今回は、『機動戦士ガンダムΖΖ』の感想記事第11回目です。
地球を舞台とするドラマが続く、今回ご紹介の3話。前後編の比率も再び多くなり、敵味方のメインキャラどうしの関わり合いもかなり増えてきます。敵であるネオ・ジオン側のキャラクターの本性や内面が徐々に見えてくるのも、面白いですね。
なお、前回(第28~30話)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
第31話「青の部隊(後)」
1986年10月4日放送
登場した敵他:ミンドラ、ドライセン、ドワッジ、ディザート・ザク、ゲルググ、ザクタンカー
「文明を生み出すのは戦争だ。自らの手で生み出したものを、自らの手で破壊する…。」
STORY:なんだかんだで、ルーには帰ってきてもらいたい!そう思った俺たちは、プルが感じた気配を頼りに、再びガルダーヤの街を訪れた。でも、実際にそこにいたのはグレミーだったんだ。そして、そんな時にネオ・ジオンのミンドラが!アフリカ独立戦線のガデブ・ヤシンが手を組んだらしい。だからって、ガルダーヤを破壊することないじゃないか!こうなりゃ、俺たちがこの街を守るしかねぇよな。ルーも帰ってきて、ガンダム・チーム、復活だ!
青の部隊のお話後編に当たる今回は、ガルダーヤを舞台に、ガンダム・チームVSネオ・ジオン&アフリカ独立戦線の激しい戦いが繰り広げられる一編に。単純に戦闘に次ぐ戦闘だけでなく、それに翻弄されるアフリカ独立戦線の悲哀、そして青の部隊のエロの立場が二転三転するなど、複数の要素が組み合わさりお話を面白くしてくれています。そして、今回でようやくルーもグレミーもそれぞれ元の部隊へ帰還。グレミーは、今まで隠していた一面をじょじょに現しはじめます。
前回、戦闘によりディドーを失った青の部隊。グレミーは意外にもディドーの遺言通り青の部隊の隊長を務めることとし、エロたちのモビルスーツ訓練に付き合います。一方のガンダム・チームは、依然行方知れずのルーを捜索中。その中で戦艦アーガマからは、ビーチャとモンドが、ルーの乗ったコアファイターの回収のために、コア・トップとコア・ベースで出撃するのでした。リーダーであるディドーが戦死したことにより、隊内が乱れつつあった青の部隊。それを統率し、2代目隊長として就任したのは、グレミーでした。グレミーの性格から考えて、前回ディドーの死の間際に約束したこと(青の部隊のリーダーになる)はウソかハッタリかと思ってましたが、どうやら彼は本気だったらしい。この時点でも私としては「実は何かに利用するためにやってるんじゃない?」と疑っていましたが、今回のラストシーンのグレミーの発言から察するに、ディドーの遺志を継ぎ青の部隊を率いるという思いにウソ偽りはなかったようです。意外にそういうところは義理堅いんだね、グレミー。そんな彼は、隊を強化するため、エロを中心にモビルスーツの訓練を実施。来る先頭に備えていました。一方ジュドーたちガンダム・チームは、ルーの捜索のために、ガルダーヤ付近の砂漠に待機中。しかし、いつまでもだらだらと監視していても埒が明かないため、プルの勘を頼りにガルダーヤへ再び向かうことを決意します。もともとジュドーとのかかわりが深く、その特異な力を発揮していたプルですが、ここ数話で彼女の力そしてその存在が、さらにガンダム・チームにおいて重要になってきた気がします。
ガルダーヤの街を訪れたジュドーたちでしたが、ルーの姿を発見することはできずじまい。その代わり見つけたのは、街に再び潜入していたグレミーでした。彼と会話しようとした瞬間、ミンドラと大量のザクタンカーが突然出現。その正体は、ガデブ・ヤシン率いるアフリカ独立戦線と、それと手を組んだネオ・ジオンのオウギュストたちでした。ドワッジとディザート・ザク舞台にガルダーヤが襲撃される中、エロは街を守るため、仲間割れの形でディザート・ザクに挑んでいきます。ジュドーたちに先行して、ガルダーヤに潜入していたグレミー。ジュドーと出会う前に、彼はジェネと遭遇していました。ジェネと二言三言会話するも、癇癪を起こして殴り飛ばしてしまうグレミー。つい1分くらい前には、「静かに座って話をしようじゃないか」って、自分で言ってたくせに…。その後、街にやってきたジュドーと出会ったグレミー。両者は会話しようとしますが、それを引き裂いたのは、ガデブ率いるアフリカ独立戦線のザクタンカーと、オウギュストが艦長代理となったミンドラでした。ガデブは、エロたち青の部隊と同じくアフリカ独立戦線の一派ですが、独立運動に傾倒するうちに、その思想がかなり偏ってしまった様子。「フランク(白人)からの独立」を掲げていたはずなのに、その白人たちの集団(実際は白人以外もいるけど)であるスペースノイドのネオ・ジオンと手を組み、さらにガルダーヤを自身の拠点とすべく、同じアフリカの人々が住むにもかかわらず侵攻して制圧しようとしていました。「アフリカの独立を願っているヤツが、アフリカの民を苦しめてどうするんだよ」と言いたくなりますが…、独立への思いが強すぎるあまり、「多少の犠牲は仕方がない」みたいな感じの、極端な考え方になっちゃったんだろうなぁ。
