お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』ちょっとした感想 Conflict-2(第4~6話)

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今回は、機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の感想記事第2回目です。

 

ガンダム試作2号機奪還の意志は人一倍なものの、実力がまだ追いついていないコウ。今回ご紹介の3話では、そんな彼の成長が引き続き描かれます。また、同時並行でデラーズ・フリートの動きも描写。どんどん攻勢を強めていっている様子がうかがえます。完全に地球連邦軍は後手後手に回ってる感が否めないけど、ここからどう巻き返すんだろ…?

 

なお、前回(第1~3話)の感想記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

第4話「熱砂の攻防戦」

1991年8月22日発売
登場した敵他:ガンダム試作2号機、ドム・トローペン、ザクⅡF2型、輸送用のHLVロケット

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「勝ったぞ!星の屑作戦に…栄光あれ!」


STORY:トリトン基地を、戦艦アルビオンが飛び立ってから1週間。めぼしい情報もなく東アフリカをさまよう艦の乗員たちの士気や練度はどんどん低下しており、ケンカが絶えない惨憺たる有様となっていた。そんな中、ガトーらはキンバライド基地のノイエン・ビッター司令と接触し、再びガンダム試作2号機を宇宙へ打ち上げようともくろむ。オービルのスパイ発覚を機に敵の動きに気づくコウたちだったが、ガトーたちはそのさらに一歩を行っていた。コウたちは、ガンダム試作2号機の射出を阻止できるのだろうか?

 

次回以降の舞台が宇宙になることから、前半戦最後の地球を舞台にしたドラマと戦闘が繰り広げられる今回。随所に戦艦アルビオンとキンバライド基地の様子の対比が描かれており、前者では一部の乗員を除いてケンカするわ遊び惚けるわと規律が乱れまくっている一方、後者は今回展開する作戦にすべてを賭けていて覚悟を感じさせるやり取りがなされるなどしています。視聴者から見て主人公側&味方側である戦艦アルビオンの状況は、どうひいき目に見ても頭を抱えたくなる状況。こんなガタガタの部隊で、これから戦い抜いていけるのかなぁ…。


戦艦アルビオントリトン基地を発ってから、1週間超。既にコウやモンシアの謹慎も解除されており、日々ガトーらとガンダム試作2号機の捜索に当たっていましたが、連日何の成果も上がらず、艦内の士気は下がる一方でした。特に、モンシアたち元「不死身の第四小隊」のメンバーの堕落っぷりはすさまじく、女性にちょっかいを出しては整備班とケンカしてばかり。シナプス艦長自身も上層部からの圧力を受け鬱憤がたまっており、ニナの不安はどんどん募っていくのでした。冒頭で描かれるのは、東アフリカを航行する戦艦アルビオンの中の、乗員たちの状況。「砂漠だらけで暑さもキツいし、音を上げるヤツらも出てくるだろうなぁ」と思って観ていましたが、実際はそれよりもひどい状況でした。格納庫では、女性を追いかけまわしているモンシアたちが、モーラら整備班と真っ向から対立し、ケンカ状態に。艦橋では、シナプス艦長が冷静さを保ち乗員に指示を出していましたが、何度も入ってくるジャブローからの督促通信に我慢の限界を迎え、声を荒げてしまっていました。上も下もガタガタ状態の戦艦アルビオン。これじゃあ、一般人として乗艦しているニナじゃなくても、大丈夫かと頭を抱えたくなっちゃいますよね。このような状況の戦艦アルビオンですが、そんな中でもコウは特に変わった様子はなく、粛々と任務に従事。コウまでおかしくなってなくて、とても安心しました。


