お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動新世紀ガンダムX』ちょっとした感想 X-6(第16~18話)

今回は、機動新世紀ガンダムX』の感想記事第6回目です。

 

前回までのお話が、寒い北国のフォートセバーンが舞台だったのに対し、今回は比較的温暖な洋上の各都市が舞台に。そこでは、今までのお話とはまた違った、深いドラマが展開されました。メインキャラにかかるひと通りのお話が落ち着いたこともあり、ティファやジャミルにスポットを当てて、ドラマ展開していっているのが注目ポイント。今回、そして次回紹介のお話を通して、彼らの内面へと迫っていきましょう。

 

なお、前回(第13~15話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第16話「私も人間(ひと)だから」

1996年7月19日放送

登場した敵他:ドーシート

「だからこそ、知りたいのだ。ニュータイプは、本当に人の未来を作るのか?その真実を見届けたいのだ。」

 

STORY:海岸線の街を訪れていたフリーデンの中で、ティファは、新たなる手掛かりをキャンバスに描いた。その特徴的な海岸が、サンルーカス海岸であることを突き止めたガロードたちは、いったん調査の手を止め、海水浴でしばしの休息をとる。だが、何かを感じ続けていたティファは、勝手に1人で沖へと飛び出して行ってしまった。沖に潜むオルクの一派:ドーザ一味の襲撃を受けるティファ。ガロードガンダムXディバイダー等が救出に向かうが、不慣れな洋上の戦闘に苦戦を強いられる。彼らはティファを救えるのか?そして、彼らをアシストしてくれた、意外な集団の正体とは何か?

 

以前までのフォートセバーンでのお話から一転して、穏やかな気候のサンルーカス海岸を舞台にしたお話の開幕編。後半に戦闘シーンがあり、また終盤でガロードとティファが衝撃的な光景を目にするなどの要素もありますが、基本的には、終始穏やかな空気が漂う、ほのぼのとしたお話になりました。今まではどちらかと言えば巻き込まれ型(事件に対してあまり積極的に動かない)のヒロインだったティファが、どのキャラよりもグイグイと動いているのも、今回のポイント。こんなにも、「やるときはやる」って感じの少女だったとは、ちょっと意外でしたね。

 

フォートセバーンを離脱し、休暇を終えたウィッツとロアビィも回収して、海岸線上の街にやってきていたフリーデン。チームとしての目標が一時的になくなったことから、のんびりしていた彼らでしたが、ある朝、ティファがキャンバスにどこかの海岸線の絵を描いて倒れてしまったことから、彼らの新たな目標が生まれます。ガンダム全機を出して調査にあたった結果、ティファの描いた場所はサンルーカス海岸であることを突き止めますが、そこに何があるのか、それはティファ以外誰も知りえませんでした。今回は、極寒の地だったフォートセバーンから一転して、穏やかな港町からスタート。その気候に影響されてか、ガロードたちもかなりゆったりとしており、穏やかな感じでドラマが進んで行きます。ガロード・ウィッツ・ロアビィとフリーデンのメンバーたちの仲もかなり深まったからか、冗談を言い合う描写や、朝食の取り方に関する描写も多めに挿入。こういう何気ない所作から、キャラの特徴がわかっていくのがいいですよね~。しかも、前回のウィッツとロアビィの経験をしっかりと踏まえたセリフも挿入することで、ドラマの空気を要所要所でピリッと引き締めているのもGoodです。そんなガロードたちのムードは、倒れていたティファの発見を機に、少し変わることに。彼女の描いた絵の場所を捜索した結果、ガロードが、サンルーカス海岸であることを突き止めます。今回のティファの絵は、海に突き出した半島を描いたものに見えましたが、実際は海岸の特定の位置から見える、岩を含めた風景を描いたもの。こりゃあ確かに、地図を見てるだけじゃ見つからないよね…。

 