ガデブやオウギュストたちの攻撃が続く中、何とか街を一度脱出したジュドー。Ζガンダムなどを隠していた場所にいたのは、なんとルーでした。多少のわだかまりはあれどガンダム・チームが復活したことにより、彼らは各々機体に搭乗し、ガルダーヤの街へ戻ります。一方、グレミーもまた、自分の艦であるミンドラとの合流に成功。オウギュストから指揮権を奪還した彼は、ガデブに対しガンダム・チームとの戦いに備えるよう忠告するのでした。ガルダーヤに入るために、近くにΖガンダムなどを置き去りにしていたジュドーたち。彼らがそこに戻ってみると、機体は砂でカモフラージュされており、その場にはルーがいました。なんだかんだで、ジュドーたちのためにいろいろと手を尽くしてくれていたルー。ジュドーたちが戻ってくる前にここを通りがかった際、「なんでアイツらがいないんだ!」と怒りつつも寂しがってたけど、もしかして意外に寂しがり屋で世話焼きなのかな?しかし、こうしている間も、ガルダーヤは戦闘の真っただ中。エロが街を守るため戦い続けている一方、グレミーはガデブの乗るドワッジとの接触に成功し、それによりミンドラへの帰還を果たします。艦長代理を務めていたオウギュストから指揮権を取り戻した彼は、自らもドライセンに乗り、ガデブのドワッジやディザート・ザク隊を率いて出撃するのでした。街を守るため、仲間でもあるアフリカ独立戦線に戦いを挑むエロ。この時は、この展開のままガンダム・チームとの共闘が実現するのかなと思ったんだけどなぁ。そしてそのあと展開されるのが、グレミーとオウギュストのやり取り。相変わらずグレミーを内心見下しているオウギュストは、慇懃無礼な態度を取りますが、それを全て見透かしているグレミーのアクションがまた面白いです。
グレミーはエロをも巻き込んで、戻ってきたガンダム・チームと対峙。ジュドーたちはΖガンダム・ガンダムMk-Ⅱ・コアファイターで挑みますが、敵の数が多すぎるため劣勢を強いられます。そんな時、ようやくビーチャとモンドの乗るコア・トップとコア・ベースが到着。ルーの乗るコアファイターと合体し、ΖΖガンダムとなります。ΖΖガンダム登場後は、一気に形勢逆転。エロの乗るゲルググも、ガデブの乗るドワッジもあっという間に撃破され、グレミーのドライセンも大破。グレミーたちは撤退を余儀なくされ、ガルダーヤを舞台にした戦闘は終結するのでした。ガルダーヤの街を守るために戦っていたエロでしたが、グレミーの「ディドーの遺志を継いでガンダム・チームと戦う」の言葉で、一気に方針を変更。グレミーたちに協力することとし、ガンダム・チームに挑んできます。エロがアッサリ立場を変えすぎな気がしないでもないですが、このように二転三転しお話をひっかきまわしてくれるその様は、面白いと感じました。ガンダム・チームはこれに立ち向かっていくわけですが、敵の数が多いわ砂漠での戦いはあちらの方が慣れてるわで、劣勢を強いられることに。しかし、ここでビーチャとモンドの応援が入り、ΖΖガンダムが登場したことで、形勢逆転し勝利をおさめます。どちらかといえば火力重視で、機動性はΖガンダムよりも劣っているΖΖガンダム。そのためガデブもエロもこちらの方が有利だと踏んで戦いを仕掛けてきますが、ビームライフルが彼らを撃ち抜きます。火力にものを言わせてぶっちぎるΖΖガンダム、これはこれでいいですよね。Ζガンダムとはまた違った魅力を持つガンダムだと感じます。こうして戦闘は終結したものの、アフリカ独立戦線は結局ネオ・ジオンに利用された格好になって得たものは何もなく、ガルダーヤの街も荒廃。街に残ったジェネのラストシーンの言葉が、胸に響きます。ジェネ、結局ほとんどストーリーには絡まなかったなぁ。インテリっぽくて、名ゼリフはいっぱい残してくれたけど…。
第32話「塩の湖を越えて」
1986年10月11日放送
登場した敵他:戦艦サダラーン、サンドラ、ドライセン
「何がプルツーだ…、何がニュータイプだ!俺たち大人の男が、そんなに役立たずか!?」
STORY:戦艦アーガマとの合流を急いで、俺たちはメルリル湖にたどり着いた。塩湖とはいえ、久々の水浴びは気持ちいいぜ。と思ったら、オウギュストのドライセン隊が攻めてきた!これはジュドーのΖΖガンダムが何とかしてくれたけど、ビーチャはそれが不満みたいだ。そして、いよいよ戦艦アーガマに近づいたと思ったら、なんとオウギュストたちの襲撃を受けていた!おいビーチャ、なんでΖΖガンダムで出るんだよ!そいつはジュドーじゃなきゃ、使いこなせないぜ?
