太陽の力・ソリスアーマー登場!
ネズミとエレクトロンで、ネズドロンだ!今回の『ウルトラマンアーク』は、アークのタイプチェンジ形態:ソリスアーマーの初登場回にしてリンの主役回。ドラマについてはほぼ前半でまとめ上げ、後半ではアークとネズドロンの対決と、リンの奮闘が描かれる形になりました。
押さえるべきところはキッチリ押さえており、ダレることなくスピーディーにドラマが展開しており、非常に見やすかった印象。欲を言えば、リンの内面や商店街との繋がりにかかる描写がもっと多いと、彼女のキャラとしての魅力が深化したかなと思いました。でも、ソリスアーマー登場というトピックが今回は控えていましたから、そうした中では、よく描ききったなとも感じましたね。
なお、前回(第3話)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面
リンの行きつけの商店街での偶然の出来事をキッカケに、ドラマが展開していく今回。SKIPが防衛隊ではない、ある種地域密着型の組織だからこそ出来るものになっており、設定を上手く活用しているなという印象を受けました。どうしてもソリスアーマーの登場に目が行きがちですが、リンとユーピーらSKIPの活躍もキッチリ描かれており、彼女たちの働きなしでは勝てなかったという構成になっていたのもGoodでしたね。
行きつけの商店街で、今日も昼食の弁当を買うリン。そのとき突然停電が発生し、商店街の人々は「あのネズミの仕業だ!」と騒ぎだします。話を聞けば、ここ最近こうした事象が頻発しており、犯人は人間大のネズミではないかとのこと。商店街の人々から頼み込まれたリンは、ユウマとユピーとともに調査を開始。SKIPに残ったヒロシとシュウは、多くの文献から、犯人は電気を食べるバクテリアを体内に保有するネズミの仕業ではないかという推測を立てます。今回は、アバンタイトルの時点で事件が発生。商店街の人から懇願される形で、リンは調査をすることになり、やがてそれは、ヒロシたちの協力もあって、特殊な獣の仕業なのではないかという推測に行き着きます。初のサブライター回となる今回ですが、第1・2話でしっかり描かれていた、怪獣の生態やその背景等の説明はしっかり挿入。架空の生き物やバクテリアを出すことで、世界観にリアリティーを与えてくれていました。こうした手法は、「ウルトラシリーズ」では昔からよく観られる展開。なんだかちょっぴり、懐かしさも感じましたね。しっかし、今回の設定をもとにすると、バクテリアを体内に保有したネズミが、全てネズドロンになる可能性があるってことだから、なかなか脅威だよなぁ。もしかしたら、『アーク』本編内への再登場もあるかも?
犯人は、電気を大量に吸える場所に巣を作っている―。その情報から、商店街付近のカワミ重工に目を付けたリンたちは、約束を取り付け現地を調査。無理を押し切って社外秘の発電機のある地下室へ入ると、そこには、帯電する人間大のネズミがいました。リンは捕獲を試みますが、それは想像以上に電気を蓄えており、一気に周囲に放電したことで、リンはひるみネズミ自体は発電機に突撃。一気に電気を吸収してしまったことで巨大化し、カワミ重工を破壊して暴れだしてしまいます。その巨大ネズミは、ユピーによってネズドロンと名付けられるのでした。商店街での描写は、序盤のみで終了。中盤からはカワミ重工内での描写となり、ここでリンたちはネズドロンと遭遇、さらには巨大化を許してしまいます。「アフリカ産のヤバいダイオード鉱石を大量に保有する発電機工場が、なんでこんな商店街にあるんだよ」というツッコミはさておき、「カワミ重工は発電機工場である→地下室には社外秘の発電機がある→ネズドロンはそこに巣食っていて、大量に給電して巨大化してしまう」という、一連のドラマ展開がスムーズな流れでGood。確かに、社外秘の発電機なら、外部の人が調べることもないし、ネズドロンが潜むには最適な環境ですよね。シンプルですが、これはよく考えたよなぁ。そんな、人間大のネズドロンに単独で挑むも、結果的に捕獲に失敗し、さらには巨大化させてしまったリン。ヒロシから、ネズドロンは給電しすぎたせいで巨大化&凶暴化するという情報が伝えられますが、時すでに遅しでした。ある意味、ネズドロンによる被害を拡大させてしまうことになってしまったリン。でもまあ、これはもう仕方ないよなぁ…。
