今回は、『機動戦士Ζガンダム』の感想記事第12回目です。
フォウ再登場!彼女とカミーユの恋の行方は―。今回ご紹介の3話では、以前のVSサイコ・ガンダム戦で登場し、生死不明となっていたフォウが再登場。その再会を喜ぶカミーユでしたが、彼女の変貌そしてこの戦いが、ハッピーエンドを許しませんでした。キリマンジャロを舞台にした戦闘では、アムロも再登場。物語は、3クール目終盤に差し掛かったことでさらに加速していきます。
なお、前回(第31~33話)の感想記事は↓コチラです。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
第34話「宇宙(そら)が呼ぶ声」
1985年10月26日放送
登場した敵他:戦艦ドゴスギア、戦艦グワダン、ハンブラビ、マラサイ
「聞こえる…。とても力のある“意思”が…!」
STORY:度重なる戦闘により、深く傷ついた戦艦アーガマ。限られた補給物資の中で各々が次の戦闘に備える中、レコアだけはその心に深い迷いが生じていた。やがてヤザンによる奇襲攻撃が始まり、カミーユたちパイロットに出撃命令が下る。その時、レコアは何者かの“意思”を感じた。その意思に引きずられ、戦闘にも力が入らないレコア。ヤザンのハンブラビとの戦闘の最中、とうとう彼女の乗るメタスは爆発した。果たして、彼女の運命は―!?
今回のお話は、レコアが主役。彼女のエゥーゴに入る前の経歴が語られる他、戦闘が始まる際に感じた“意思”に惑わされ、それが彼女のティターンズ入りのきっかけにつながっていきます。ここ最近、防戦一方でティターンズにはめられてばかりの戦艦アーガマですが、今回もその状況は変わらず。戦争なので主人公側が連戦連勝とはいかないというのはよくわかるけど、そろそろ一矢報いてほしいなぁ。
戦艦ラーディッシュからの補給を受けたものの、依然苦しい状態の戦艦アーガマ。ウォンがティターンズへの反撃にはやる一方、カミーユたちは落ち着いて次の戦闘への準備を進めていました。その中で、負傷したレコアのことを心配したカミーユは、ファに頼んで様子を見に行ってもらうことに。自らの意思で病院を抜け出し部屋に戻ることにしたレコアは、その中でファに対し、自分の過去を語るのでした。本編開始してまず描写されるのが、苦しい状況の戦艦アーガマ。それでもカミーユたちは文句を言わずに戦闘準備を進めますが、ウォンだけは周囲に当たり散らしていました。ここ最近作戦とかがうまくいってないのはわかるけどさ、だからってメカマンに当たっても解決しないでしょうに…。なお、この格納庫でのシーンはカミーユとアストナージの会話に割と時間が割かれており、その内容は、戦艦アーガマにいるメインキャラたちの関係性等を説明するようなものに。物語の登場人物もかなり増えてきて複雑になってきたし、ここで一度整理しようという意味合いだったのでしょうか。そしてこの後、ファはカミーユに頼まれてレコアのもとへ。まだ本調子ではないレコアでしたが、自分の強い意思で病院から抜け出し自室へ。その道中、彼女はファに自分の過去を語ります。一年戦争時に両親を亡くしたレコアは、その後ゲリラに身をやつして第一線で活躍。終戦後地球連邦軍に入隊しますが、ここは自分の居場所ではないと感じ、やがてエゥーゴに身を置くようになっていました。両親の死以降、自ら進んで危険な現場に出向くことが多くなったというレコア。後半での彼女の気付きなどから考えるに、本能的に自分の死に場所を探していたのでしょうか―。
戦艦グワダンと行動を共にしつつ、戦艦アーガマの動きを注視していた戦艦ドゴスギア。シロッコはしばらく様子見の方針を取っていましたが、ヤザンの意思を汲み、彼の部隊への出撃を許可します。許可を得たヤザンには、ある作戦がありました。一方、そのヤザン隊の攻撃を確認した戦艦アーガマは、すぐさまパイロットたちに出撃を命令。その中で、レコアだけ一歩行動が遅れていきます。シロッコの方針に対して、やんわりと反発する態度を見せた、今回のヤザン。シロッコは最初こそ彼を思いとどまらせようとしますが、その後すぐに一転して出撃を許可します。ここでシロッコがヤザンの出撃を許可したのは、彼に対するあきらめ(多分シロッコがこのまま思いとどまらせても出撃しちゃう)よりも、その考え方を通じてさらに自分自身に引き込もうという魂胆があったのでしょう。あれだけ好戦的だったヤザンが、じょじょにシロッコに対して従順になっていくさまは、ある種の戦慄すら感じさせました。そんなヤザンは、ハンブラビとマラサイ数機を率いて出撃。その敵の接近に気づいた戦艦アーガマは、すぐさま戦闘態勢を構築します。その中でパイロットたちにも出撃命令が下りますが、レコアだけはその直前に何者かの意思を感じ、常に行動が一歩遅れていくのでした。何者かの強い意思を感じ、動けなくなるレコア。彼女は最初シロッコの存在がその原因かと考えていましたが、実際は…。