ガンダム・チームが戦艦アーガマと合流を果たし、オウギュストとも決着がつく単発回。ガンダム・チームの仲もだいぶ戻ってきたことで、テンポのいい掛け合いが楽しめる一方で、ネオ・ジオン側では、ハマーンとグレミーがそれぞれ自身の野望を果たすために動き始めます。ここ数話でただ者ではない雰囲気を出し始めたグレミーでしたが、今回で一気にそのヤバめ度がアップ。それに翻弄され、成り上がろうとするも散っていくオウギュストの姿もまた、印象的に描かれていました。
ハマーンが戦艦サダラーンで航行していた頃、戦艦アーガマとの合流を目指し、ひたすら砂漠地帯を突き進んでいたガンダム・チーム。各々の体力も限界に近づく中、彼らは合流ポイントであるメルリル湖にたどり着きます。久々の水を見て水浴びをする彼らでしたが、そんな時、偵察に出ていたオウギュストのドライセン隊と遭遇。これはジュドーのΖΖガンダムによって排除されますが、ジュドーのその活躍に、ビーチャは嫉妬しつつありました。今回は序盤だけハマーンが登場。ミネバの姿を確認した後、艦内エレベーターのシーンで唐突に自分の過去をモノローグ形式で語り始めます。表向きはミネバに尽くしているように見せていたハマーンですが、その根底にあったのは、ザビ家への復讐心。サビ家に翻弄された姉の復讐、そしてザビ家を利用して成り上がるために、今日まで彼女は摂政として活動し続けていたのでした。その気になれば1話くらい作れそうな、ハマーンの過去。メチャクチャ大事な要素なのに割とサラっと挿入されたのにはビックリしました。『ΖΖ』の物語は映画『逆襲のシャア』の制作決定により大幅に軌道修正されたというのは有名な話ですが、その影響が今回辺りから出始めているのでしょうか。一方のジュドーたちガンダム・チームは、戦艦アーガマとの合流目指して、砂漠地帯を航行中。ついにその合流ポイントであるメルリル湖に到着します。水浴びをしてつかの間の休息を楽しむ彼らでしたが、それを打ち破るようにオウギュストのドライセン隊がやってくるのでした。オウギュストは部下1人だけを連れている状態でしたが、功を焦ってガンダム・チームとの戦闘を強行。案の定敗走するハメに陥ります。前回アフリカ独立戦線を利用しても勝てなかった相手に、ドライセン2機で挑むのは無理があるって、さすがにわかるだろうに…。
サンドラに逃げ帰る格好になったオウギュストは、グレミーから注意を受けるも、大きな処分を食らうまでには至らず。それは、グレミー不在の間に、彼のある秘密を目撃していたからでした。そのことに気づいたグレミーは、あえて秘密の部屋にオウギュストを連れていき、自分の野望を吐露。オウギュストを試します。これを受けたオウギュストは戦慄し、ハマーンを裏切ってグレミーに従うことを誓いますが…。Aパート後半は、グレミーとオウギュストのやり取りが中心。そして、この一連のシーンにおけるオウギュストの表情やセリフが豊かで、彼の人間性や気持ちの揺れ動きが細かく描写されているのが秀逸です。「ガンダムシリーズ」ではありがちな、数話で退場しちゃう士官ポジションかと思ったオウギュストだけど、今回のこのシーンにより、かつてのゴットン並みの存在感が出てきたような気がしましたね(そういえば、声も同じ戸谷公次さんだ)。そんなオウギュストに対し、グレミーが見せたのは、秘密の部屋にて大量にコールドスリープ状態で安置された子供たちの姿。そこにはプルツーをはじめとする強化人間がおり、グレミーは人工ニュータイプ部隊を作ろうとしていたのでした。のちに登場するプルツーが、今回コールドスリープ状態で初登場。それと同時に、グレミーの壮大な野望が明かされます。数話前からただ者じゃない感じ出し始めてたけど、まさかここまでのこと考えてるとはなぁ。そりゃ、オウギュストもびっくりするよ。最初の頃は、ドジな士官の1人って感じだったのに…。