カワミ重工広報担当の長谷川から、ダイモード鉱石の危険性を知らされたリンは、アークがネズドロンに応戦する中、崩壊寸前の発電機のある地下室へ再突入。ギリギリまで粘り切り、ユピーとともに発電機のシステム暴走を食い止め、これによりネズドロンへの給電を絶つことに成功します。こうして弱体化したネズドロンは、自ら電気ケーブルを断ち切ってより活発に動き回れるようになったものの、アークも想像力の力でソリスアーマーを生み出しこれに対抗。最後はアークファイナライズでとどめを刺すのでした。後半では、アークとネズドロンの戦闘が描写。ソリスアーマーも登場するため、そちら側にスポットが当てられていましたが、このアークの勝利に欠かせなかったのが、リンとユピーの尽力でした。ダイモード鉱石の危険性を知ったリンは、火災と崩落の危険性があるカワミ重工の地下室に戻り、ユピーとともにシステム暴走を食い止めることに成功。これによりネズドロンへの給電を絶ち、アークの反撃の機会を作り出します。このシーンにおけるリンの活躍は、本当にカッコいい。でも、こういうのって、どっちかと言えば防衛隊の仕事だよね。結局彼ら、今回も出動間に合ってなかったなぁ…。こうしたリンたちの尽力もあって、アークはネズドロンに勝利し事件は解決。笑顔を見せる商店街の人々を前に、リンはユウマに、星元市への思い出を語るのでした。最後の最後で、リンのこの街への愛を吐露。ドラマ構成の都合上、ここでちょろっと挿入するのが精いっぱいだったのでしょうが、やっぱりもう少ししっかり時間をとって、彼女の内面も描写してほしかったかな。
◎特撮面
アークのタイプチェンジ形態の1つである、ソリスアーマーの初登場回となった今回。特撮パートでは、当然その活躍に焦点が当てられるワケですが、意外にも誕生過程は淡白にまとめられており、その前後におけるネズドロンとの激戦がよく描写されていました。あんな見た目して、けっこう強かったよなぁ、ネズドロン。
カワミ重工地下室に潜む影。それは、体内に電気を食うバクテリアを持つ、人間大の巨大ネズミ!リンの攻撃を振り切り、発電機から給電したそれは、巨大化して建物を破壊。ユウマはアークに変身して応戦しますが、そのパワーと頭部の硬さの前に押され気味になるのでした。今回は、等身大と巨大化時で、違う姿のネズドロンが登場。頭部パーツの脱着で見た目を変えているのでしょうが、この工夫はかなりナイスだなと感じました。こうしたことで、特撮描写やお話にアクセントと広がりが生まれますから、このような試みは今後もさらに行ってほしいですね。そんな巨大化したネズドロンは、獰猛なネズミという感じでカワミ重工を破壊。アークも力で食い止めようとしますが、その頭部の硬さと突破力には完全に押されてしまいます。頭を攻撃した際に痛がったり、そこを持って食い止めようとするも、結局押されてよろけてしまったりと、人間くさい行動が目立ったアーク。いい意味で洗練されておらず、人間味も感じられて、第2期ウルトラシリーズっぽいなと思いました。
発電機から伸びたケーブルで、常に給電できるネズドロンに、アークは大苦戦。しかし、ここでリンとユピーが発電機の暴走を食い止めてダウンさせたことで、パワーの源を絶つことに成功します。これでネズドロンも弱体化するかに思われましたが、ネズドロンが偶然電気ケーブルを引きちぎったことで、その行動範囲がさらに広がり、俊敏さでさらにアークを攻め立ててきます。戦闘シーン中盤でも、ネズドロンの優勢は継続。攻撃は放電するか力技で攻めてくるかの2パターンしかないのですが、そのぶんアークのひるみ方や倒され方で、バリエーションを多様化しているのが面白いポイント。突き飛ばされた際にわざわざ台車を使ってその勢いを表現したり、アークの張ったバリヤーを全てぶち抜いて突撃して来たりと、様々な趣向が凝らされていました。特に、後者の勢いと合成には凄まじいものがあって、思わず観ていて声が出ちゃったなぁ。
リンたちの声援を受けて、アークトリッキーテクニックの態勢に入ったアークの頭によぎるは、子供の頃描いた太陽の力を持つアークの絵。それを具現化したいと考えたとき、ソリスアーマーが誕生します。それをまとったアークは、真っ向からネズドロンに挑み、力押しにひるむことなく反撃に成功。そのまま上空へ殴り飛ばし、最後はアークファイナライズで撃破するのでした。終盤で登場、アーク ソリスアーマー。意外にその登場過程は淡白であり、まとったあとの怒涛の反撃っぷりに重きが置かれていました。まあ、ソリスアーマーの絵は前回からも登場していたので、伏線をキチンと張っていたと言えるからねぇ。そうして誕生したソリスアーマーは、どちらかと言えばパワー系のタイプで、ネズドロンの突進や硬い頭部にも負けずに反撃。そのまま攻め立てていきます。ソリスアーマーの活躍は、初登場回としては十分なもの。一方で、必殺技のアークファイナライズを放つ際は、アーマーを解除しているのは、ちょっとビックリしました。これは、アークファイナライズの発射モーションが、アーマー装着状態だと完全に取れないからゆえの措置なのでしょうね。
恐竜博士の異名を持つ、有名な牧野博士が、星元市にやって来た。憧れの眼差しを向けるユウマだったが、かつて生徒だったというヒロシの表情は、なぜか暗い。そんな中、山間部にある湖の底で、事件は起こった!
次回は、水棲タイプの怪獣:リヴィジラが登場。久しぶりに、「ウルトラシリーズ」で本格的な水中戦が観れそうです。ゲスト出演者に三浦浩一さんも迎えてるし、ここから興味深いキャスティングも増えてきそうですね。
↓次回も走れ、ユウマ!
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