ヤザン隊に対して、カミーユのΖガンダム、クワトロ=シャアの百式、エマのガンダムMk-Ⅱ、レコアのメタスが出撃。ヤザン隊を迎え撃っていきます。やがてその背後にもマラサイの部隊がいることを確認したブライトは、カミーユとクワトロ=シャアに偵察を指示。しかし、実際にそこにあったのは、ダミー人形でした。ヤザンの作戦にはまり、Ζガンダムと百式を一時的に失った戦艦アーガマは、窮地に立たされます。今回のヤザンは、割と真正面から戦艦アーガマを攻撃。Ζガンダムたちはそれに応戦していき、やがてヤザンの背後に10機近くのマラサイの部隊がいることを発見。Ζガンダムと百式が偵察に向かいますが、これこそヤザンの作戦でした。戦艦アーガマを落とすにはΖガンダムが何よりの障害であると考えていたヤザンは、Ζガンダムやほかのモビルスーツを引き離すために、マラサイのダミー人形を設置。これに気を取られているスキに、手薄になった戦艦アーガマの防衛ラインを突破し、落とそうという作戦を立てていました。実際この作戦はけっこういいところまで行き、戦艦アーガマは複数の防衛ラインを突破されてしまうハメに。カミーユたちがダミー人形に気づくタイミングが少しでも遅れていたら、戦艦アーガマは本当に落とされていたことでしょう。それにしても、モビルスーツ型のダミー人形も、『Ζガンダム』の世界では開発されているんですね。今までダミー隕石は何回も登場していましたが、モビルスーツのダミー人形は今回が初登場でした。
Ζガンダムたちが戻ってきたことにより、撤退を決断するヤザン。しかし、そんな彼のハンブラビに、レコアのメタスが食らいついてきます。その並々ならぬ渦巻いた感情を感じ取ったヤザンは戦慄。対するレコアも、この瞬間に何者かの意思の正体を自分なりに理解します。やがてメタスは破壊され、レコアは宇宙空間でヤザンに回収されることに。しかし、その事実を知らないカミーユたちはレコアを戦死したものだと思い込み、涙するのでした。終盤では、レコアとヤザンの一騎討ちが最大の見どころ。と言っても、レコアは何者かの意思を感じ取ったせいで思うように動けず、ヤザンも無抵抗なメタスを前にして、その中に渦巻く環状に戦慄して攻撃を躊躇しており、一騎討ちなのにあまり戦わないという異様な戦闘シーンになっています。この戦いの中でレコアは、自分が今回感じた何者かの意思は、ヤザンの闘争心であると理解。自らヤザンに接触しようとします。これに対し、ヤザンはメタスを破壊。投げ出されたレコアを回収するのでした。シロッコに会って以降、さらに自ら危険を求めるようになったレコア。そんな彼女にとって、ヤザンの闘争心は何か協調するところがあり、それが「何者かの意思」として、彼女を引き寄せたのでしょう。そんな彼女は、メタスを破壊された際にヤザンに回収されることに。それを目撃していないカミーユたちは、レコアが戦死したと思い込みます。「あなたがもっと優しくしていれば」として、クワトロ=シャアにつらく当たるカミーユ。その目には涙が浮かんでおり、以下にレコアの死が彼に衝撃的だったかがよくわかります。まあ、クワトロ=シャアが優しくしたとしても、危険を求めていた彼女は、遅かれ早かれこうした事態を招いてたと思うけどね…。
第35話「キリマンジャロの嵐」
1985年11月2日放送
登場した敵他:戦艦アレキサンドリア、サイコ・ガンダム、バーザム、ハンブラビ、ハイザック、マラサイ
「強化人間なら、外的な要因で戦闘を強要されているだけなんだ!治してあげれば済むんです!」
STORY:ドック艦ラビアンローズで、修理を受けた戦艦アーガマ。彼らの挑む次なる戦いは、カラバのキリマンジャロ攻略作戦だった。宇宙からの攻撃支援に当たるカミーユたちだったが、途中百式が引力に引かれたことにより、カミーユとクワトロ=シャアはキリマンジャロに降り立つことになる。サイコ・ガンダムが猛威を振るう中、偶然発見した、ティターンズの基地の秘密の入口。潜入する彼らが目撃したのは、死んだと思われていたフォウだった!