ティファ自身もまた、サンルーカス海岸に何があるのかよくわかっていないため、ロアビィの提案を受け、海水浴に興じることにしたガロードたち。意外にもみんなノリノリで楽しみますが、そこにティファの姿はありませんでした。そんなティファは、何かを感じ取った直後、勝手にフリーデンを出て、ボートで沖へと出航。沖合にはオルクと呼ばれる集団がいることを聞かされていたガロードは、ウィッツとともに、彼女を追跡します。サンルーカス海岸に来たはいいものの、ティファがそこに何があるのか語らず、また彼女自身もそれがよくわかっていなかったため、フリーデンはとりあえずここで待機することに。その間、ロアビィの提案を受け、ガロードたちは海水浴に興じます。海水浴のシーンでは、ティファやジャミルを除いた、ほとんどの主要キャラが参加。楽しげな様子を見せてくれました。普段はマジメなサラが、このときはかなりノリノリだったのは意外だったなぁ。フォートセバーンの一件を通して、だいぶ丸くなったのかな。そんなこれらシーンでは、ナレーターの語りで、現在の海の状況の解説が挿入。内陸部に比べて復興の早かった海岸部は、戦争前の生活と秩序をかなり取り戻しつつありましたが、海のバルチャー=シーバルチャーが過激化したオルクがまだ存在しており、人々は彼らの横暴に苦しめられていました。オルクは確かに面倒なヤツらですが、どうやらそれ以外のシーバルチャーは、ほとんどいなくなった(市民生活にとけ込んだ)らしい。世の中が安定すれば、内陸部もこうして段々と平和になっていくのかな―(オルクがいる時点で、海岸部が完全に平和だとは言えませんが)

 

ガンダムXディバイダーとガンダムエアマスターで、何とかティファに追いついたガロードたち。しかし、既に彼女はオルクの一派であるドーザ一味に遭遇しており、追われる身となっていました。ティファを救うため、戦闘状態に入るガロードたちでしたが、海上・海中での戦闘に特化して開発されたドーシートの前に苦戦。ガンダムXディバイダーは、海中へと引きずり込まれ、そのまま倒されそうになってしまいます。大ピンチのガロードを救ったのは、なんとイルカの集団でした。後半の、ティファの勝手な単独行動がキッカケで、ガロードたちは戦闘に突入。『ガンダム』のときから伝統とも言える水中戦に、ガロードもまた苦しめられます。水中戦の描写にはかなり力が入れられており、同時に、ところどころで『ガンダム』のオマージュシーン(ビーム兵器を使うと弾道がそれて、それを機に威力が下がることを思い出す等)が挿入されていたなという印象。今回初登場のドーシートも、しっかりと強敵として活躍してくれました。そんなガンダムXディバイダーも、やられているばかりではなく、海上に脱出すると、すぐさまビームサーベル一閃!ドーシートを一刀両断してたのが、カッコよかったな~!ちなみに、今回の敵として登場したドーザ一味のリーダー:ドーザ・バロイの声の担当は、『Z』のカミーユや『G』のウルベでおなじみの飛田展男さん。ですが、それらキャラと違い、ドーザはどちらかといえばワイルド寄りのキャラだったため、最初飛田さんとは気づきませんでした。

 

夜、海に置いてきてしまったビームライフルとディバイダーを回収していたガロード。そこで彼は、偶然にも、海岸でたそがれるティファの姿を目撃します。海に向かって話しかける、彼女の目線の先にいたのは、昼間の戦いでアシストしてくれたイルカたち。ガロードは、そのさまを見て驚くと同時に、今まで見たことがなかった、ティファの表情を目の当たりにします。ところが、そんなムードを引き裂くかのように、月光に照らされて見慣れたスーパーマイクロウェーブが降り注いできて…。終盤では、ティファとイルカたちのやり取りが、しっかり時間をとって描写。いきなり全裸になって海へ飛び込んだのにはびっくりしましたが、それよりも、イルカとのやり取りを通じて、豊かな表情を見せてくれていたことに、注目させられましたね。ティファもやっぱり、普通の少女なんだなぁ。でも、こうした表情をガロードに見せていないってことは、まだ彼には完全に心を許してないってことなのかな。それとも…。このような、序盤とはまた別の意味で穏やかな雰囲気で進む終盤のドラマは、ラストで一気に不穏さを漂わせることに。ガロードは、月面から照射されるスーパーマイクロウェーブを偶然目にし、「誰かが別のガンダムXでサテライトキャノンを使おうとしている」と直感します。実はこの描写、ガンダムXディバイダーの後継機の登場と深く関わるもの。けっこう早い段階から、こうしたにおわせが挿入されていたんだなぁ。

 

 

 

第17話「あなた自身が確かめて」

1996年7月26日放送

登場した敵他:ドーシート

「特別な力を狙われて、誰にも心を開かなくなる…。ティファも白いイルカも、同じだったんだ!」

 