暇を持て余したモンシアたちは、あろうことか戦艦アルビオンの設備を利用した賭け事を行い、そのせいでコウの乗っていたコア・ファイターⅡは一部損傷。艦の戦力はさらに低下し、ニナもついにモンシアたちに怒りをぶつけます。同じ頃ガトーは、一年戦争時から建設されていたキンバライド基地に到着。ビッター司令と話し合い、ガンダム試作2号機を宇宙へと打ち上げる綿密な作戦を立てていました。モーラにキレられても、モンシアたちの素行は全く変わらずじまい。暇になった彼らは、ちょうど任務を終えて帰還するコウを妨害し、彼がコア・ファイターⅡを上手く着陸させるか否かの賭けを始めます。結果は後者となり、コア・ファイターⅡは一部破損。限られた装備をわざと破壊されたことで、モーラそしてニナの怒りは頂点に達するのでした。ここでのモンシアたちの行動は、もはや擁護の余地なし。というか、それだけ暇なら、何かしらの形でガンダム試作2号機の捜索に協力すればいいのにと思うけど…、きっと一年戦争時代の栄光を鼻にかけて、そういう仕事を頼まれてもやらないと突っぱねてるんだろうなぁ。このように、乗員の士気も練度もダダ下がりな戦艦アルビオンの一方で、不退転の覚悟で「星の屑作戦」に臨んでいるのがガトーたち。彼と接触したビッター司令は、キンバライド基地の設備と残されたモビルスーツを使って、なんとしてもガンダム試作2号機を宇宙へ打ち上げると誓います。その裏には、敵と刺し違えることもいとわない、彼の強い覚悟がありました。キンバライド基地は一年戦争末期からあったらしく、ビッター司令はその時からの責任者。今日に至るまでジオン再興を夢見て基地を守り続けてきていることから、その覚悟と決意は凄まじく、敵ながら軍人としてのカッコよさを強く感じました。敵がこんなにも本気なのに、主役側であるコウたちの部隊と言ったら、もう…。


キースがトイレに向かう途中ぶつかったことがキッカケで、オービルがガトーのスパイだったことが発覚。オービルはコア・ファイターⅡを強奪し逃亡しますが、シナプス艦長はそれによりガトーのいる地上基地の発見をもくろみ、その後バニング大尉を通じてコウたちを出撃させます。しかし、ビッター司令はそんな作戦はお見通し済み。それを予測してザクⅡF2型部隊を展開しており、コウらはその集中砲火を浴びるハメになります。そしてそのスキに、ビッター司令は手薄になった戦艦アルビオンを、ドム・トローペンとザクⅡF2型の混成部隊で一気に攻撃するのでした。オービルは第1話からずっとスパイ活動をしてきましたが、キースとぶつかった際書類を回収し忘れるというミスを犯して正体が発覚。コア・ファイターで逃亡を図るも戦艦アルビオンから追撃され、またビッター司令側からはコウたちを引き付ける囮として利用され、自機を破壊されたのち生死不明となります。ここで面白いのが、戦艦アルビオン側とビッター司令側の、相手の動きを読んだうえでの作戦の立て方の違い。戦艦アルビオン側は、オービルがガトーのもとに逃げ込むだろうと踏んでレーダーで追跡しますが、ビッター司令側はそれすらも予測済み。逆にオービルをあらぬ方向に誘導して現地にモビルスーツ部隊を待機させ、やってきた戦艦アルビオンモビルスーツ部隊を叩く作戦をとります。この作戦は成功し、出撃したコウたちは、ザクⅡF2型の集中砲火を浴びるハメに。これにはモンシアも取り乱し、まともな指示が出せなくなってしまいます。今回は、バニング大尉の指示で、モンシアがコウとキースを引っ張る形に。ところが彼の指示はどれも抽象的で、偶然やコウの機転がなければ、軒並み失敗しているものばかりでした。隙あらば酒飲んでるわ、戦闘では現時点でほとんどいいところなしだわと、散々なモンシア。本当に君、エースパイロットだったの…?


四方八方から攻撃を受け、動けなくなったコウたち。モンシアはこんな時でも半ば嫌味でコウに事態の打開を指示しますが、なんとこれが奇跡的に成功。彼らは急ぎ戦艦アルビオンの元へと向かいます。同じ頃戦艦アルビオンは、ビッター司令の部隊の攻撃を受け大ピンチ。目の前でガンダム試作2号機を載せたHLVロケットが発射せんとしており、シナプス大尉も焦りを隠しきれなくなります。そんなとき、コウたちが間に合ってビッター司令の部隊を全滅させますが、既にHLVロケットは飛び立った後。戦艦アルビオンは、またもガンダム試作2号機の奪還に失敗する結果となるのでした。完全に孤立したコウたちでしたが、これを打開したのが、コウと彼の乗るガンダム試作1号機。モンシアのムチャな指令をもとに飛び出したガンダム試作1号機は、目を瞠るほどの驚異的な機動力を見せ、ザクⅡF2型部隊を行動不能に陥らせることに成功。さらにそのまま戦艦アルビオンの元へ向かい、艦橋に攻撃を仕掛けんとするビッター司令の乗るザクⅡF2型を的確に撃ち抜き、その窮地を救います。前回に続き視聴者を驚かせた、ガンダム試作1号機の機動性。しかし今回は、それにより勝利をつかんでめでたしめでたしという展開ではなく、大きな禍根が残る結果になっているのが興味深いです。結局ガンダム試作2号機の奪還には失敗しているし、ビッター司令ももともと刺し違えるの覚悟で突撃してきてるから、ほぼ戦艦アルビオンはガトー側にしてやられたも同然なんですよね。さて、この経験が、コウたちにどんな影響をもたらすのか―。

