画像は映画館に設置されていたポスター
今回は、本日2月23日より全国の映画館および「TSUBURAYA IMAGINATION」にて公開&配信されている、劇場版『ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』の感想記事です。
『Z』でいったん途切れ、『トリガー』で部分的に復活した、毎年3月の映画公開。今回の『デッカー』は、『グリッドマンユニバース』の3月下旬全国公開との兼ね合いから、1ヶ月前倒しの本日公開となり、TSUBURAYA IMAGINATIONとの同時配信を維持しながらも、上映館を増やしたり、映画館限定グッズを用意したりと、だいぶ以前の状態に復活した印象を受けました。
私が観たのは、朝イチのグリーディング付き上映。約100席のハコは上映直前で満席になる盛況っぷりでしたが、実際は、一部座席でソーシャルディスタンスを維持していたことから、実際は9割程度の入りでした。それでも、なかなか好調な滑り出しと言えるんじゃないかな。
なお、TVシリーズ最終回(第25話[終])の感想記事は、↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
STORY:マザースフィアザウルスとの決戦から1年。GUTS-SELECTの仲間たちが、各々の道を進もうとしている中、カナタは、依然隊員として活動することに迷いを抱いていた。そんな中、空から謎の女性:ディナスが落下してきてから、事件は始まった。美しき侵略を求めるプロフェッサー・ギベルスの侵略の魔の手が、地球へと迫ってきたのだ。ディナスはウルトラマンディナスへと変身し、カナタたちはGUTS-SELECTとして戦い続けるが、なかなか力が及ばない。カナタたちは、この地球の危機を乗り越えることができるのか!?
『デッカー』最終回から1年後を舞台にしており、カナタの今後の進路の問題や、ゲストキャラクター:ディナスの秘密と背景、そしてギベルスの悪事を盛り込んだ、TVシリーズの後日談としては、かなり順当な内容の本作品。しかし、この作品において最も特徴的なのが、その構成です。
なんと本作、タイトルに『ウルトラマンデッカー』を冠し、デッカーが主人公なのにもかかわらず、その活躍が最後の10分程度のみ(登場形態はフラッシュタイプのみ)と、かなり挑戦的なものになっているのです。
そのぶん、本作で重きが置かれているのが、カナタたちとディナスのやり取り。劇中ほぼずっとギベルス&異星人軍団の襲撃を受けているため、戦闘シーンがかなり多く挿入されており、一方で、登場するウルトラマンがディナスのみであり、彼女自身も半人前ウルトラマン状態で戦闘に慣れていないことから、人間態で活躍することが多いことから、カナタたちとの掛け合いが非常に多く挿入されており、それによりドラマが進む形になっています。こうすることで、「戦闘シーンが豊富ながらも、作劇自体はドラマ重視になっている」という面白い構成を生み出しているのが、とてもGoodです。
そうした戦闘シーンも、役者たちの素面アクションの他、CG合成やミニチュア特撮を多用したもの等、様々なものが挿入。大爆発はそれほど起きないため、そうした面でのハデさはあまりありませんが、「かなりこだわって作っているんだろうなぁ」という、制作陣の気概がひしひしと伝わってきましたね。
ディナスの性格や背景も、可能な限り映画の中で描くようにしているのも、興味深いところ。上映予告の時点だと、ディナスは謎が多くて使命に燃えているような、コミュニケーションを取りにくいタイプのキャラなのかなとも思いましたが、いざ実際に観てみると、本当に心の優しい、まっすぐな女性という感じでした。ディナスは本当にいいキャラしていましたね。彼女を主人公にしたスピンオフ作品も、十分作れそうだと思いました。
このような積み重ねを経て、終盤、満を持してデッカーが復活。カナタたちのピンチをギリギリまで描いているため、デッカー フラッシュタイプの登場の瞬間はマジで感涙ものなのですが、復活した理由が若干奇跡系(「その時、ふしぎなことが起こった」のイメージ)に頼りすぎていたのは、ちともったいないなぁと感じました。ほかのドラマがよくできてたからこそ、このシーンには、それ相応の現実的な理由付けが欲しかったですね。これじゃあ、ダイナの光の力万能説みたいになっちゃうよ…。
そしてラストは、カナタも自分の道を見つけ、仲間たちとともに突き進んでいく形でEND。イメージとしては『マックス』最終回や『大決戦!超ウルトラ8兄弟』に近いものがあり、希望を感じさせるものになっていました。そういや、ちゃっかりディナスもこのラストシーンの場に居合わせてたなぁ。なんだかこのまま、カナタといい感じになってもおかしくない雰囲気だったぞ…!
劇場版『ウルトラマンデッカー最終章 旅立ちの彼方へ…』。ドラマ展開に重きを置いている一方、かなり挑戦的な構成であるため、お祭り感はそこまでなく、評価も真っ二つに割れそうな作品ですが、カナタたちの人間ドラマを描いた作品としては、よくできた映画だなと感じました。そして、こうした構成面での挑戦をしたことも、もっと評価されるべきだと感じますね。
そんな本作は、イオンシネマを中心に全国各地の映画館で公開中。また、「TSUBURAYA IMAGINATION」でも公式配信がなされています。大画面で作品を楽しみたいということであれば、映画館に足を運ぶことを強くオススメしますね。
そして、本作の公開をもって、『デッカー』の物語は完結。『デッカー』という作品そのものの振り返りは、また後日行うことにしましょう!
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