壊し、仲間を呼びつつ彼らを捕食しようとします。このシャゴンにかかる特撮が、今回かなり素晴らしいところ。シュウが応戦する際の緑豊かな山並みの表現だけでも十分ですが、その後のあけぼの荘のミニチュアにつき、建物全体だけでなく、屋根部分や窓付近をアップしたものも作り、そこにシャゴンの襲撃を絡ませることで、ユウマたちに近づく脅威、そしてシャゴンという怪獣のダイナミックさを存分に表現してくれていました。若干、シャゴンの足元を映しすぎて巨大感が薄れたり、屋根のミニチュアセットが実際の部屋のものよりも小さく見えてしまう等、細かい点ではさらにアップグレードできそうな点が散見されましたが、今回のこうしたミニチュアの映し方には、舌を巻きましたね。細かく実景パート(シュウたちのやり取りのシーン)を挟むことで、ミニチュアをリアルなものだと思い込ませる効果を狙っているのも、大変面白い試みでした。

 

クロコ星人が逃亡する中で、ユウマはアークに変身。屋根に空いた穴から顔を突っ込もうとするシャゴンをすんでのところで止めます。力押しで来るシャゴンに、アークは応戦しますが、やがて呼び寄せられた2体目のシャゴンが出現。さすがのアークもこれには苦戦を強いられますが、アークギガバリヤーとアークエクサスラッシュを組み合わせた技で、まずは1体の撃破に成功します。後半になって、アークが登場。2体のシャゴン相手に押され気味になりますが、ここで生きたのが、彼の持ち前の想像力と、技の組み合わせでした。今回シャゴンは複数体登場しますが、おそらく実際にあるスーツは1体のみ。それを合成や細かいシーン割りで複数体いるように見せていたのは、面白かったですね。これは円谷プロが昔からやっている手法ですが、今回もしっかりと生きていました。そして、そうした数で優勢のシャゴンに対し、アークが放った技が、アークギガバリヤーとアークエクサスラッシュの複合技。これにより巨大な八つ裂き光輪を生み出し、シャゴン1体を撃破します。前回もリヴィジラ相手に見せた技が、今回さらに発展する形で披露。もうさ、アークは「ウルトラシリーズ」で一番バリヤーの活用方法が多彩で上手いウルトラマンと言っても、過言ではないよね。

 

シャゴン1体目の撃破直後、今度は3体目が出現。アークは2体目の妨害に遭ってあけぼの荘になかなか向かえずにいましたが、ソリスアーマーの力を使うことで脱出し、さらにクロコ星人の特攻もあって、3体目をあけぼの荘から引きはがすことに成功。そのまま攻めたてて最後はアークアイソードで撃破に成功し、残った2体目のシャゴンは、アークに恐れおののき、山へと帰っていきます。終盤で、ソリスアーマーが登場。ピンチの状況下でタイプチェンジ(アーマーチェンジ)が発動し、炎エフェクトをまといながら、太陽の力でガシガシ反撃していくさまは、とてもカッコよかったですね。一瞬だけ見せた、アークアイソード逆手持ちもクールだったなぁ。そんなアークにより、シャゴン2体は撃破され、残る1体は山に帰っていくことに。「防衛隊が継続して追跡調査をしている」ことが示唆されましたが、これってシャゴン3回目の再登場も今後ある…ってことなのかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本各地にある、SKIPの分署。そのうちフジヤマ市分署には、ユウマたちの先輩にあたる職員と、ユピーに酷似したAIロボットがいるらしい。彼らはユウマたちの調査と戦いを通して、何を学ぶのか?

 

次回は、話数調整のために挿入される、本編とは別枠の特別総集編1。このコンビは、特別総集編2や3でも登場してくれるのかな。『ブレーザー』のときは、途中でアニメになっちゃって、ちょっと悲しかったからさ…。

 

 

↓次回も走れ、ユウマ!

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

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