今回と次回は、フォウ&サイコ・ガンダムの再登場編。第20話で生死不明となった彼女でしたが、実は生存しており、その後もティターンズの強化人間の実験台にされていたことが明かされます。「ティターンズの基地があるキリマンジャロ攻略戦」を舞台としていることもあり、戦闘シーンもハデで多め。後半では、過剰な実験により自我を失いかけているフォウの狂気も描かれていました。
ドック艦ラビアンローズにて、ようやくまともな修理を受けることができた戦艦アーガマ。地球圏に来ていたことにより、カラバのキリマンジャロ攻略戦に協力することになります。準備を進めるブライトたちでしたが、カミーユは何とも言えない苛立ちを抱えていました。一方、ティターンズもカラバの作戦に気づいていないはずもなく、宇宙の戦艦アレキサンドリアと協力し、応戦の準備をしていました。久しぶりに、元通りになった戦艦アーガマ。今まで口うるさかったウォンもいったん降りることになり、新たな作戦実行前ながら、ブライトとクワトロ=シャアの間には穏やかな空気が流れます。雑談に興じる彼らの姿が、ちょっとほっこりさせてGood。今まではいつも張り詰めた空気の中で会話することが多かったからなぁ。こうしたやり取りを経て、戦艦アーガマが参加することになったのが、カラバのキリマンジャロ攻略戦。カミーユたちの役割は、軌道上での攻撃支援と宇宙から攻めてくる敵の食い止めにとどまるものでしたが、これにカミーユが猛反発します。Aパート前半では、表には出さないもののイライラしているカミーユ。その原因は、レコアの死と、フォウがいるかもしれないのに地球に降りられないというもどかしさでした。カミーユがイラついているのは頻繁にあるのでさほど珍しくはないですが、今回の冒頭にハロの故障をきっかけとしたシンタとクムとの会話シーンを挿入しているのが、お話のテンポをよくすると同時にカミーユの別の一面を引き出していて面白いです。そっけない態度を取ることが多いカミーユですが、決して子供などに優しさがないわけではないんですよね、彼は。
地球軌道に入り、カラバの支援を行おうとする戦艦アーガマ。しかし、それよりも早く、キリマンジャロからのミサイル攻撃と、戦艦アレキサンドリアからのヤザン隊の攻撃が彼らを襲います。カミーユのΖガンダム、クワトロ=シャアの百式、ネモ複数機が出撃しますが、ヤザン隊はハナからターゲットをΖガンダムに絞っており、ウミヘビ作戦にはまったΖガンダムは大ピンチに。これは百式によって救われますが、攻撃を食らった百式はコントロールを失い、地球へ落下していきます。戦艦アーガマは上述の通り後方支援がその役割だったため、大きな戦いには巻き込まれないはず。しかし、思いのほかキリマンジャロと戦艦アレキサンドリアからの攻撃が早く始まったため、カミーユたちは地球軌道につくや否やいきなり戦闘に入ることになります。Aパート後半では、Ζガンダムの宇宙での戦いが描写。敵として立ちはだかるヤザンは、ハンブラビの他、新モビルスーツ:バーザムを引き連れて挑んできます。今回初登場のバーザムですが、位置づけはハイザックの上位互換のモビルスーツという扱いなのか、そんなに強くはない印象。デザインはハンブラビより圧倒的にカッコいいのになぁ…。そんなヤザン隊は、ネモの相手をバーザムにまかし、自身はウミヘビ作戦でΖガンダムを追いこみます。ウミヘビ作戦は、ヨーヨーのようにロープ付きの小型武器を放ち、Ζガンダムをからめとって動きを封じる作戦。第33話と似たような作戦だけど、ヤザンってこういう攻撃が好きなのか?これによりピンチに陥るΖガンダムでしたが、それを救ったのが百式。しかし、途中で武器がボディに当たり、その当たり所が悪くコントロールを失って地球の引力に引っ張られてしまうことに。Ζガンダムはこれを救うべく地球へ向かいます。「フォウに会いたいあまりカミーユが無茶をする」などではなく、こうした形でカミーユとクワトロ=シャアが地球に行くことになるという展開にしたのは、構成として上手いなと感じました。
