お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士Vガンダム』ちょっとした感想 V-7(第19~21話)

今回は、機動戦士Vガンダム』の感想記事第7回目です。

 

物語も、20話台に突入。今回ご紹介の3話では、前回に引き続きリガ・ミリティア側の戦力強化が図られ、ついにヴィクトリーガンダムの強化パーツが多数登場。Vダッシュガンダム&ビーム・スマートガンのデビューが描かれます。しかし、ここでよかったよかったで終わらないのが、『V』らしいところ。きちんとウッソの心情や戦局面でのカセを作っており、リガ・ミリティア側が無双状態にならないようなお話づくりがなされていました。

 

なお、前回(第16~18話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第19話「シャクティを捜せ」

1993年8月6日放送
登場した敵他:ゾロアット、戦艦スクイード、戦艦シノーペ

「同じゾロアットタイプ?僕1機で、助けてくれる皆を守る!」


STORY:リーンホースがハイランドに到着してから、ウッソたちは、シャクティたちが宇宙に放り出され行方不明になったことを知ります。それを受けたウッソやオデロたちは、いてもたってもいられず、トマーシュたちの協力を受けて、勝手に宇宙へと捜索に出かけてしまうのです。彼らの思いを汲み、わざと見逃していたマーベットたちでしたが。ウッソたちは直後ベスパの一部隊と遭遇。大人の介入なしの戦闘を経験してしまいます。同じ頃シャクティは、驚くべき事実をタシロから知らされていました。


シャクティの素性が判明すると同時に、初めてウッソたちが大人の介入なし(マーベットたちの指示や支援が期待できない)の戦闘を経験する一編。戦闘シーンも長めに取られているほか、敵味方双方の各キャラの思いの動きもしっかり描写されており、どちらも楽しめる面白いお話になりました。ウッソの技術とセンスの安定っぷりもそうですが、それ以上に驚かされたのが、トマーシュの適応力の高さ。やっぱりスペースノイドは、普段の生活で宇宙船を操縦したりなどするから、モビルスーツ戦への適応も早いというのか…!?


リーンホースがハイランドに到着し、オリファーなどと再会したウッソたち。その後オリファーやロメロは、艦の損傷具合の調査のため確認に向かい、装甲がはがれた部屋を見つけます。本来ならば誰もいないはずのその部屋でしたが、残された飲みかけの哺乳瓶と犬の毛が舞っているのを見て、オリファーたちは、シャクティたちがここにいて、戦闘中宇宙に放り出された可能性がある事実を知ります。その報せを知ったウッソたちは、ジン・ジャハナムの言いつけ等を無視して、捜索のための準備を始めます。シャクティたちが自然にストーリーに介入し続けているので、忘れそうになりますが、彼女たちがリーンホースに乗り込んだのは密航の形であり、乗艦していることは誰も知らない状態。そのためオリファーたちも、彼女らが艦内にいたなど想像もしておらず、わずかな痕跡が残っていたことで、ようやくその事実と宇宙へ放り出された可能性があることをつかみます。オリファーたち、そしてそのあと立ち入ったウッソが見つけた痕跡は、カルルマンの哺乳瓶・フランダースの毛・ヤナギランの種の袋。どれもシャクティたちに直接結びつくものばかりでした。逆にこれが無かったら、シャクティたちが放り出された事実どころか、密航していた事実すらわからずじまいになってたんだろうなぁ。彼女たちがノーマルスーツを着ていたせいで、その数が一致しないということに違和感を持ってたかもしれないけど、そこからシャクティたちの密航の事実に気づく可能性は低いもんね。こうして、彼女たちが行方不明になっていることを知ったウッソは、オデロたちやトマーシュたちの協力を得て、捜索の準備を開始。ジン・ジャハナムからとがめられますが、本気でその注意を聞く彼らではありませんでした。「宇宙に放り出されて生存している可能性は低い→捜索しても無駄」として、珍しく正論を言うジン・ジャハナム。でもウッソたちにとっては、この程度であきらめていられないよねぇ。