STORY:ガロードの、サテライトキャノンのガイドレーザー目撃をきっかけに、フリーデンは太平洋上へ針路をとり、まだ見ぬニュータイプを求める航海へと出発した。そんな中、ドーザ一味が、イルカを利用した残虐なシステム「Dナビ」を使用していることを知り、怒りと不安を覚えたガロードは、ジャミルに、白いイルカの護衛を進言する。ティファの言葉もあり、それを行うこととしたフリーデンは、またもドーザ一味と遭遇。海での戦いに慣れた彼らの前に、白兵戦を覚悟するほどの大苦戦を強いられる。万事休すの状況下で、突破口を開いたのは、白いイルカと、改造が完了したガンダムレオパルドだった!

 

白いイルカをめぐる、ドーザ一味との戦いの後編(完結編)。前回がドラマ重視だった分、今回はかなり長い時間戦闘シーンに本編時間が割かれており、水上・水中を縦横無尽に駆け巡る、迫力あるモビルスーツ戦を堪能することができました。ドラマ面についても、決しておざなりになっていることはなく、白いイルカのドラマをしっかりと描かれており、またその白いイルカがしゃべれない(ティファの言葉を通じて出ないと真意がわからない)ことを生かして、白いイルカの考えていることを視聴者に推測させるような構図になっていたのがGoodでしたね。今回の一件を通して、白いイルカは「人間は同種族間で殺し合いができる生き物」であることを認識したはずだけど、それを通して、人間という生き物をどう感じ取ったのかなぁ―。

 

前回、サンルーカス海岸より、サテライトキャノンに使用するガイドレーザーの光を目撃したガロード。この報告を彼より受けたジャミルは、まだ見ぬ海の先にニュータイプがいると推測し、太平洋上への出航を決断します。そして、シーバルチャーから物資を買い付ける中で、フリーデンの面々は、ドーザ一味の残虐性と、この海にいる白いイルカの逸話を知るのでした。Aパート前半では、前回の展開を踏まえてのガロードの報告と、現在の太平洋の状況にかかる描写が挿入。フリーデンが協力を仰いだシーバルチャーから、一通りの話を聞くという構図にすることで、前回では明かされていなかった、オルクそしてドーザ一味のことや、白いイルカにかかる情報が、一気に明かされていきました。前回の描写だけだと、ただの荒くれ者という感じだったドーザ一味でしたが、実際は生きたイルカの脳を改造して索敵装置「Dナビ」とし、それを他のオルク等に売りさばいているという、かなり残虐なヤツらであることが明かされます。確かに、イルカは高い能力を持つ生き物であり、それを生かしたレーダーというのはナイスな発想ですが…、いやはや、なかなかエグいことするよなぁ。これにはさすがのガロードも絶句。ドーザ一味たちに怒りを燃やします。

 

シーバルチャーらからの話をもとに、ドーザ一味に対する怒りと、白いイルカに対する心配で、感情が高ぶったガロード。彼は、ガイドレーザー目撃時に目の当たりにした、ティファと白いイルカのやり取りのことも正直に告白し、ジャミルに、未だかつてないほど強く、白いイルカの護衛を進言します。ウィッツやロアビィはあまり乗り気ではなかった一方、ジャミルは、ティファの言葉もあり、ニュータイプ探しの前に白いイルカの護衛を決断。ティファの能力を頼りながら、白いイルカのいる位置へと針路をとります。Aパート後半より、フリーデンの今回の目的が「白いイルカの護衛」と「ドーザ一味の撃退」にシフト。ガロードの進言の前に、ジャミルも心突き動かされ、ガイドレーザーの一件とは関係ないと思える白いイルカに、自ら関わっていくこととなります。ここで注目したいのが、ガロードの進言。今までの経験を踏まえ、「白いイルカもティファも似たようなものだ」とし、「ティファを守るのなら白いイルカも守るべきではないのか」という論理に繋げているのが、彼の成長を感じました。最初の頃は感情先行であれこれ言うことが多かったガロードでしたが、ここまで考えて、そして自分の意見を述べられるようになったかと、ある種の感動を覚えましたね。そして、そんなガロードを、ただ感情のままに動いているのではなく、彼なりの考えがあって言っているのだと察するジャミルも、良き大人という感じでGoodです。

 