地球にやってきたカミーユとクワトロ=シャアが目撃したのは、キリマンジャロで繰り広げられる、カラバとティターンズの激戦。上空でサイコ・ガンダムが浮遊しているのを見たカミーユは、フォウが生きているのではないかと思い始めます。やがてクワトロ=シャアの機転により、彼らはティターンズの基地に潜入することに成功。そこで行われていたのは、フォウを実験台にした新たなサイコ・ガンダムの操縦テストでした。カラバとティターンズは想像以上に激しい戦いを繰り広げており、規模的には『ガンダム』のジャブローでの攻防なみの大きさ。その戦闘の激しさとあわせて、「カラバにこれだけの戦力があったのか!」と二重に驚きました。でも、キリマンジャロの地形が変わっちゃうほどの爆撃をするのはどうなのよ?まあ、「こんなところに基地を作るティターンズが悪い」と言えなくもないけどさぁ…。そんな戦いを潜り抜け、カミーユとクワトロ=シャアは戦況を確認すべくキリマンジャロに降下。そこで彼らは、浮遊するサイコ・ガンダムと、キリマンジャロの基地への侵入口を発見します。クワトロ=シャアは、キリマンジャロのふもとに凍っていない湖を発見。「凍っていない=ティターンズが水源として使用しているのではないか」と考えた彼は、その底で排水溝を発見。そこから潜入します。カミーユたちが潜入したこの基地は、どうやらニュータイプ研究所の一面も持っているらしく、フォウはその実験台として起用。サイコ・ガンダムの遠隔操縦実験が行われており、彼女はそれにより激しく体力を消耗していました。前回の次回予告などから「フォウがここにいるんだろうな」とは容易に予測がつくのですが、そこに至るまでの過程が丁寧。「サイコ・ガンダムからフォウの強い気配が感じられない」・「基地に入っていくにつれカミーユが強い波動を感じる」・「シャアが「過去に似た経験(おそらくララァのこと)をしたことがある」と発言する」など、様々なにおわせを行っています。
フォウの実験室から出てきたジャミトフと鉢合わせしたカミーユたちは、彼を攻撃しようとするも、逆にその罠にはまってしまうことに。しかし、フォウが実験室から出たことにより、何とか脱出に成功します。しかし、フォウは実験の影響からかほぼ自我を失っている状態。カミーユは彼女を正気に戻そうとするもかなわず、いったん撤退するのでした。ティターンズのボスであるジャミトフと、偶然遭遇するカミーユたち。ということは、ジャミトフたちってこの時点までカミーユたちの潜入に全く気付いてなかったのか、監視カメラもなさそうだし、基地の警備ザルすぎるでしょ…。しかし、ここですぐにやられるジャミトフではなく、彼はうまくカミーユたちを追い込んでフォウの実験室に拘束することに成功。ところがフォウが勝手にこの実験室から出てしまったことにより、それがカミーユたちの脱出を許すことになってしまいます。カミーユとフォウの再会。それを喜ぶカミーユでしたが、フォウは自身の記憶を失い自我も失いかけているようであり、まるで引き込まれるように戦闘に身を投じていきます。Bパート後半で目立つのは、フォウの狂気。それに対するカミーユの悲し気な反応が、悲しさを引き立てています。フォウはサイコ・ガンダムに乗り込み、カラバを攻撃。その攻撃の激化により、カミーユたちはアムロのもとへ一時撤退します。廃人寸前になったフォウを、カミーユは救うことができるのか?次回へ続く―。
第36話「永遠のフォウ」
1985年11月9日放送
登場した敵他:サイコ・ガンダム、ハイザック、バイアラン
「フォウ?こんなのウソだろ…、目を開けてくれよ。フォウ!」
STORY:クワトロ=シャアらがキリマンジャロの最終攻略に入ろうとする中、フォウを救いたいカミーユは、独断で基地に潜入。自分との記憶を取り戻していたフォウと再会する。ジェリドの妨害などを乗り越えて基地からの脱出を図る2人だったが、時同じくして始まったカラバの攻撃が、彼女の中にある戦闘人形の人格を呼び覚ます。再び起動してしまうサイコ・ガンダム。必死に説得を図るカミーユだったが、そこにジェリドのバイアランが現れて…。