戦艦シノーペ経由で、幸か不幸かカイラスギリー艦隊に収容されたシャクティたち。皆子供ということで、手荒なことは受けませんでしたが、捕虜としての素性調査を受け、その中でタシロは、シャクティの驚くべき秘密を知ります。同じ頃、シャクティたちがそんな状況下にあることなど想像もしていなかったウッソたちは、大人たちの目を盗んで、ヴィクトリーガンダムゾロアット・魚の骨を発進させることに成功。前回の戦闘宙域へと向かいます。シャクティたちを保護したのは、偵察に出ていた戦艦シノーペ。全員子供であるため、特に乱暴されずに捕虜としての調査を受けることになりますが、ここでシャクティの素性が判明することになります。網膜検査などの諸々の身体検査の結果、シャクティは女王マリアの娘であり、同時にクロノクルの姪であることが判明。この一連の流れは全く違和感がなく、またそれにより秘密の解明の描写を大幅に圧縮することに成功していたため、Goodでした。相手の捕虜になったんだから、身体検査を受けるのは当たり前だもんね。上手いこと舞台設定考えたなぁ。これと同じ頃、シャクティたちを探すために奔走しているウッソたちは、大人たちの目を盗んで宇宙へと出撃。捜索を開始します。ハイランドとリーンホースには大量のクルーがいるため、通常は隠密に抜け出すことは不可能。そこでウッソたちは、ランチで皆がいなくなる時間を利用し、さらにエリシャとマルチナによる陽動作戦も使って、なんとかヴィクトリーガンダムゾロアット・魚の骨を持ち出すことに成功します。彼女たちの話に、残っていたクルーが引き付けられている間に、全てを持ち出してしまうウッソたち。いくら宇宙空間が無音だからって、あんな大きなもの持ち出したら気配で察知されそうな気がするけど…そうでもないのか?


地球を臨みながら、トマーシュのバックアップのもと、シャクティの捜索を始めるウッソ。しかし、そこに運悪くベスパの戦艦シノーペが接近してきます。今回の目的が戦闘ではないことを行動で示すため、ウッソたちはわざとミノフスキー粒子を散布せず、敵に位置を知られること覚悟で行動を続行しますが、ハイになったオデロがバズーカを発射したせいで、戦闘の火ぶたが切って落とされます。なんとか戦う意思はないということを伝えようとするウッソでしたが、既に出来上がってしまった戦場において、その訴えが通じることはありませんでした。宇宙での捜索は、最初こそ穏やかに進んでいたものの、戦艦シノーペの接近で状況は一変。ヴィクトリーガンダムゾロアットを出していることから、口先だけの言い訳は成立しないと早々にあきらめ、行動で戦闘意思はないことを示そうとします。通常戦闘において、ミノフスキー粒子を散布するのは、モビルスーツの位置や数を察知されないためであり、モビルスーツ戦が主流となった宇宙世紀では、当たり前の戦法。これをあえてしないことで、戦闘意思がないことを示そうというのは、なかなかいいアイディアだと感じます。しかも驚くべきは、これを提案したのが以前まで民間人だったトマーシュ。ウッソやオデロよりも年齢が上であるとはいえ、こうした思考ができるのは驚異的だなと感じましたね。しかし、そんな彼の発案は、オデロが焦ってバズーカを発射したことでぶち壊しに。想定していなかった戦闘に、ウッソたちは巻き込まれることになります。「戦う気はないんだぞ!」と何回も叫びながら、望まぬ戦いに身を投じるウッソ。いや、気持ちはわかるけどさ、この状況下でそんなこと言っても、絶対に通用しないぞ…。


依然宇宙での戦闘に慣れきっていないウッソは、ゾロアット2機の攻撃の前に苦戦。そんな状況下でも彼を前線でバックアップし、かつ初戦闘にもかかわらず落ち着いた行動を見せたのは、トマーシュでした。彼とともに戦う中で、ウッソは宇宙での戦い方、そして組織戦のやり方を肌感覚でつかめるようになり、やがて無線通信なしで連携が取れるまでに成長。マーベットとオリファー率いるシュラク隊も駆け付けたことで、戦闘を無事切り抜けるのでした。まだまだ宇宙での戦闘、そしてゾロアットとの戦いに慣れていないウッソ。最初こそ苦戦しますが、彼を鼓舞して全面的にバックアップし、おまけに戦闘にも参加したのはトマーシュでした。トマーシュは今回がモビルスーツ戦初参戦のはずですが、初めてとは思えないほどの冷静さと的確な判断力、そしてスムーズな操縦を披露。このままヴィクトリーガンダムに乗ることもできるんじゃないかというくらいの、卓越したセンスを見せてくれました。戦力不足気味のリガ・ミリティアにとっては貴重な人材。彼がパイロットとして起用される日も、近いような気がしますね。そんなトマーシュのバックアップを受けて、ウッソは地球でも見せた大胆な戦闘スタイルを披露。ゾロアットのワイヤービームをビームシールドで拡散させたのち、トマーシュのゾロアットからワイヤービームを放ち返して敵を攪乱。そのスキに急速接近して頭と足を破壊し、もう1機はビームライフルを腕ごと破壊して戦闘不能に追い込み、撤退させます。こうした戦闘が宇宙でもできるようになったということは、ウッソも宇宙での戦い方の感覚をつかんできたという証拠。今後、彼が宇宙での戦闘で戸惑うことはないでしょう。