 

 

 

第5話「ガンダム、星の海へ」

1991年9月26日発売
登場した敵他:ガンダム試作2号機、シーマ専用ゲルググM、ゲルググM、リリー・マルレーン、戦艦ザンジバル、戦艦グワジン、ムサイ

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「かりそめの平和へのささやきに惑わされることなく、繰り返し心に聞こえてくる祖国の名誉のために―。ジーク・ジオン!」


STORY:ガトーらを追って、宇宙に上がった戦艦アルビオン。キースがモンシアたちとの訓練に励む一方で、コウはガンダム試作1号機にべったり張り付き、ニナとも関係を深めていく。しかしそんな彼を、ニナは鬱陶しくも感じていた。彼女がコウを突き放した時、艦内に流れる非常警報。ガトーらデラーズ・フリートに参加する、元ジオン公国軍シーマ・ガラハウ率いるシーマ艦隊の襲撃だ。ガンダム試作1号機に固執するコウは、ろくな整備も終わっていないそれで出撃するが―!


物語の舞台は、地球から宇宙へ。それに伴い、コウたち戦艦アルビオン側、そしてガトーらデラーズ・フリート側にも、関係が深まったり新たなキャラが登場したりと、人間関係とドラマが一気に複雑化していきます。特に、コウとニナの関係の深まり方は著しく、前回と今回の間で抜けている話がいくつかあるんじゃないかと錯覚するほど。しかしそれと同時に、ニナの持つ純粋さとヒステリックさもクローズアップされていきます。わかったよ、ニナって結構、面倒くさいタイプだね…。


逃亡したガトーを追って、ついに宇宙へと飛び出した戦艦アルビオン。増援を待つしばらくの間、地球軌道上で待機することになり、その間に乗員たちは、来る戦闘のための準備に励むことになります。キースがモンシアたちとの訓練に精を出す一方、コウはそれをそっちのけでガンダム試作1号機のチューンナップにご執心。ニナとも関係を深めていきます。同じ頃、デラーズと合流することに成功したガトーは、一年戦争時同じジオン公国軍として戦ったシーマと再会していました。Aパート前半で描かれるのは、戦艦アルビオン内の人間関係。前回まではいろんな部隊等からの寄せ集めでガタガタの大所帯でしたが、今回ではある程度統率が取れるようになっており、ガンダム試作1号機を通じてコウとニナの関係が深化。またキースはモンシアたちの訓練を連日受け、少しずつながらパイロットとして着実に成長しつつありました。コウとニナの関係の深さ、そしてなんだかんだでよく面倒を見てくれる先輩になっているモンシアたちと、前回からえらく変わったメインキャラクターたちの様子。あまりにも変わったもんだから、「前回との間でお話見逃したかな」って本気で思っちゃったよ。どうしたんだ、この急激な変化は…。こうした人間関係の変化は、敵であるガトー側にも。ガトーは、ガンダム試作2号機を携えてようやくデラーズのもとに到着しますが、それを見つめる女性が1人。その正体は、ジオン公国軍でも活躍した軍人シーマでした。そのしゃべり方やあまりにも好戦的な性格、どこか妖艶な雰囲気も漂わせていて個性的な衣装等をまとっていることなどから、特撮作品に出てくる女幹部っぽさも感じるシーマが、ここで初登場。登場シーンがパンチ効きすぎてて、ビックリしちゃいました。