戦艦アーガマがメルリル湖付近のカラバの基地にいるという情報得たオウギュストは、再びドライセン隊を率いて出撃。今度は万全の態勢で攻撃を開始し、ジムⅢくらいしかモビルスーツ隊がいなかった戦艦アーガマは、あっという間に危機に陥ります。メルリル湖を航行していたガンダム・チームは、ようやく攻撃を受けている戦艦アーガマを発見。すぐさま加勢しようとしますが、ビーチャが勝手にΖΖガンダムに搭乗したことで、一気にフォーメーションが崩れます。ジュドーに負けまいとの気持ちで挑むビーチャでしたが、オウギュストの覚悟はそれ以上で…。戦艦アーガマは、ガンダム・チームとの合流と今後の針路を決めるために、カラバの基地に停泊。そこをオウギュストに狙われます。一応戦艦アーガマの周りにはジムⅢが張っていましたが、ドライセン隊の攻撃の前に、ほとんど抵抗できず次々に大破。ああ、ジムはⅢになってもやられメカかよ…。戦艦アーガマが大ピンチの最中、とうとうガンダム・チームが到着。さあこれから出撃だって時に、ジュドーを差し置いてビーチャがΖΖガンダムで飛び出してしまいます。その後もエルがガンダムMk-Ⅱ、ルーがΖガンダムで飛び出してしまったため、ジュドーはモビルスーツがない格好に。仕方ないので彼は、イーノからベースジャバーを借りて、ビーチャたちを追いかけます。ガンダム・チームがオウギュストに挑もうとするシーンでは、見張りをサボっていたルー、ジュドーを差し置いて出撃するビーチャ、ジュドーのムチャな行動に慌てふためくイーノなど、ガンダム・チームの面々の反応が豊かで、テンポがよくてGood。でも、ルーはやせても枯れても軍人(志願兵)なんだから、見張りをサボるなんて考えられないんじゃあ…。まあ、それだけバテてたってことかな。そんな状態でドライセン隊に挑むガンダム・チームでしたが、オウギュストの気迫と覚悟は、彼らの想像以上。その怒涛の攻撃の前に、ビーチャたちもまたピンチに追い込まれていきます。実はグレミーをも利用して、ネオ・ジオンの中で成り上がろうとしていたオウギュスト。しかし同時に、彼の秘めていた野望に恐怖を感じ、それを振り切るかのように戦いに没頭していきます。冒頭でも紹介している「何がプルツーだ!…」のセリフが、彼のその感情を表していますね。
ようやくベースジャバーで追いついたジュドーは、戦艦アーガマに連絡を取り、無人の百式の射出を依頼。プルの操縦によりそれに近づいたジュドーは、なんとか搭乗することに成功します。その後、オウギュストは百式めがけて襲ってきますが、彼はもはやジュドーの敵ではなく、オウギュストのドライセンは両腕をもがれて大破。断末魔を遺し、オウギュストはメルリル湖上に散るのでした。ΖΖガンダムとΖガンダム、そしてガンダムMk-Ⅱも使えない状態のため、ジュドーは今回百式に搭乗。オウギュストとの戦いに挑みます。百式の活躍シーンは、ジュドーがそれに搭乗するまでの描写はかなり長めに取られているのに対し、オウギュストとの戦いの描写は短め。ジュドーはほとんど苦戦することなくオウギュストを倒してしまいます。百式の戦闘シーンが短めなのは、もちろん尺の都合もあるでしょうが、それよりもオウギュストの無念さと悲哀を表現するためだったんじゃないかと思いますね。ジュドーが搭乗して現れた時は「そんな旧式」と言っていたモビルスーツ(百式)に、あっという間にやられてしまうオウギュスト―。時代と組織を利用して成り上がろうとした男の、憐れな最期でした。
第33話「ダブリンの午後」
1986年10月18日放送
登場した敵他:サンドラ、アリアス・モマのシャトル、バウ
「お前たちが何もしないから、世の中がめちゃくちゃになるんじゃないか!」
STORY:ノルウェーのカラバ基地に行く予定だった俺たちだけど、ブライトの急な方針変更で、イギリスのダブリンへ向かうことになった。表向きはプルの診察のためだけど、その本当の狙いは、そこにある「ブナ屋敷」で、地球連邦軍の高官と会うためだったんだ。ところがあのお偉方、自分のことしか考えてなくて、トラブルを起こしたジュドーとブライトを監禁しちゃった!ネオ・ジオンの攻撃で混乱の最中、ジュドーたちを救った女性。その正体は…!
