お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

Vシネクスト『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』ちょっとした感想

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還暦になっても、ファイヤーボールだ!今回は、6月7日(金)より一部映画館にて先行上映、11月13日(水)にBlu-ray & DVD発売予定の、Vシネクスト『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』の感想記事です。

 

『10 years after』で帰ってくるだけでも驚きだった『デカレンジャー』が、なんと20周年になって再び新作が作られて帰還。デカレンジャー』の人気の根強さを再認識すると同時に、「数年前くらいに作られたと思っていた『10 years after』から、もうさらに10年も経ったのか」と、時の流れの速さに戦慄しました。

 

11月のBlu-ray等発売を待ってもよかったのですが、10年前とは違い、自宅からいける範囲の複数の映画館で期間限定上映がなされていたので、映画館で観ることに。どうせなら東映にしっかりとお金を落としたいと思い、わざわざT・ジョイ系列の映画館で観てきました。はてさて、その内容は…。

 

なお、上でも少し触れている『特捜戦隊デカレンジャー 10 years after』の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

STORY:浅草界隈で食事をとっていたセンちゃんとウメコは、突如発生した爆発事件を目撃し、瓦礫に埋もれていたジウジッソ星人マープルから、怪しい女性宇宙人:ラエンジョの話を聞いた。現場近くでホージーたちと合流し、ラエンジョを追いつめるが、バンが連れてきた新人:江戸川塁のプレミアデカレッドと息が合わず、取り逃がしてしまう。果たして、ラエンジョの目的とはいったい何なのか?彼女が以前住んでいたチーマ星へ、ホージージャスミンが、ひらめきとツテを頼りに高知県に向かったセンちゃんとテツがつかむ、事件解明への意外な手掛かりとは?そして、最初は地球署の面々に辟易していた塁も、そのコンビネーションに魅せられていく―!

 

本編時間は45分程度。また、『10 years after』のときは「あのデカレンジャーが返ってきた!」というお祭り感が強かったのに対し、本作ではいい意味でそうしたお祭り感が抑えられており、純粋にTVシリーズや『10 years after』のその後の一編として、ある意味落ち着いて観れる仕様になっています。

 

事前告知通り、本作は高知県でもロケを敢行。テツを演じる吉田友一さんの誘致が発端でもあることから、そこそこの時間高知ロケ部分の映像が使われており、「今どきこんなに露骨なタイアップシーンがあるのか」というほど(ほめてます)、高知県内の各種観光地を回っていました。このほかにも、ロケ地の費用の節約等をするためか、東映京都撮影所太秦映画村)も使ったり、浅草界隈のシーンでは意図的に実際の建物名や店頭を映すなどの取り組みが行われていましたね。

 

そんな本作のドラマ、上記のようなことやCMだけ見ていると、高知県を中心にストーリー展開がなされる仕様かと思われそうですが、実際はそうはなっていないのが面白いところ。高知県もストーリー上重要な場所ではあるものの、最終決戦地等にはなっておらず、また露骨な観光地巡りも、ストーリー上ちゃんと意味が付加されているのが面白いところです。

 

本作で初登場となる塁も、序盤では『デカレンジャー』を知らない人向けに、問いかけを通じてバンたちのことを知る役割を、中盤からは、自己判断で突っ走りながらも着実に成長していく後輩キャラの位置づけになっており、世界観にキチンとなじむ刑事になっていたなという印象。ただ、序盤はクール系だったのに、後半ではバンに影響される前からなぜか熱血よりのキャラになっていて、ちょっとキャラブレを起こしているなぁという感じはありました(塁のようなキャラなら、捜査の定石を重んじそうなものなのに、なぜか単独捜査ばかりしている)。

 

さらに、ゲストヒロインであるラエンジョの立ち位置も面白いところ。事前告知の時点で、単純な悪役ではないんだろうなと思ってはいましたが、そのひねり方が実に興味深いドラマになっていました。確かに、宇宙人としてあり得そうな設定ではあったけど、演技するのはとても大変だったろうなぁ。

 

特撮面については、デカレンジャーロボ等巨大ロボ戦も挿入していて、できる限り頑張っていたなという印象。『10 years after』のときよりもさらに映像技術が進歩していることから、TVシリーズ放送当時の映像をそのまま流用するとかなり粗が目立つ恰好になりますが、その違和感を軽減するため、デカレンジャーロボの合体シーンを、シンネオデカベースのモニターから見ている構図にする(=画面内で合体バンクシーンの映像の移っている面積を小さくする)ようにしていたのは、ナイスアイディアだと膝を打ちましたね。

 

ただ一方で、終盤のそうした大規模戦闘以外では、制作期間も予算もカツカツだったのか、合成のちぐはぐさは所々で目立ったかなという印象。特に、本作は何度も爆破事件が発生するため、それを表現するためのCG合成が必要になってくるのですが、シーンによってはひび割れるシーンが明らかに元映像から浮いていて、「令和のこの時代にこのレベルの合成なのか?」と、悪い意味で驚いてしまいました。もう少し制作期間が長ければ、もっと丁寧な合成になったんだろうなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

さて、このVシネクスト『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』は、かなり上映館は限られるものの、全国の映画館で公開中。6月下旬でも、関東を中心に応援上映やイベント企画等があるため、おそらく6月いっぱいはほとんどの映画館で上映が継続されることでしょう。入場者特典も配布されてるし、観に行くなら今このタイミングしかないですね。

 

しかし、『ハリケンジャー』から始まったこの手のVシネクストも、ずいぶん作られてきたなぁ。個人的には、ほかの戦隊でも出来たら面白いだろうなぁと思いつつも、いざ作ろうにもいろんな意味(出演者の問題だけでなく、いかにその作品らしいドラマ作りをするか等)で難しいだろうなぁという思いがせめぎあってて、嬉しいんだけれどもなんか複雑な感じもしますね。

 

 

 

 

 

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