コウは自分なりに何とかガンダム試作1号機をチューンナップしようとするも、ニナから見ればその腕はまだまだ。そのくせガンダムのことで彼女にずっと付きまとうことから、彼女は彼に対してだんだん嫌気がさしてきます。自分の本当の思いにフタをするかのように、ニナはコウを突き放し始めますが、それは彼女の想像以上に、彼を激昂させる結果となるのでした。隙あらばガンダム試作1号機のことばかり考えているコウ。しかし、その純粋さと未熟さは、じょじょにニナをいら立たせていくようになります。それはやがて冷たい態度という形で外に出るようになり、それを受けたコウは激しく起こるのでした。Aパート後半では、コウとニナの関係性が一番のポイント。ニナがコウに対して抱く気持ちは十分わかるのですが、その思いをもとにした行動が、あまりにも極端すぎます。そりゃ、今まであれだけべったり一緒にガンダムのこと考えてくれたのに、いきなりその日の夕方になると態度が180度変わってことごとく自分の発言に冷たく当たってきたら、コウじゃなくてもカチンときちゃいますよね。なんというか、ニナって感情表現が下手なのかなぁ?それとも、単に男慣れしてないだけなのかな…。


戦艦アルビオンは、サラミス改2隻の増援を受け、発進。これを察知したデラーズたちは、攻撃準備に入りますが、その役をシーマが進んで買って出ます。ガトーの反対を抑えて、デラーズはそれを許可し、シーマ艦隊は嬉々として出撃。戦艦アルビオン側からは、キースとモンシアたちが応戦しますが、思うように敵を討てず、しかもその最中、電波回線のジャックにより、デラーズの演説が流れ込んでくるのでした。迫りくる戦艦アルビオンサラミス改2隻の相手を、進んで買って出るシーマ。ガトーは彼女の好戦的な気質を知っており、馬が合わないため反対しますが、デラーズはそれを抑え込んでシーマの出撃を許可。彼女はザンジバル級戦艦「リリー・マルレーン」1隻で出撃し、そこから放つゲルググMで、戦艦アルビオンに挑戦を仕掛けてきます。今回の戦闘シーンのメインは、シーマ艦隊とのバトル。戦艦1隻だけで攻撃に向かうという無謀ともいえる戦力で戦いを挑むシーマですが、そこに搭載されていたゲルググMの機動性とパイロットたちの腕は、確かなものでした。今回より登場:ゲルググM。ゲルググを対水中戦用に改造したものですが、ゲルググ本来の宇宙での機動性の高さは健在。キースどころかモンシアたちのジム・カスタム、そしてジム・キャノンⅡを翻弄し、その足止めに成功します。この戦闘では、モンシアたちもかなり頑張っているのですが、それよりもゲルググMの機動性が上回っていた印象。モンシアはゲルググMを「一年戦争時の旧型機」とバカにしていましたが、本作から時系列的に未来にあたる『Ζ』において、改造されて陽動や攻撃のバックアップで使用されていたことを考えると…、彼の見立ては完全に誤りであるということがよくわかりますね。


どうしてもガンダム試作1号機をものにしたいコウは、バニング大尉の命令を無視し、さらにニナの作った計算ディスクも払い落としてそのまま出撃。しかし、宇宙仕様に対応しきれていないガンダム試作1号機は、ろくに動くこともできず、ゲルググMを1機撃破するも、シーマ専用ゲルググMの攻撃を受け大破します。すんでのところでバニング大尉のジム・カスタムが駆け付け、コウは意識朦朧の状態で、ガンダム試作1号機を戦艦アルビオンに帰還させることに成功。ですが、彼の心は後悔の念に支配されていました。気持ちが焦るあまり、ガンダム試作1号機で飛び出してしまったコウ。しかし、コウ自身宇宙戦が初めてなうえ、1号機自体もまだ宇宙用のチューンナップの途中であったため、ほとんど動けずにやられっぱなしになってしまいます。このシーンで興味深いのが、そんな状況下でもゲルググMを1機撃破し、シーマに脅威を感じさせたガンダム試作1号機の機動性と耐久性。こうすることで「ガンダム試作1号機は決して弱いモビルスーツじゃない」とアピールする一方で、コウがまだその機体の能力自体に助けられている=未熟なパイロットであるということを視聴者に印象付けることに成功しています。そんな彼を最後の最後で救ったのが、バニング大尉。満身創痍な彼でしたが、コウのピンチを知って、自分のギプスをたたき割りジム・カスタムに搭乗。シーマ専用ゲルググMを追い払った後、コウの意思を尊重して、単独で戦艦アルビオンに戻れるよう必死にバックアップします。戦士としても上官としても、スゲェ頼りがいのあるバニング大尉。もうこの人、いろいろと完成されすぎでしょ!