キリマンジャロ攻略戦の完結と、フォウの死が描かれるお話。Aパートにおいてカミーユとフォウの仲の良いさまが描かれる分、Bパートからの彼女の豹変とその死のインパクトがものすごく、視聴者に強烈な印象を与えます。全体的な雰囲気やその構成は良いのですが、ところどころツッコミどころがあるのも特徴。でも、それが逆にいい息抜き(?)にもなっており、結果的にはバランスの良い一編に仕上がっているように感じました。
一度撤退し、態勢を立て直していたカミーユたちとアムロたち。アウドムラと合流できない中、アムロは現在ある戦力でキリマンジャロを叩こうと進言しますが、クワトロ=シャアは慎重でした。そんな中で、キリマンジャロ攻略よりもフォウの救出を優先したいカミーユは、独断で基地に潜入。その中で、ようやく正気を取り戻したフォウと再会します。彼女との時間を過ごすカミーユでしたが、ところどころで違和感を覚えていました。母艦ともいえるアウドムラと連絡が取れないのであれば、慎重になるクワトロ=シャアの反応が自然。しかし一方で、アムロは珍しく攻撃を断行しようとします。「カラバにはキリマンジャロを落とすだけの戦力がある」といったニュアンスのことを豪語するアムロ。彼がこうした意見を述べるのは珍しい気がしますね。クワトロ=シャアたちがこうして作戦を考える中、カミーユだけは単独で行動。勝手にキリマンジャロの基地へ再び潜入し、そこでフォウと再会します。前回とは違い正気に戻った彼女との再会を喜ぶカミーユですが、同時に違和感を覚えていました。前回は、まるでネオホンコンでの記憶も消されたのかという勢いで戦闘人形と化していたフォウ。しかし、今回のAパートはそのネオホンコン時代のような本来の性格を取り戻しています。なぜこれだけ性格が急変したのか明確には語られていませんでしたが、後述する彼女の常用している薬や、彼女の中に同居している戦闘人形としての人格が収まっていたなどが、その原因なのでしょうか。カミーユは割とすんなりとフォウと再会し、彼女の部屋へ。その時、違和感を覚えるのでした。フォウの部屋に、監視カメラが1つもないことを不審に思うカミーユ。この時点ではかなり意味ありげに描写されていましたが、結局その事情は…特に明かされてなかったなぁ。
部屋で過ごしているうちに、突然苦しみだしたフォウ。彼女は常用している薬を飲みますが、量が足りず、医務室へカミーユと共に向かいます。しかし、途中でカミーユの正体がバレた上に、偶然キリマンジャロの基地に来ていたジェリドが介入。医務室は混乱に陥りますが、なんとかカミーユたちは脱出に成功します。外では既に、カラバによるキリマンジャロへの攻撃が再開されていました。部屋で楽しげな時間を過ごす、カミーユとフォウ。ここでカミーユは、彼女への最初の質問として「記憶は取り戻せたのか?」と問い、それがフォウの頭痛を引き起こします。よりによって、なんで彼女にとって一番の地雷な質問をするんだよ!カミーユは悪気があったわけではなさそうだけど、これが逆にタチ悪いなぁ。その後、フォウの頭痛はどんどん悪化。常用している薬の量も足りず、医務室へ向かいます。ここでカミーユは、フォウを心配して医務室へ同行。彼の気持ちはよくわかりますが、いや君潜入してる立場だよ?なんでそんな正体がバレるような行動をとるんだよ…。これだけでも結構なツッコミどころですが、医務室を訪れた際、ナミカーをはじめとするティターンズの職員たちもしばらくカミーユの正体に全く気付いてないのが、さらにツッコミどころ。ここまで来るとちょっと笑えてきます。とはいえ、カミーユの正体がこのままバレないわけもなく、すぐに騒ぎになってしまうことに。そこにジェリドがやってきて、カミーユの射殺を図ります。しかしこれは、フォウの機転により阻止され、カミーユたちは脱出を果たすのでした。今回は要所要所で、偶然この基地で治療を受けていた(第30話での負傷の影響)ジェリドがカミーユたちを妨害。それ自体はいいのですが、病室を出た際にカミーユたちを目撃するという驚異のエンカウント率を見せた上に、松葉杖をついている状態でかなりの機敏な動きをしています。これにもちょっとクスッとさせられました。