 

 

 

第20話「決戦前夜」

1993年8月13日放送
登場した敵他:ゾロアット、コンティオ、戦艦スクイード、戦艦アマルテア、戦艦シノーペ

「死んじゃうんだよ…。ここでは、やられたら、すぐ死んじゃうんだ!」


STORY:カイラスギリー艦隊の地球侵攻を阻止するため、ウッソの提案をベースに、戦艦ガウンランドを盾にした、マイクロ波を使用する突撃作戦が決行されることになりました。第一弾として敵の前線部隊を相手にすることになったウッソは、そこで宇宙での戦いの難しさを再認識し、ジュンコの戦い方に危なっかしさを覚えるのです。そして、ひと時の休息を経て、いよいよカイラスギリー艦隊への突撃作戦が開始。Vダッシュガンダムへとパワーアップを遂げた機体で最前線に出たウッソは、誰も死なせないために、そしてシャクティたちを探し出すために、ただひたすらに突っ込んでいくのです。


ウッソたちの目の前の敵として立ちはだかっている、カイラスギリー艦隊との決戦の前編に当たるお話。危なっかしい戦闘をするジュンコ、それを心配するオリファー、そんな2人に嫉妬するマーベットという三角関係のドラマも挿入されていたものの、基本的にはウッソたちによるモビルスーツ戦の描写が中心となりました。今までのほとんどの戦闘とは違い、防戦ではなくこちらから仕掛けるタイプのものだったため、準備万端でウッソたち側もやや優勢で戦局は進行。オーバーハングキャノンを装備したVダッシュガンダムも初登場し、戦いとドラマを盛り上げてくれていましたね。


なんとか目の前のカイラスギリー艦隊を落としたいジン・ジャハナムと、慎重な行動を優先しようとするゴメス。彼らの話を聞いてウッソが提案したのは、戦艦ガウンランドとマイクロ波を使用した、モビルスーツ部隊による突撃作戦でした。その案は採用され、前哨戦として前線部隊を排除するために、ウッソたちは出撃。バクレ隊の残存戦力であるジャベリンの頼りなさや、ジュンコに対するマーベットの感情などの不安が残る中、戦闘の火ぶたが切って落とされます。ジン・ジャハナムとゴメスの話を聞き、ウッソが思いついたのは、ハイランドから放出可能なマイクロ波を使ってカイラスギリー艦隊の乗員にダメージを与え、弱っているところを、戦艦ガウンランドを盾にして自分たちが突撃して一気に叩くというもの。現状戦力ではカイラスギリー艦隊を全滅させることは困難ですが、地球侵攻作戦を遅らせる程度の打撃なら与えられるだろうという見通しでした。現状ある戦力を使って取れる有効な作戦ですが、よく考えてみるとなかなかえげつない作戦。こういうのを平然と思いついちゃうウッソもまた、戦いに染まり始めているということなのかなぁ(それ以前に、両親から叩き込まれた豊富な知識がベースになっているのは間違いないけど)そんなウッソの提案は採用されることになり、まずは前線部隊の排除に乗り出すことに。バクレ隊の残存戦力が合流してジャベリンで一緒に出撃してくれますが、その練度はかなり不安の残るものでした。カタパルトデッキの着陸にすら、少し手こずるバクレ隊のパイロットたち。これでも地球連邦軍の中ではだいぶマシな方だというんだから、この時代の連邦軍の練度って…かなり低いのか?


