同じだ。16年前に見た、あの光の巨人と―!
皆の未来を守るためには、走り続けるしかない。今回の『ウルトラマンアーク』は、第3話ながら、『アーク』の物語の真の第1話というべきお話。16年前のK-DAYにおけるユウマの悲しい経験、そしてSKIP初出勤日に経験したディゲロスとの戦闘そしてウルトラマンアークへの変身が、回想(ある日見た夢)の形で展開されました。
実質的な第1話であり、パイロットの最終話でもあることから、ドラマも特撮描写も第1話並みかそれ以上に気合いが入っていた印象。同時に、思ったより解決していない事項も多かったことから、ディゲロスは今回撃破したものの、コイツに関する話はもう少し長く続きそうな気がしました。モノホーンも結局第2話時点で破壊できてないし、OPでディゲロスはラスボス怪獣的な感じで出てきてるし、こりゃのちのち再登場するパターンあるな…。
なお、前回(第2話)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面
ユウマがSKIPに入隊した3ヶ月前に時間軸を移して、その中でモノゲロスとの遭遇時の回想と、ディゲロスとの戦闘のドラマをこなした今回。構成自体も変則的ながら、その中で展開されるドラマについても、想像していたものよりも重いものになっていました。でも、ルティオンのことやモノホーンのことについては、それほど詳細情報が明かされずじまい。このあたりのことが、今後のドラマの核の1つにもなっていくのでしょう。
今日は、ユウマのSKIPへの初出勤の日。祖母のマスミに見送られて家を飛び出し、星元市分署に到着すると、さっそくホットラインの電話を受けます。リンとともに調査に出動したユウマは、彼女から訊かれたことをキッカケに、16年前のK-DAYでのツラい記憶を語り始めます。今回は、特に導入説明もなく、第1話より3ヶ月前の時間軸からスタート。このとき、ユウマのもとにはマスミがおり、彼女に家事を手伝ってもらっていました。マスミを演じるのは、『ガッチャード』でもおばあちゃん役を演じていた、根岸季衣さん。こんなにも早く2大特撮を制覇しちゃうなんて、思ってもみませんでした。「ガールズ×戦士!シリーズ」にもゲスト出演されてたし、あと「スーパー戦隊シリーズ」に出れば、もうTVシリーズの特撮作品コンプリートだぞ!そんなマスミに見送られ、SKIPに出勤したユウマは、挨拶を済ませてすぐに調査活動を開始。ヒロシと番を交代した際、リンから訊かれたことをキッカケに、16年前のK-DAYのことを語りだします。当時7歳だったユウマは、両親のテツヤとタカコとともにキャンプに興じていたときに、モノゲロスに遭遇。同時に光の巨人の戦いを目撃し、彼に救われるも、テツヤとタカコは犠牲となってしまっていました。次回予告でも使われている「走れ!ユウマ」は、ユウマが聞いたテツヤの最期の言葉で、かつ彼の左腕にある黄色のG-SHOCKは、そのテツヤの形見。ユウマが想像以上に重たい背景を抱えてて、ビックリしました。でも、『アーク』は現状比較的明るい作風だからこそ、こうした設定も映えるし、同時にユウマの人間としての強さをひしひしと感じることが出来たので、かなりGoodに感じましたね。