ファの再登場、そして再会!今回から数話は、ファやカミーユが再び登場し、物語に関わってくるお話。その第1回目である今回は、イギリス・ダブリンを舞台に、ネオ・ジオンのアリアス隊との戦闘、地球連邦軍の腐敗、そしてファとの再会が描かれました。地球連邦軍の高官たちの堕落っぷりが描かれるなどのダークさはありますが、基本的には雰囲気はそこまで暗くなく、ジュドーたちの掛け合いも引き続きテンポよく、序盤の感じが少しずつ戻ってきた印象を受けました。
ノルウェーのカラバ基地に向けて、針路をとっていた戦艦アーガマ。しかしブライトは、思案の末急遽方針を変更。イギリスのダブリンへと針路をとることにします。洗濯物の整理に追われる中で、文句を言うジュドーたちでしたが、ブライトはその真意を彼らには明かしませんでした。一方同じ頃、ネオ・ジオンの基地からは、アリアス・モマ率いる部隊がサンドラに向けて出撃。その道中で偶然戦艦アーガマを発見し、攻撃を仕掛けます。カラバ基地に向かえば補給も受けられるのに、わざわざイギリスのダブリンに寄り道することにしたブライト。表向きは「いい医者がいるのでプルを診せるため」としていましたが、実際はそこにある「ブナ屋敷」にいる、地球連邦軍の高官と接触するためでした。ダブリンは、地球連邦軍の高官が疎開している街。しかし後半の描写から考察するに、彼らを守るための軍事基地等がないうえに、敵味方ともに「ブナ屋敷」の存在は既知の情報のようです。ええ、疎開している意味あんまりなくね…?なお、このブライトたちが艦橋にいるシーンでは、洗濯物の整理に追われるエルたち、森を見てはしゃぐプルたちなど、各キャラクターたちの明るい感じが描写。久しぶりに、序盤の空気が戻ってきた気がしました。一方同じ頃、ネオ・ジオンでは、その基地から1機のシャトルが発進。そこに乗っていったのはアリアス・モマ率いる部隊で、サンドラへの物資輸送任務を帯びていましたが、道中戦艦アーガマを偶然発見したため、積んでいたバウで攻撃に出ます。アリアスはスキンヘッドの軍人。見た目は切れる男に見えますが、ところどころ抜けた描写があるのが面白いです。これも、なんか序盤の敵の雰囲気に似てるなぁ。そんな彼の部隊が、メインで運用しているモビルスーツはバウ。グレミー専用機かと思ってたけど、いつの間にか量産化されていたんですね。
アリアス隊の襲撃をキャッチし、一気に戦闘態勢をとる戦艦アーガマ。プルが勝手にコア・ベースで先行出撃していたこともあり、割と早いタイミングで反撃に出ます。アリアス隊はベースジャバーもない状態で戦艦アーガマに挑んできますが、これに対しジュドーたちは、コアファイター、コア・トップ、コア・ベースで応戦。連係プレーで数機を撃ち落とし、そのままダブリンの丘に着陸するのでした。アリアス隊は、ベースジャバーが不足していたため、そのまま出撃。自由落下の時間中に戦艦アーガマを落とそうとしてきます。短い滞空時間で落とそうだなんて、かなり無謀じゃないか!?でも、この後の戦闘である程度立ち回ってるから、彼らなりに腕に自信があったんだろうなぁ。そんなアリアスのバウ隊に対し、ジュドーたちはコアファイター、コア・トップ、コア・ベースで出撃。プルがジュドーの感情にショックを受けた(ブライトのある発言を受けて、リィナのことを思い出した)ことをきっかけに、コア・ベースで先行出撃していたおかげで、早めに反撃態勢を構築することができ、結果的にバウを数機落とすことに成功します。ジュドーたちはお互い連携を取り、巧みな飛行でバウを翻弄しながら攻撃。これにより、ΖΖガンダムにならずともバウを撃破してみせます。ΖΖガンダムになった方が、火力も高いから楽に倒せたように見えるけど、今回はかたくなに、彼らはΖΖガンダムに合体しませんでしたね。まあ、視界の悪い雲海での戦闘だったから、下手に合体するよりも分離状態で攻撃した方が好都合…だったんでしょうね。