白いイルカは、ドーザ一味と接触しており、フリーデンが発見した時は、既に終われている最中。ドーザ一味を視認したジャミルは、ガロードガンダムXディバイダーとウィッツ/ガンダムエアマスターに出撃を命じます。前回で海での戦闘を経験していることから、多少は上手く立ち回っていた彼らでしたが、やはり手練れであり、Dナビを用いた驚異的な索敵能力を持つドーザ一味の前に苦戦。ガンダムXディバイダーは、ハモニカ砲により一度はひるませたものの、海底に叩き落され、ガンダムエアマスターも撃墜され大ピンチ。ドーシートに囲まれ、万事休すの状態に陥ります。後半からは、戦闘シーンが中心に。前回ドーザ一味との戦いを経験しているので、ガンダムXディバイダーもガンダムエアマスターも、ある程度上手く立ち回っていましたが、Dナビを備えたドーシート部隊には依然苦戦状態でした。「水中戦はもう慣れたぜ!」と言わんばかりにガロードが飛び出して行ったので、「おお、今回はスムーズにやってくれるのかな」と思ったら、結果は、水中に飛び込んだはいいものの、ドーシートにやられる一方だったというオチ。勢いはいいんだけど、まだ実力が追いついていなかったね…。そんなガロードたちも、ただやられているばかりではなく、持てる武装や戦略を用いて応戦。これにより、水上と水中の同時並行で、ガンダムXディバイダーらもドーザ一味の激戦が繰り広げられます。このあたりの描写には、かなり気合が入れられており、各モビルスーツが動く度に細かく動く水しぶきや波は、目を瞠るものがありました。これを全部手書きでやってたんでしょ?スタッフたちの技術力に、驚かされますね。そんな激戦を経ても、ガロードたちは形勢をひっくり返すことはできず、むしろ消耗して追い込まれる一方。ガンダムエアマスターも、撃墜されとうとう海中に没し、ガンダムXディバイダーと合流するも、周囲をドーシートに囲まれる危機的状況に陥ります。

 

大ピンチのガンダムXディバイダーたちを救ったのは、水中用パーツに換装したガンダムレオパルドと、ティファの言葉を受け、この戦場にやってきた白いイルカ。前者は魚雷をぶっ放してドーシートを蹴散らし、後者はその特殊能力でDナビを完全に使い物にならなくして、ドーザ一味の戦力を一気に削ぎます。これにより統制が乱れたドーザ一味に対し、ガンダムXディバイダーとガンダムエアマスターは一気に上空へと飛び出し、残っている敵を一掃。ドーザ一味の旗艦も、攻撃の雨あられの前に轟沈し、ガロードたちは勝利をおさめます。そしてラスト、美しい夕陽を見ながら、白いイルカを目撃したガロードたちは―。このままでは敗北は必至というガロードたちを救ったのが、ガンダムレオパルドと白いイルカ。前者は久々(と言っても前々回以来なので、そこまで期間は開いていませんが)の登場ということもあり、魚雷で勢いある攻撃を披露して、ドーシートたちをひるませることに成功。白いイルカは、口から発する特殊音波でDナビを狂わせ、ドーザ一味を混乱に陥れます。ここからのガロードたちの反撃は華麗であり、ドーザ一味があっという間にやられちゃうのも納得の展開&描写。ついついここに目が行きがちですが、ティファと白いイルカのやり取りを挿入して、「白いイルカが人間を許したとは限らない」と感じさせているのが、ドラマをピリッと引き締めてくれています。そのうえで迎えるのが、夕日を見ながら、白いイルカを見送るラストシーン。白いイルカは、人間の多くの負の側面を感じたものの、それでも未来に希望を抱くというよう旨の意思(ティファを通じて知らされた言葉)を残し、ガロードたちのもとから去っていきます。人間は、100%信用できるものではないが、信頼に足る者もいる。だからこそ、地球の未来はまだ捨てたものではない―というのが、今回白いイルカの感じたことなのではないでしょうか。その真意はわかりませんが、少しのダークさの一方で、希望も感じさせてくれる幕切れでしたね。そうそう、このラストシーンで、ティファが「明日から食堂で朝ごはんを食べる」と自ら宣言しているのがいいんだよなぁ〜。そして、彼女の手を握ろうとするも、小っ恥ずかしくてやめちゃうガロードも、また彼らしいと感じましたね。

 

 

 

第18話「Lorelei(ローレライ)の海」

1996年8月2日放送

登場した敵他:ガンダムアシュタロン、ドーシートⅢ、Gビット(GXビット)

「これから先、何があっても驚かないで。私は…私だから。」

 