観測される高周波がさらに大きくなった直後、空間を割いてディゲロスが出現。モノゲロスに似たその姿を目の当たりにして、トラウマがフラッシュバックして硬直するユウマでしたが、そんな彼を救ったのはリンでした。正気を取り戻した彼は、市民の避難誘導を開始。その中で、マスミの勤める幼稚園に危機が迫っていることを知ります。駆けつけようとするユウマにふりかかる瓦礫。もはやこれまでかと思われた、そのとき―。中盤から、ディゲロスが登場。ここで硬直してしまうユウマに、リンが初めて「新人くん」ではなく「ユウマ」と呼んだのが、とてもアツいセリフ配分だなと感じました。でも、欲を言えば、もう少し溜めに溜めてから「ユウマ」と呼んでくれたほうが、もっとアツさがマシマシになったかな。こうしたリンの言葉で、正気を取り戻したユウマは、市民を、そしてマスミを守るため奔走。墜落する戦闘機の接触で降り注ぐ瓦礫に巻き込まれそうになったとき、16年前に見た巨人に酷似した謎の存在が、彼に語りかけてきます。ここで、ルティオンとユウマの邂逅が描写。逼迫した状況ということもあって、ユウマがルティオンに何か尋ねたり、逆にルティオンがユウマに多くを語ったりせず、ほぼ間髪入れずにアークへの変身へと繋げていたのが、ちょっと意外でした。今回では、ユウマがアークに変身出来る理由はハッキリしましたが、ルティオンがなぜテツヤの声に酷似しているのか、そしてモノゲロスと戦っていた光の巨人との関係は何か、一切語られていないんですよね。今後のドラマでどう描かれていくのか、楽しみです。
ルティオンの言葉に基づき、思うがままにアークアライザーを操作したユウマは、アークへと変身。ディゲロスの猛攻の前に、かなり押され気味になるものの、自身の想像力を解き放った大胆な攻撃で、ディゲロスの頭部をつんざいて勝利します。そして、マスミと再会したところでとうとう目が覚め、いつもの日常がスタート。通勤途中にシュウと出会い、新しい一日が始まろうとしていました。終盤では、アークとディゲロスが激戦を繰り広げた末アークが勝利し、夢が終わってユウマが現実に引き戻されるさまが描写。戦闘パートの詳細は後述しますが、そこにおいて、販促の要の1つであるアークアイソードをあえて出さない采配にしたのには、唸らされました。戦闘シーンだけ観ると「たまたまかな」と思っていましたが、夢から醒めたのち、ユウマが自分の描いたイラスト群を見ることで、そこにアークアイソードも掲載されていることがわかり、全くセリフ等で語られていないのに、「VSディゲロス戦以降の戦いで、自分の想像力を解き放って生み出したんだな」ということが窺えるようになっているんですよね。さらにそのあとのページにソリスアーマーやルーナアーマーのデザインも載ってるし、販促と今後のにおわせも兼ねた、とても秀逸な描写であると感じましたね。
◎特撮面
『アーク』の物語の実質的な第1話として、山間部と市街地2つのフィールドで展開されることになった、今回の特撮パート。アークやディゲロスが繰り出す多彩な光線技を表現するためのCG合成や、その激戦を表現するための火薬爆破の惜しみない使用等、第1話と同レベルあるいはそれ以上並みの迫力あるものが展開されました。防衛隊の活動にもしっかりと描写が割かれていて、その視点にもこだわりがあったのが面白かったですね。
テツヤとタカコの命を奪った、忌まわしきK-DAYの記憶から16年。モノゲロスを彷彿とさせる宇宙獣ディゲロスが星元市に出現!防衛隊は戦車部隊と戦闘機部隊を出撃させますが、ほとんど効果はなく、市街地はどんどん業火に包まれていきます。回想シーンで登場するモノゲロスは、ウルトラ怪獣アドバンスのソフビと同じく、ディゲロスの頭を差替えることで表現。そのため、明らかに二足歩行スタイルっぽいのに、半四足歩行スタイルの怪獣という独特の出で立ちになっているのが、面白いなと感じました。そんなモノゲロスが、光の巨人に倒されてから16年後の現代に現れたのが、ディゲロス。ゼットンのごとく何を考えているかわからないその出で立ちは、かなりの強敵感を醸し出しており、実際ビームを広範囲に放って市街地を一気に壊滅させるなど、第1話の敵としてはあまりに強すぎる力を見せつけてくれました。ディゲロスが暴れまわるさまを観たときは、「本当にコイツがアークの最初の敵怪獣でいいのか?」とハラハラしましたね。こんな敵を最初から相手にしていたら、そりゃあ第1話の時点であれだけユウマも落ち着いて対応できますわ…。ちなみに、このディゲロスに対して戦車隊が応戦するシーンでは、戦車1台に着目し、FPS視点のような形でディゲロスへの攻撃を表現する描写が存在。非常に面白い試みだと感じました。