カラバの爆撃の中、ひたすら逃げ続けるカミーユとフォウ。途中ジェリドの妨害が再び入りますが、今度はカミーユのおかげでそれを回避します。しかし、逃亡を続けるにつれフォウの様子が変化。戦闘人形としての人格が出始め、それが彼女をサイコ・ガンダムへと搭乗させます。やがてクワトロ=シャアは、ようやくカミーユを発見。カミーユはΖガンダムに乗り込み、説得を試みます。再び戦場と化したキリマンジャロを走り続ける、カミーユとフォウ。ここで再びジェリドが現れます。このジェリド再登場シーンがまた面白く、先述の通り松葉杖状態にも関わらず華麗にジープを走らせて登場。しかしカミーユの背負い投げを食らい、かなりハデに崖下に転落していきます。カミーユの居場所を知っていたんじゃないかと思えるくらいのスピーディーな到着もさることながら、その割にはカミーユにかなりメタメタにやられてるのがツッコミどころ。しかも、かなり崖下に転落したにもかかわらず、奇跡的に軽傷で済んでいます。とんでもない行動力と生命力だな、ジェリド。あんたある意味ニュータイプだよ…。一方、ジェリドの再襲撃を回避し、このままフォウとエゥーゴの拠点へ逃げようとしていたカミーユ。しかし、じょじょにフォウの様子に異変が生じ、やがて前回登場時のような戦闘人形の人格に戻ってしまいます。性格が急変してしまったフォウ。おそらく、このキリマンジャロという戦場が、彼女の戦闘人形としての人格を呼び覚ましたのでしょう。
カミーユの説得もむなしく、サイコ・ガンダムは暴れまわり、やがてジャミトフの脱出のために発射台付近へ。カラバはキリマンジャロの基地の破壊には成功したものの、ジャミトフの脱出を許してしまいます。残ったサイコ・ガンダムは再びΖガンダムと戦いますが、そんな中ジェリドの乗る試作モビルスーツ:バイアランが介入。彼の手によりサイコ・ガンダムは破壊され、フォウは戦死してしまいます。フォウの死に慟哭するカミーユを、クワトロ=シャアとアムロは、ただそっとアウドムラに帰還させることしかできませんでした。崖下からはいつくばって生還したジェリドは、格納庫に戻り試作中のバイアランにムリヤリ搭乗。Ζガンダムとサイコ・ガンダムの戦いに介入し、Ζガンダムをかばったサイコ・ガンダムを破壊します。フォウの命を奪ったのは、彼女自身でもカミーユでもなく、ジェリド。これはなかなかよく考えられた展開だなぁと思います。ジェリドは今まで、ライラやマウアーなど、自分にとって恋人のような大事な人をカミーユに殺されてきた男。そのジェリドが、カミーユにとって恋人のような大事な人であるフォウを殺す―。今までとは立場が逆転しており、強い因果を感じるシーンになっていました。この後のカミーユの慟哭も、これまた印象に残るシーンになってたなぁ。そんなカミーユの姿を見て、最低限のことしかできなかったのがクワトロ=シャアとアムロ。彼らはお互い、7年前の過ち(=ララァの死)を経験しているはずなのに、今回のような悲劇を回避しきれなかったんですよね―。
アウドムラに戻ったカミーユたち。ここで彼は、クワトロ=シャアに対し一言述べます。それはカミーユ、そしてクワトロ=シャアの、新たな決意と一歩を表すものでした。
カミーユ「僕はもう、あなたのことをクワトロ大尉とは呼びませんよ。あなたは、シャア・アズナブルに戻らなくてはいけないんです。」
シャア「…そうだな、カミーユ。」
今回はここまで。次回は、第37話から第39話をご紹介予定です。『機動戦士Ζガンダム』。君は、刻(とき)の涙を見る―。
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☆ガンプラ Pick Up!
『Ζガンダム』に登場したモビルスーツのガンプラの一部を、ピックアップしてみよう!
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