STORY:ガイドレーザーの降下地点を追い、太平洋上を航行していたフリーデン。ガロードたちは、シーバルチャーから補給物資を買い付けた際、ローレライの海の幽霊のウワサを耳にした。テクスの解説から、それがライン川に残る伝説になぞらえた伝説を知った彼らは、直後、ティファのジャミルに対する強い進言により、そのローレライの海へと針路を変更することになる。そこで待ち受けていたのは、マークス・ガイ率いるマークス一味と、彼らと手を組んだオルバだった!激しい水中戦が繰り広げられる中、敵の術中にはまったガロードたちは、フリーデンを危機にさらしてしまう。その時、奇跡は起こった!ローレライの海には、一体何があるのだろうか?

 

先の戦争の犠牲となった、ジャミルと深いかかわりのあるルチル・リリアントにかかるお話の開幕編。現実に残る伝説の話を織り交ぜつつ、終始「ローレライの海の幽霊とは何か」・「旧地球連邦軍の行おうとしたL作戦とは何か」、それぞれの謎がお話の中で貫かれているため、次の展開が気になるというドキドキ感を与えてくれていると同時に、どこか幻想的で不思議な印象を与えてくれる一編になりました。終盤は完全に奇跡じみたことが起きていますが、ガロードたちがそれまでに徹底的に追い詰められているので、そこまでの違和感は覚えませんでしたね。

 

オルバが、ローレライの海に眠るというGXビットを、マークス一味とともに捜索していた頃。引き続きガイドレーザーの降下地点を追うフリーデンは、太平洋上を航行。ドーザ一味との激戦以来、特にトラブルには巻き込まれておらず、穏やかな日々を過ごしていました。そして、洋上で補給物資を買い付けた際、ティファも自ら進んで手伝いをするようになり、彼女が変わり始めていることをガロードたちが感じていたとき、彼らは、シーバルチャーから「ローレライの海の幽霊」の話を耳にするのでした。ここ数話ではなりを潜めていたオルバが、久しぶりに登場。マークス一味を使って、アイムザットから受けた指示を遂行しようとします。マークス一味も、前回まで登場していたドーザ一味と同じオルクですが、彼らほど押しは強くないなという印象。オルクにも、いろんな気質のヤツらがいるんですね。でもまあ、潜水艦で海中から船を襲撃するだなんて、海賊稼業にしてはあまりにもコストかかりすぎな気がするけどね…。そんな彼らが行動を開始していた頃、太平洋上で穏やかな公開をしていたのがフリーデン。彼らは前々回と似て、またもシーバルチャーから海にまつわるウワサを聞きつけ、不思議な感覚を覚えます。ガロードたちが耳にしたウワサの話は、次項に譲るとして、ここで注目したいのが、ティファの行動と、彼女に対する周囲の反応。前回の一件から、人間と触れ合うことを学んだ彼女は、自ら進んで手伝いを行うようになり、テクスたちも彼女が変わりつつあることを実感します。ここで、ティファを思って彼女を手伝おうとするガロードを、あえて制止するテクスがいい味出していてGood。そのあと続くセリフも、なかなかキマってるなぁという感じでした。

 

テクス「ガロード、君にはわからんか?あの子は今、心を開き始めている。部屋に閉じこもるよりも、誰かと一緒に行動することに、喜びを感じ出しているんだ。大切に思うのと、大切にするというのは、似ているようで違う。ことに、女性に関してはな。」

 

遊戯室に集まった際、テクスの話から、ローレライの海の幽霊の話が、ライン川に残るローレライの伝説になぞらえているものだと語ったテクス。それと同じ頃、オルバとマークス一味は、ローレライの海の底に眠る大量のGXビットとともに、「L」と書かれた謎の巨大ボックスを発見します。開封して中を確認すると、そこにはコールドスリープ状態の女性が。そして時同じくして、そのことを感じ取ったティファは、ジャミルに、ローレライの海へ針路を変更するよう強く進言します。シーバルチャーたちが言っていたのは、ローレライの海の幽霊の話。夜な夜な海から歌声が聞こえるというものであり、シーバルチャーらはそれをライン川ローレライの伝説に酷似していると考え、幽霊をそう呼ぶようになっていました。ライン川ローレライの伝説は実在の話。それになぞらえ、さらにテクスがそれにかかる解説を行うシーンは、かなりインテリチックな感じがしており、大人のドラマという雰囲気を醸し出していました。でも、ちょっと理屈優先で「登場人物皆そんなに博識なのか?」とも感じましたね。テクスがしゃべるからこそ、ギリギリこのシーンは成り立っていましたが、ちょっとキザにキメすぎな感じも否めませんでした。このように、ガロードたちがローレライの海の幽霊に関心を持っている頃。とんでもないものを発見していたのがオルバたち。彼らは本来、海底に眠るGXビットの回収が目的でしたが、旧地球連邦軍が放棄したLシステムのボックスも発見してしまいます。オルバたちが狙っていたGXビットは、第1話の戦争の回想シーン等にも登場する、ニュータイプの力で遠隔操作できる、ガンダムXもどきのモビルスーツ。「人が乗らずニュータイプが操作する」ということを除けば、性能はガンダムXと同じです。なんでこんな代物が、大量に海底に普通に放棄されてるんだよ…!