宇宙に出たウッソは、高速戦闘の前に苦戦。ジュンコのバックアップを受けて何とか態勢を立て直しますが、頭部カメラは既に破損しており、厳しい戦いを強いられるハメになります。それでもなんとか戦闘を潜り抜けた彼は、無事に帰還。つかの間の休憩時間の中で、偶然にもオリファーとマーベットのある会話を聞いてしまい、ジュンコの戦闘スタイルの危険さに気づくのでした。前回、トマーシュのバックアップもあって宇宙での戦闘にだいぶ慣れたように見えたウッソでしたが、今回の前半の戦闘を見る限り、まだまだその苦手意識は克服できていない様子。撃墜こそされなかったものの、出撃直後に頭部カメラを破壊され、ジュンコの支援がなければ危なかった場面が何度もあり、しかも撃破数実質ゼロという、散々な結果に終わります。宇宙を縦横無尽に移動できなくても、せめてゾロアットを捕捉してからは、もう少し頑張ってほしかったかなぁ。このように、ウッソの危ないところを何度も救ったジュンコでしたが、それは彼女自身も危険な目に遭いかけていることも意味しており、それがオリファーにとって悩みの種。その思いを素直にマーベットに伝える彼でしたが、彼女には100%信用してもらえず、おまけに一連の話をウッソに聞かれてしまいます。オリファー曰く、「死に急いでいるように見える」ジュンコの戦い方。彼女をそこまで駆り立てるものは、一体何なのでしょうか。それとも、単にそういう気質なだけなのかな。


仮眠中にジュンコのことをいたわったのち、突撃作戦の決行に伴い、再度出撃準備を整えたウッソ。ヴィクトリーガンダムは新パーツ:オーバーハングキャノンをセットされたことでVダッシュガンダムへとパワーアップし、宇宙へと飛び出します。この時既にマイクロ波攻撃は始まっており、カイラスギリー艦隊のほぼすべての乗員は戦闘不能状態。出てきたわずかなゾロアット部隊も、ジュンコたちシュラク隊が中心となって次々と蹴散らしていきます。ジュンコとの会話を経たのち、いよいよカイラスギリー艦隊への突撃作戦が開始。まずマイクロ波が艦隊に向けて発射され、直後ウッソたちモビルスーツ部隊が出撃。マイクロ波の影響に苦しみながらも、自分たち以上に弱っている敵を次々に撃破していきます。マイクロ波は人間の頭や内臓に不快感を与える作用があり、これによりカイラスギリー艦隊の乗員たち全員が体調不良状態。皆頭痛や腹痛を訴えてトイレにこもって出撃できる状態ではなく、シャクティたちも例外ではありませんでした。阿鼻叫喚の艦内で、タシロとクロノクルが正気を保っているのはさすが。特にクロノクルは、真っ先にこの現象の原因がマイクロ波にあることを知っていました。カイラスギリー艦隊は、以前からハイランドを押さえることを目的の1つとしていたので、彼も察しがついたのでしょうね。そして、敵がこんな状態であるため、ウッソたちも割と苦戦せずに前進。どんどん艦隊の中心部へと迫っていきます。今回より、ヴィクトリーガンダムの強化形態ともいえるVダッシュガンダムが登場。単純に火力がアップしたほか、さらに機動力が増して動きがよくなりました。これ以上ヴィクトリーガンダムの機動性が増したら、もう無敵な気がする…。


突撃作戦のしんがりを務め、最前線に立ったウッソのVダッシュガンダムも、ついにゾロアットと対峙。最初こそ手こずったものの、オーバーハングキャノンの火力、そしてマイクロ波攻撃で敵の挙動が鈍っていることもあり、驚くべき機動性で次々にゾロアットを撃破していきます。そして、彼はとうとう戦艦スクイードの付近まで到達。マーベットのゾロアットやオリファーのVガンダムヘキサ、そしてジュンコらシュラク隊のガンイージも駆け付け、突撃作戦は大詰めを迎えようとしていました。前半では宇宙での戦闘に四苦八苦していたウッソでしたが、後半では機体がVダッシュガンダムになったこともあってか、今度こそ宇宙での戦いの苦手意識を克服。かつての地球上での戦闘と大差ないくらいの安定した戦いっぷりを見せ、怒涛の勢いでゾロアットを撃破していきました。弾数と正確性に難があるオーバーハングキャノンですが、今回の戦闘では大活躍。一発でゾロアットを木っ端微塵にしてしまうのですから、驚異的な威力でしたね。そんな今回の戦いで興味深いのが、ウッソの戦闘スタイル。先述したオーバーハングキャノンの装備もあってか、「できるだけパイロットを殺さないようにモビルスーツを撃破する」ということより「とにかくモビルスーツを撃破する」ことに重点を置いて戦っています。宇宙なので、どうせ撃破されれば生きて帰れないとわかっているからか、それとも戦争に慣れてしまってそうした感性が鈍ってしまったのか―。どちらにせよ、Vダッシュガンダムがウッソの戦い方に大きな影響を及ぼしたのは、間違いないですね。

 

 

 

