もはやそういうプレイと化したカルミラの戦闘
お父様は私に話してくれた。「人は誰でも光になれる」って。信じて、お父様の光を!今回の『ウルトラマントリガー』は、キリエロイドとの対決回。怪宇宙線:モルフェウスRにより闇の三巨人たちがひと騒動起こしてそれにトリガーが翻弄され、終盤になっていよいよキリエロイドが登場。大ピンチのトリガーを、シズマ会長たちの光が生み出したティガが華麗に救うというドラマが描かれました。
ティガの登場展開は「まあこれでもいいかな」という感じでしたが、せっかく『ティガ』からキリエロイドを引っ張り出してきているにもかかわらず、それをドラマ内で生かしきれていなかったのが非常に残念。闇の三巨人の小競り合いに、あまりにも時間をかけすぎていた印象でした。結局、キリエロイドが『トリガー』の世界に来た理由も、消化不良だったよなぁ。
なお、前回(第18話)の感想記事は、↓コチラです
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面
前回から暗躍していたキリエロイドにより、闇の三巨人がさらに異常をきたし、さらにはユナを自分たちの“救世主”にしようとしたり、それが無理だとわかれば暴れだしたりと、お話の中に詰め込まれた要素はそこそこ多く、キリエロイドらしいやり口が描かれていた今回。しかし、それらの配分がかなりアンバランスで、せっかく詰め込んだ要素を殺してしまっている感が否めませんでした。前回の構成は良かったのに、なんで今回は…。やっぱり、闇の三巨人のシーンが長すぎるよなぁ。
前回、ユナの気づきをきっかけに目を覚まし、ゴルバーⅡを破ったGUTS-SELECT。その後の調査とシズマ会長の助言により、全ての原因は何者かによって宇宙から発せられた宇宙線:モルフェウスRが原因だと判明します。一方、カルミラたち闇の三巨人は未だにその宇宙線の影響から立ち直りきれておらず、内輪揉めを始めてしまうことに…。前回の、ユナを除くGUTS-SELECTに異変をもたらした原因は、宇宙線モルフェウスR。「モルフェウス○」というネーミングは、『ティガ』以降ちょくちょく出てきますが、『トリガー』でも登場しました。このような宇宙線の存在にいち早く言及していたのが、シズマ会長。久しぶり&唐突な登場だったので、「もしかしてキリエル人の変装か?」と疑っちゃいましたが、そんなことはありませんでした。これだけスパッと言い当ててたのは、もちろんTPUに調べさせていたんだろうなというのもありますが、もといた『ティガ』の世界での知識もあったからなんだろうなぁ。このように、GUTS-SELECTが早めに原因を特定し立ち直っていたのに対し、まだグズグズしていたのが闇の三巨人たち。モルフェウスRの影響が薄れつつあることは、彼女たち自身も自覚していましたが、それに乗じたダーゴンを除く各人の思惑が交錯し、内輪揉めへと発展していきます。皆正気を取り戻しつつあるのに、それを各々が利用することで見えてくる別の狂気。この構図はなかなか面白いですよ。
内輪揉めがエスカレートした闇の三巨人は、そのまま市街地で大暴れ。GUTS-SELECTも対応に追われ、ケンゴもトリガーに変身して介入します。一方、この直前に謎の男を目撃したユナは、彼を追跡。得体の知れぬその男と対峙した直後、トリガーたちの戦闘が、彼女のすぐ近くまで迫っていました。中盤は、市街地での闇の三巨人たちの争いと、それを止めようとするトリガーがドラマの中心。闇の三巨人との戦闘時間を確保する&このあとのVSキリエロイド戦でグリッタートリガーエタニティを使えないようにするためか、トリガーとGUTS-SELECTの苦戦するシーンが長くとられていました。グリッタートリガーエタニティ初登場時は闇の三巨人を圧倒してたし、ナースデッセイ号バトルモードも今までかなり強めに描かれていたから、今回の戦闘シーンはムリヤリトリガーたちを苦戦させてる感が否めなかったなぁ。そんなトリガーたちの一方で、ただ一人謎の男を追跡していたのはユナ。彼女はビルの一角へその男を追い詰めますが、男は突然救世主の話を始めるのでした。男の正体はキリエル人。彼が『トリガー』の世界に来た理由は、おそらく“救世主”探しだったのでしょうが、それ以上深く触れられることはありませんでした。今までは(『ティガ』等で)「自分たちこそが救世主になり得る」とかなんとか言ってたクセに、えらい方向転換してるなぁ。何があったんだろ…?