 

 

 

第6話「フォン・ブラウンの戦士」

1991年10月24日発売
登場した敵他:ガンダム試作2号機、ヴァル・ヴァロ

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「今は戻れない。僕にはまだ、やり残していることが…。深く沈んでくすぶっているもの。僕は…!」


STORY:ガンダム試作1号機の修理とチューンナップ、そして補給を兼ねてフォン・ブラウン市に入港した戦艦アルビオン。数日間の滞在期間で、乗員たちは羽を休めるが、コウだけは一向に気分が晴れないままだった。酔った勢いで夜の街に繰り出し、気づいた時にはケリィ・レズナーのジャンク屋で厄介になっていたコウ。彼はそこで、ケリィの持つ過去と、まだ消えぬ闘志を感じた。いつか戦場で相まみえることを知りながら、あえてケリィに手を貸すコウ。彼は自分に決着をつけ、新たなるガンダム試作1号機のテスト操縦に間に合うことができるのか?


前回ガンダム試作1号機が大破していること、そしてデラーズ・フリート側も隠密行動に徹していることから、終盤におけるガンダム試作1号機フルバーニアンのテスト操縦以外は、モビルスーツの戦闘シーンが全く出てこない異色回。ドラマの中心に据えられているのは、コウのパイロットそして一人の男としての立ち直りの過程であり、そこにゲストキャラクター:ケリィの秘密と葛藤を絡めています。人間模様の生み出すドラマはとても面白かったけど、若干尺が足りなかった感じかな。


ガンダム試作1号機のチューンナップと修理、そして補給のため、月のフォン・ブラウン市にやってきた戦艦アルビオン。すべてが終わる予定の2日後まで、しばしの休息が与えられた乗員たちは、羽を伸ばしに街へと繰り出します。そんな中でも、心が晴れないコウ。酒を飲んでも思うように酔えず、店を飛び出してしまった彼は、物に当たったり不良グループなどに絡まれたりと散々な目に遭います。翌朝、彼が目を覚ました場所は…。修理と補給のすべてを、ニナたちアナハイム社に任せたことで、完全に手が空いた戦艦アルビオンの乗員たち。皆こぞって夜の街へと繰り出し、飲めや歌えやのどんちゃん騒ぎを始めます。久しぶりの休暇みたいなもので、パーっとやりたくなるのはわかるけどさ、艦長と数名の乗員だけ残して、残りは皆同じ店に飲みに行くって、部隊としてかなりリスクある行動じゃないか?しかも、こういうときもビシッとシメてくれるかなと思ったバニング大尉まで遊びまくってるし…。こうした状況下でも、ガンダム試作1号機のことが頭の中でいっぱいなせいで、いい気分になれないコウ。店を飛び出した彼は街をさまよって様々なトラブルを起こし、最終的にたどり着いたのは、自身を介抱してくれたケリィのジャンク屋でした。Aパート中盤では、問題を起こしてはメタメタにやられていくコウの様子が描写。いくら酔っているとはいえ軍人のくせに非力すぎるだろというシーンもありましたが(連邦軍の軍人だから、簡単に一般人に実力行使ができないのかもしれないけど)、こうしてどんどん堕ちていくさまは、彼の苦悩の深まりとを表現しているように感じられました。


コウを救ったのは、フォン・ブラウン市の最下層でジャンク屋を営むケリィ。寡黙ながら何かアツいものを感じたコウは、自主的に彼のジャンク屋家業の手伝いを始めます。そこで目撃したのは、隠されていた一年戦争時のモビルアーマーヴァル・ヴァロ。ジャンクの1つかと思い自主的に修理に協力していたコウでしたが、それを同居人であるラトーラ・チャプラが止めます。そこで彼は、ケリィの正体を初めて知るのでした。コウが助けられたのは、偶然その場を通りかかったケリィ。彼がコウを助けた理由は最後まで明かされることはありませんでしたが、純粋な善意によるものだったのでしょうか。そんな彼に感謝しつつも、どこか不愛想でそっけない態度に戸惑いを覚えるコウ。改めて外に出て、ケリィのジャンク屋稼業を勝手に手伝い始めますが、そこでヴァル・ヴァロを発見。さらにラトーラの言葉で、ケリィの正体が、元ジオン公国軍パイロットであることを知るのでした。いくらジャンク屋とは言え、一年戦争時代のモビルアーマーが、あと少しで動かせそうな状態で保管されているのはおかしな話。それをもとにすれば、「ケリィはジオン公国軍と何かつながりがあるんじゃないか」という想像は容易にできますが、コウはラトーラの言葉を受けるまでは全く気付いていませんでした。ヴァル・ヴァロを目の当たりにしても、修理してる中でどうやらこれはあと少しで動かせそうだということに気づいても、ケリィとジオン公国軍の関係にまでは考えがいたらなかったコウ。うーん、人が良すぎるというか…。