第21話「戦略衛星を叩け」

1993年8月20日放送
登場した敵他:コンティオ、ゾロアット、戦艦スクイード、戦艦シノーペ

「何か聞こえた…何か!命が砕ける音みたいだった…。」


STORY:カイラスギリー艦隊との戦いは、リガ・ミリティア側のやや優勢。それにより勢いづいた戦艦ガウンランドとリーンホースは、どんどん敵の中枢へと進行していきますが、ウッソたちモビルスーツパイロットたちは、それぞれコクピットで迷いや恐怖に駆られていました。しかし、そうした逆境も、仲間たちの援護のおかげで、乗り越えていくのです。やがて、戦艦ガウンランドの自爆によりカイラスギリー艦隊は大半が消滅。残る旗艦のうち、戦艦スクイードⅠは、白兵戦の末ゴメス艦長たちが制圧に成功します。こうしてカイラスギリー艦隊との戦いは勝利に終わり、ウッソはコニー経由で、嬉しい情報を入手するのでした。


カイラスギリー艦隊との戦いの後編に当たるお話。前半では、特にウッソが武装を失い精神的にも戦局的にも追い詰められるさまが描かれますが、リガ・ミリティア側は終始優勢。相応の犠牲者は出し、タシロやクロノクルといった主要メンバーは逃したものの、カイラスギリー艦隊との戦いはほぼ完全勝利と言っていい結果に終わりました。今までウッソたちは、「ヴィクトリーガンダムは優勢だけど、戦局的には拮抗」といったやや苦しい戦いばかりを強いられていたので、今回はけっこうすんなり戦闘が終わったなぁという印象を受けましたね。後半は、ややリガ・ミリティアの作戦が上手くいきすぎな感じもありましたが、まあいいでしょう。


前回より続く、カイラスギリー艦隊との戦い。宇宙での戦闘にこそなれたものの、まだ組織戦に適応できていないウッソとVダッシュガンダムは、接近してくるゾロアットを退けるも、ビームライフルを切断されてピンチに。一度はジュンコの言葉を受けて立ち直りますが、その直後の戦闘で特殊な経験をし、再び戦闘への恐怖を覚えてしまいます。一方のジュンコも、やや命知らずな行動が目立ち気味。そんな彼女を心配するオリファーに嫉妬するマーベットは、いつの間にか自分は戦闘に個人的な感情を持ち込む“嫌な女”になっていることに気づくのでした。仲間たちの助けを受けて、だいぶ宇宙戦に慣れたウッソ。しかし彼はまだ組織戦に慣れておらず、単独行動を連発して結果ピンチに陥ります。彼を戒め、戦闘の恐怖から立ち直らせたのは、ジュンコの言葉でした。上手くいかないが故の戦闘への焦りと、敵を倒す=人を殺すことにつながることへの恐怖から、イマイチ本気を出せていなかったウッソ。彼の焦りと恐怖はよくわかりますが、宇宙に出て既にしばらく経っているので、そろそろ「敵を倒すことへの恐怖」は克服してほしい感はあるかなぁ。でもそれは、ウッソが他のメンバーと同じ兵士になっちゃうことも意味するけど…。そんな彼は立ち直り、非常用の武器であるビームピストルで敵に応戦。わざと誘導して近距離撃破に成功しますが、その時彼は、甲高いネズミの鳴き声のような、「命が砕ける音」を聞いてしまうのでした。ビームピストルは、いざという時の護身用のような武器であり、ウッソ曰く「近距離で当てないと敵に効果がない」武器。でもその割には、少し離れた距離から小惑星をブチ抜いてそのままゾロアットを撃破してたし、けっこう威力はあると言えるんじゃないかな?


ハイランドから出発していた魚の骨。そこに乗っていたオデロたちが用意していたのは、「物干し竿」と呼ばれるビーム・スマートガン。既にオーバーハングキャノンを破壊されヴィクトリーガンダムとなっていたVダッシュガンダムは、そこで武装含めた武器の補給と修理を受けて、再び宇宙へと飛び立ちます。その後、ウッソは想像もしなかったような攻撃方法を連発して、ゾロアットを敵艦ごといくつも撃破。これにより大きく進路が開かれ、戦艦ガウンランドとリーンホースはどんどん侵攻していきます。恋の話で盛り上がるオデロとウォレン、そして冷静さを崩さないトマーシュらハイランドの子供たちが持ってきたのが、ビーム・スマートガンとビームジャベリン。オーバーハングキャノンを失い火力が落ちていたヴィクトリーガンダムにとってはナイスな補給であり、これらを使ってウッソは怒涛の反撃に出ます。Aパート後半の戦闘では、ウッソの攻撃方法に何度も驚かされましたね。艦隊を一発で殲滅できるビーム・スマートガンをゾロアットに対して発射して木っ端微塵にするのはまだしも、ビームジャベリンとビームサーベルの出力を上げて、それらを上下で交差させることで巨大なビームシールドのようなものを作り、そこに引っかかってくる敵を次々に撃破するという手法は、「こんなのウッソじゃないと思いつかないでしょ!」と目を丸くしました。あんな使い方ができるなんて、ヴィクトリーガンダム武装は本当に柔軟性高いよなぁ。歴代作品トップクラスの変化球攻撃であると感じました。