ユナは自らの意思でユザレの力を覚醒させ、トリガーを救うことに成功。しかし、謎の男はそのさまに呆れ、とうとうキリエロイドとなって市街地に出現します。エネルギー切れ寸前で再び窮地に立たされるトリガーでしたが、ここでユナ、そして駆けつけていたシズマ会長の光が奇跡を起こしてティガを召喚。2人の光の巨人の猛攻の前に、キリエロイドはあっという間に倒されるのでした。ケンゴ=トリガーを救いたい、その一心とシズマ会長の登場により、ユナのユザレとしての力が完全に覚醒。それを目の当たりにした闇の三巨人たちは、突然争いをやめ撤収していきます。「なんでここで撤収?」と思ったけど、そういえば闇の三巨人たち、ユザレの覚醒も目的の1つだったね。それを目の前で見届けたし、グリッターブレードの攻撃で弱っていたこともあったから、ここで退いたのでしょう。これでようやく戦闘も終わり…かと思いきや、続いて現れたのはキリエロイド。エネルギー切れ寸前のトリガーは大苦戦を強いられますが、それを救い、ともに倒したのはティガでした。シズマ会長がユナの姿を見て、そして自身と彼女の中にある光を信じ結集させたことで、『トリガー』の世界にウルトラマンティガが堂々登場!流れとしては十分アリでGoodでしたが、「人は誰でも光になれるんだ」というワードを若干曲解しているとも受け取れる展開だったのはちょっと気になりました。あの言葉は、少なくとも「誰でも光を信じればティガになれる」という意味じゃないと思うんだけどなぁ。
◎特撮面
闇の三巨人との戦闘では泥臭さとミニチュア破壊、キリエロイドとの戦闘ではティガ登場による連携攻撃と、それぞれの戦闘において違った見どころがガツンと用意されていた今回。ドラマパートは若干アレでしたが、特撮・戦闘面は前回に続き力の入った見ごたえ十分なものに仕上がっていましたね。トリガーもカッコいいけど、やっぱり…ティガの方がレジェンド的なカッコよさがあるよねぇ。
闇の三巨人が市街地に出現!ダーゴンの制止もまるで聞かずに内輪揉めをするカルミラとヒュドラムは、周りの被害など全く気にせずに、暴れまくります。闇の三巨人の戦闘前半戦は、土埃とチップによる演出が印象的。大量にこれらを使用し巻き上がらせることで、その戦闘の激しさとドロドロした感じをうまく表現していました。あと、カルミラたちが市街地に落ちてきた直後、ビルの隙間から2人が見える描写。なんだか、平成三部作でよく見た構図な気がしましたね。もしかして、これも狙って挿入しているのか?
闇の三巨人の争いを止めるべく、ケンゴはトリガーに変身。しかし、彼らは止まるどころかさらにエスカレートし、特にカルミラは、尋常じゃない憎悪をぶつけるようにトリガーに攻撃を仕掛けてきます。グリッタートリガーエタニティの力でも苦戦するトリガーでしたが、ユナの力で形勢をひっくり返し、なんとか闇の三巨人を撤退に追い込むのでした。前半とは打って変わって、闇の三巨人との戦闘の後半では、ミニチュア破壊が印象的に。特に、トリガーとカルミラの戦闘におけるビル破壊描写は、唸ってしまうほどの(興味深いという意味で)面白い出来でした。市街地で引きずり回すかのように、トリガーの頭をビルにたたきつけるカルミラ。彼女の並々ならぬ憎悪を感じるとともに「こういうミニチュア破壊の見せ方もありだなぁ」と感じました。
ようやく闇の三巨人を退けたトリガーの前に出現したのは、なんとキリエロイド。ただでさえ厄介な敵なうえに、エネルギー切れ寸前のトリガーは、ほとんど抵抗できずまたもピンチに陥ります。その時、シズマ会長たちの光によってティガが出現。トリガーと初対面とは思えぬ絶妙な連携攻撃を見せ、最後はダブルのゼペリオン光線でフィニッシュするのでした。後半でようやくキリエロイドが登場。しかし、それよりも視聴者の関心をさらっていったのは、ティガの登場でした。OPクレジットでティガの名前があったから「まさか」と思ったけど、本当に登場して、しかもトリガーと共闘してくれるとはなぁ~。おまけにタイプチェンジもすべて披露して、アクションとCG合成をミックスした縦横無尽な戦いっぷりを見せてくれたので、本当にこの戦闘シーンの出来は満足でしたね。でもさ、キリエロイドに翼生やすんだったらさ、どうせならキリエロイドⅡのスーツ使えばよかったのにね。ウルサマ2021で展示してたからスーツはあるはずだし、ちょっと色違いにしてネーミングも「キリエロイドⅢ」とかにすれば、「これはこれでいいじゃん」って感じになってたと思うんだけどなぁ。
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グリッタートリガーエタニティ登場前後から、『トリガー』に登場する敵はいっそう多様化することになった。トリガーダーク、アブソリューティアン、そして闇の三巨人の引き連れてきた怪獣―。『トリガー』の物語終盤を迎える前に、今一度デバンとともにそれらを振り返ってみよう!
次回は、『トリガー』が来年1月放送終了になったことに伴う、日程調整も兼ねた総集編。まさか、またまたデバンチャンネルが帰ってくるとはね…。でも、年末年始の放送休止とかを加味すると、これが最後のデバンチャンネルになるのかな。
↓特別総集編3も、スマイルスマイル!
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