ユウマに瓦礫が降り注がんとするとき、彼を呼び止める謎の声。その主はルティオンであり、彼の言葉に従って、ユウマはアークへと初変身を遂げます。しかし、戦いに不慣れなうえ、ディゲロスはもとから強大な敵であることから、しっかり応戦はするも大苦戦。特に、攻撃をはじき返すバリヤーには何度も手を焼かされてしまいます。戦闘シーン中盤で、アークが登場。ビルの窓ガラスに映る自分の姿を見て、不思議な感覚を覚えるさまにグッと来たのもつかの間、初戦闘としては過酷すぎるくらいの戦いが、彼を待ち受けていました。ディゲロスは攻撃力だけでなく防御力もしっかり兼ね備えており、パッとバリヤーを張れるのがかなり厄介なところ。アークも同じくバリヤーを張りながら攻撃するスタイルで応戦しますが、両者の攻勢は拮抗の末、やがてアークが押される恰好になります。アークとディゲロスの激しいぶつかり合いは、火薬爆破とCG合成の両方を使い分けて組み合わせながら、ダイナミックに表現。中層ビルのミニチュア破壊も、目を瞠るものがありました。個人的に、アークはかなりバリヤーを上手く使いながら戦うウルトラマンだなぁという印象があるのですが、そうした戦闘スタイルになったのは、このVSディゲロス戦での経験があったからなのでしょうね。
アークエクサスラッシュすらもはじき返され、万事休すのアーク。しかしここで、ルティオンの「想像力を解き放て!」の言葉が聞こえ、彼はそれに従ってアークファイナライズを発射。最初こそディゲロスに弾かれますが、なんとアークは、光線の幅を狭くしてうねらせるというトリッキー技を見せて、ディゲロスの頭をぶち抜いて勝利。残った破片もアークファイナライズで消滅させ、16年前のトラウマに決着をつけてリベンジに成功するのでした。終盤では、今回のサブタイトルにもなっている「想像力を解き放て!」が、勝利の鍵となることに。ぶっ放したアークファイナライズでどう勝つのかと思いきや、「ディゲロスのバリヤーに回り込んで横から攻撃する」をやってのけるとは、正直脱帽でした。いや、攻撃方法としては理にかなってるんだけど、ウルトラマンのこういう光線技って、手軽に柔軟に動くものじゃないイメージがあるから、今回みたいにうねらせて放つというのは、想像もしていなかったですね。本当に、今回のフィニッシュ技は、アーク=ユウマの想像力がモノを言った感じだなぁ。そうして撃破されたディゲロスは、カポック爆破にて倒されるさまが表現。人形爆破はやはりよく映えると感じると同時に、あえて一度破片を残し、それらをアークが改めて消滅させる過程を挿入することで、「アークが16年前の記憶に決着をつけた」という形にしてドラマ的な意味も持たせていることが、素晴らしいなと感じました。
リンの行きつけの商店街で、不可解な事件が発生!その痕跡から、犯人はネズミかと思われたが、実際の真犯人は、ネズミを超越する電鼠怪獣ネズドロンだった!これを倒すべく、アークはその想像力で、新たな鎧をまとった!
次回は、アークのタイプチェンジ形態の1つであるソリスアーマーが初登場!同時に、SKIP各メンバーにスポットを当てたお話が続くことになりそうです。電気を使う怪獣に、太陽の力って効くのかな…?
↓次回も走れ、ユウマ!
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