劣勢となったカイラスギリー艦隊は、タシロの指示の下、突撃してくる戦艦ガウンランドに攻撃を集中。クロノクルも、まだ完成したばかりのコンティオで自主的に加勢します。しかし、その戦艦ガウンランドは囮。オーティスのリモコン操作により多重自爆を起こし、それに多くのゾロアットや戦艦が巻き込まれ、カイラスギリー艦隊はその大半の戦力を一瞬にして失うことになります。リガ・ミリティアの大胆な作戦にクロノクルが驚く中、タシロのいるスクイードⅠ内では白兵戦が始まるのでした。Bパートに入ってから、ややカイラスギリー艦隊が無能化。明らかに狙ってくださいと言わんばかりに突っ込んでくる戦艦ガウンランドへの攻撃にタシロは固執し、そのせいで多くのゾロアットや戦艦が自爆に巻き込まれて艦隊は大半の戦力を一瞬にして喪失。威勢がよかったタシロもいつの間にかちゃっかりノーマルスーツを着て万が一の場合に備えはじめ、一方で勢いづいたリガ・ミリティアのリーンホースは、建造から数十年経過しているとは思えない装甲の固さと武装の強力さで、スクイードⅠの前まで堂々と侵攻していきます。主人公側が破竹の勢いで進撃しているのは、視聴者としては爽快ですが、ちょっとうまくいきすぎな印象も。タシロが戦艦ガウンランドに攻撃を集中させるのも作戦として仕方ないのはよくわかりますが(まさか、戦力不足にあえぐリガ・ミリティアが、戦艦1隻を丸ごと特攻させる作戦を立ててるなんて思わないもんね)、一瞬のシーンだけでも、彼もしくはクロノクルが「戦艦を大胆に進撃させてくるなんて…リガ・ミリティアめ、何を考えている!?」と疑う描写が欲しかったなぁ。今回のおかげで、タシロの株がちょっと下がったよ。


スクイードⅠを舞台にした白兵戦も、リガ・ミリティアの優勢で進行。ゴメス艦長主導の下、撃沈させることなく制圧に成功します。その艦内に残っていたタシロは、クロノクルのコンティオの手で脱出。カテジナも自力で脱出し、スクイードⅡへと逃げ延びます。こうしてカイラスギリー艦隊との戦闘はリガ・ミリティア側の勝利で終結カテジナは脱出直前コニーにシャクティ生存の伝言を残しており、それを聞いたウッソは、シャクティたちとカテジナの両方が生き延びていることに、大きく喜ぶのでした。リーンホースは大胆にもスクイードⅠに右側面を接触させ、そのままゴメス艦長以下兵士たちが一気に艦内へ突入。ベスパの兵士たちはほとんどなすすべもなく倒されていき、タシロやクロノクルといった主要メンバーと、一部先行して脱出していた者以外は皆戦死or捕虜となり、カイラスギリー艦隊の旗艦であったスクイードⅠは、あっという間に陥落してしまいます。今回のこの戦闘で、ゴメス艦長は白兵戦の心得があることも判明。初登場時はやる気のないタダのおっさんだったのに、すげぇ有能な指揮官になってるじゃん…!そんなスクイードⅠは、リガ・ミリティアによって制圧されますが、そこにはカテジナシャクティたちの姿はなし。依然彼女たちの行方を直接知ることができなかったウッソでしたが、カテジナがコニーに残した伝言のおかげで、生存の事実を知ります。ここでのウッソは、まさに狂喜という感じの喜び方。メチャクチャ嬉しいのはわかるけど、ちょっと…怖かったよ。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第22話から第24話をご紹介予定です。『機動戦士Vガンダム』、観てください!

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ガンプラ Pick Up!

Vガンダム』に登場したモビルスーツガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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