ダブリンに無事着陸したジュドーたちは、プルを病院に連れていくのを兼ねて、街へ買い出しに。しかし、その途中ブライトのことが気になったジュドーは、彼を追うべく引き返します。同じ頃ブライトは、単身でブナ屋敷へ。そこ疎開していた地球連邦軍の高官たちと接触しますが、その怠惰っぷりに愕然とします。そんな中、ブライトを追いかけてきたジュドーが乱入。怒りを爆発させた彼は高官を殴り飛ばし、そのせいで地下の倉庫に閉じこめられるハメに陥ります。ジュドーと別れたビーチャたちは、そのまま街へ直行。イーノがプルのお守りを兼ねて病院に向かい、残りのメンバーは買い出しを行います。このイーノが訪れた病院で働いていたのが、ファ。どうやら、流れに流れ着いて、ここでムリ言って働かせてもらっていたようです。サイド1で行方不明になった彼女が、いつの間に地球へ…?まあこのあたりのことは、次回以降で明かされるのでしょう。同じ頃、ブライトはブナ屋敷の地球連邦軍の高官たちと接触。目先の利益と自分たちのことしか考えていない彼らに驚愕しますが、その時ブライトを追いかけてきたジュドーが乱入。感情を爆発させて高官を殴り飛ばし、そのせいで地下の倉庫に監禁されます。ブナ屋敷にいた高官たちは、サイド3をネオ・ジオンに渡すことで平和条約は締結でき、かつハマーンの行動もおさまるだろうと楽観視。地球圏にまで被害は及ばないと考え、のんびり食事をとる始末でした。やせても枯れてもかつての一年戦争を経験してきたはずなのに、えらく見立てが甘い高官たち。かつてのジオン公国がどんな風だったかを、覚えていないのでしょうか。こんなの見たら、そりゃあジュドーでなくともブチギレますよね。
サンドラに物資を届けたアリアスは、再びバウで隊を率いて出撃。戦艦アーガマがダブリンに着陸していたことを知っていたため、わざと広範囲を攻撃しあぶりだし作戦に出ます。その攻撃の中にはブナ屋敷も入っており、地球連邦軍の高官たちは爆風に巻き込まれて重傷もしくは死亡。閉じ込められていたジュドーたちも、煙が立ち込め窒息寸前に陥ります。ΖガンダムやガンダムMk-Ⅱが応戦する中、ジュドーたちの声を聞き彼らを救出したのは、応援の看護師として現場に駆け付けていたファでした。地球連邦軍の高官たちは、アリアスのバウ隊の攻撃を受けて死亡。先ほどの怠惰っぷりを見せられてからのすぐの死だったので、「あっ、死ぬんだ」って感じでしたね。割とアッサリしてたなぁ。このように高官たちが死に、ブナ屋敷自体も大きな被害を受けたため、脱出のチャンスができたジュドーたち。しかし、出入口である扉は見張りの兵士の死体が邪魔していて開けられず、さらには火災による煙が彼らを襲います。窒息寸前で絶体絶命の彼らを救ったのは、ファでした。ジュドーたちの声に気づいたファは、彼らの救出を敢行。てっきり出入口をこじ開けて救出するのかと思いきや、小さな通風孔に車で体当たりしてムリヤリ穴を作って、そこから救出するという大胆な手法を取ってきました。「ええ、そこから脱出させるの!?」って、ビックリしちゃったよ。そして、今回のこの一件で、ファと再会したジュドーとブライト。ファはなぜここにいるのか?そして、ジュドーたちの運命は?次回へ続きます。
今回はここまで。次回は、第34話から第36話をご紹介予定です。『ガンダムΖΖ』。カミーユは生きてた!…当たり前か。
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☆ガンプラ Pick Up!
『ガンダムΖΖ』に登場したモビルスーツのガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!
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