 

ジャミルの決断により、戸惑いながらもローレライの海に向かうガロードたち。巨大ハリケーンが停滞しているせいで、海が荒れる中、そこで彼らは、GXビットの回収作業中だったマークス一味と遭遇します。フリーデンのウワサを聞きつけていた彼らは、ガンダムXディバイダー等を鹵獲するために、先制攻撃を開始。ガロードたちも、これに抵抗すべく応戦します。ドーザ一味との戦いを通して、水中戦にもある程度慣れていたガロードたちでしたが…。後半から、戦闘シーンを中心にドラマが展開。マークス一味は、ドーシートの改良型であるドーシートⅢを繰り出して襲い掛かってきますが、ガロードたちはこれを正面から相手にして、抵抗してみせます。ドーザ一味との戦いで、水中戦への経験を積んだことから、ドーシートⅢ部隊程度ではそう簡単にやられなくなっていたガロードたち。しかし、それではドラマ上のカセが無くなってしまうため、「優勢の状況を長くは維持できない」という制約を持たせ、ゆるやかに彼らが劣勢に陥る流れにしているのがGoodです。ぶっちゃけ、オルバがいなければ、マークス一味は多分ガロードたちに倒されてたよなぁ。

 

ガロードガンダムXディバイダーは、ドーシートⅢを次々と撃破して、マークス一味の艦に接近。しかしそこへ、オルバのガンダムアシュタロンが出現します。完全に不意を突かれ、その術中にはまったガロードたちは、フリーデンを魚雷攻撃にさらすというミスを犯し、フリーデンは沈没の危機に。しかしそのとき、ティファのニュータイプとしての能力が奇跡を起こします。彼女に宿っていたのは、ルチルの力でした。ガロードたちを一気に劣勢に追い込んだのは、オルバのガンダムアシュタロン。その単独での強さもそうですが、彼の術中にはまってガロードがどんどん接近し、フリーデンの守りに穴をあけてしまったことで、マークス一味の潜水艦からフリーデンまでの魚雷の射程がガラ空きになってしまうという、大ピンチを作り出してしまいます。シンプルながら、有効な作戦を考え出していたオルバ。確かにこの作戦だと、フリーデンは今回で撃沈されていてもおかしくなかったですね。そんなフリーデンのピンチを救ったのが、ティファ。彼女にはルチルの意識が宿っており、ティファを通してLシステムの能力を発動。すべての電子機器が一斉に狂い始め、フリーデンを狙っていた魚雷も明後日の方向へ飛んでいき、その危機は回避されたのでした。相手の意識に乗り移ったり、それを通じてでもニュータイプの能力を発揮できたりするルチル。彼女はいったい何者なのか?次回へ続く―!

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第19話から第21話をご紹介予定です。『機動新世紀ガンダムX』。永遠の時を生きるニュータイプ:ルチル・リリアントを巡り、フロスト兄弟が動き出す。彼女はティファの身に宿る、ガンダムXに秘められたもう一つのシステムを解き放つ。それは、多くの悲劇を生み出した禁断のシステムであった―。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

機動新世紀ガンダムX』の本編は、各種サイトで公式配信中!↓コチラもチェックだ!

 

 

 

 

 

ガンプラ Pick Up!

ガンダムX』に登場したモビルスーツガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

 

- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

Twitter Instagramやってます。よろしければ↓閲覧&フォローの方お願いします!

Twitter https://twitter.com/CTF_bongore_A

Instagram https://www.instagram.com/bongore200706/