ラトーラの言葉、そしてケリィの拒むような態度を前にして、一度は彼らのもとを去ったコウ。しかしその後、戦艦アルビオンに戻る道中で、偶然ケリィと女性(シーマの変装)が接触するのを目撃し、そのままジャンク屋に引き返すことに。そこでコウは、デラーズ・フリートの次なる作戦を知ります。シーマたちが去ったあと、ケリィそれを問い詰めるコウ。しかし彼はその多くを語らず、腕力勝負を仕掛けてきたうえ、ラトーラから「出て行って」と言われたため、コウは再びジャンク屋を後にして街をさまようことになるのでした。この時フォン・ブラウン市には、偶然アナハイム・エレクトロニクスやケリィと接触を図るシーマも潜入。シーマはヴァル・ヴァロの修理の進み具合を見て、これを次のデラーズ・フリートの作戦の中心にしようと考えていました。シーマの登場シーンでは、ケリィとのやり取りが中心になりますが、わずかに挿入されるアナハイム・エレクトロニクス社とのやり取りのシーンも見逃せないところ。社がモビルスーツを販売する武器商人として、連邦軍デラーズ・フリート、どちらとも取引をしている様子が描かれます。利益のために両勢力に加担し、戦争を拡大させていると言っても過言ではないアナハイム・エレクトロニクス社の行動。この事実は社の上層部しか知らないようですが、知っている者たちはこれっぽっちも悪びれる様子はありません。なかなかえげつないことしてるよなぁ…。そんなシーマとケリィのやり取りを、見てしまったコウ。彼を止めるべく真正面から自分の見た事実をぶつけますが、当のケリィには全然届かず、ラトーラからも冷たい仕打ちを受けるのでした。ケリィと向き合うも、彼の心を変えることができなかったコウ。このシーンは2人の感情のぶつかり合いが強く印象に残りますが、ラトーラが若干ヒステリック気味なのが気になります。ケリィのことを心配するのはわかるけど、コウに対する態度がコロコロ変わりすぎだよ…。


街の中で、コウは偶然ニナと再会。彼女と話をする中で、コウはケリィの持つ熱意、そして自分の中にも眠るパイロットとしての意地を認識します。ニナに必ず戻ると約束したコウは、そのままケリィの元へ向かい、ヴァル・ヴァロの修理に協力。シーマの指定した期限までに無事修理を終わらせ、その後急いで戦艦アルビオンへと戻り、ガンダム試作1号機フルバーニアンのテスト操縦に駆け付けるのでした。ケリィのジャンク屋から放り出され、行き場を失ったコウ。その後ニナと再会した彼は、ガンダム試作1号機フルバーニアンの歓声が間近であることを知ります。彼女と話す中で、ケリィの熱意と自分の意地を自覚したコウは、敵に協力する形になることを承知でケリィの元へ引き返し、ヴァル・ヴァロの修理に協力し始めます。会話の中で自分で気づきを得、行動を開始したコウ。ここで彼を突き動かしたのは、敵味方という立場を超えて、ケリィの思いに心を震わされたからなのでしょう。“1人の戦士(男)”として、彼の成し遂げようとしていることに協力したかったんでしょうね。たとえそれが、敵に協力する形になるとしても―。こうしたコウの姿勢を、最初は拒んでいたものの、じょじょに彼を受け入れていくケリィ。やがてヴァル・ヴァロは完成して2人は戦場で相まみえることを約束し、つきものが取れたかのように吹っ切れたコウは、ガンダム試作1号機フルバーニアンのテスト操縦に戻るのでした。フルバーニアンの活躍がラストに描かれることもあり、今回のラストはどこか爽快。コウとケリィの、不思議ながら戦士としての固い絆を感じました。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は、第7話から第8話+αをご紹介予定です。『機動戦士ガンダム0083』。運命は、人へ試練を与える事をやめない。もつれた糸は、緩むことなく、今―月面の攻防の幕を開かせた!

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ガンプラ Pick Up!

『0083』に登場したモビルスーツガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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