唐突な初代マン最終回オマージュ
いろいろと、巻きこんじまって、すまなかったな。あっ、こういう時、地球ではなんて言うんだ?えっと…ウルトラ寂しい気持ちでいっぱいでございます…。『ウルトラマンZ(ゼット)』の物語も、いよいよクライマックスへ。最終回前編となる今回は、ラスボス怪獣であるデストルドスの登場、そして追い詰められていくゼットおよびハルキたちの姿が描かれることになりました。
デストルドスは、そのルックスや物語の展開から、ウルトロイドゼロがベースとなった怪獣であることはなんとなく予想がついていましたが、その搭乗者がまさかのヨウコ(セレブロ憑依済み)であるというおまけつき。様々な意味で戦いづらい怪獣という設定になっていました。セレブロやジャグラス ジャグラーの目的は相次いで明かされたけど、ここから同物語を完結させるんだろう…!?
なお、前回(第23話)の感想記事は、↓コチラです
bongore-asterisk.hatenablog.jp
◎ストーリー面
ゼットの2度にわたる敗北、セレブロとジャグラーの目的の判明、そしてデストルドスの登場と追い詰められるハルキたち人類…と、様々な要素てんこ盛りだった今回のお話。わずか30分、しかも次回で最終回という状況下で、これだけのものを無理なく詰め込み描き切っていたのは、まさに驚異的といえるでしょう。ああ、次回の展開が待ち遠しすぎるよ!
前回、ヘビクラ隊長の正体がジャグラーだと知ったゼット=ハルキ。その時セレブロの憑依したクリヤマ長官のファイブキングが、彼らに襲い掛かります。エネルギーが切れかけのゼットの一方で、ジャグラーはゼッパンドンに変身して応戦。一度はいいところまで追い詰めますが、ハルキを実質的に人質に取られたことでスキが生まれ、敗北してしまいます。その後、ハルキが目覚めたのは病室のベッドの上でした。今回は序盤から怪獣同士の戦闘が展開。ゼッパンドンVSファイブキングという、どちらも過去作ではウルトラマンたちを前後編にわたって苦しめた、ビッグネームどうしの戦闘が繰り広げられました。詳細は後述しますが、迫力ある戦闘が展開されてたよなぁ。この戦いの中で、ジャグラーの目的が判明。『オーブ オリジンサーガ』での経験をもとに、「正義の危うさ」を思い知らせるためでした。相変わらず口は達者なジャグラーですが、いざウルトロイドゼロを入手できるって時にハルキを人質に取られ、無視するという選択肢もあったのに救おうとしたのがポイント。悪役だけど悪役になり切れない、彼のキャラクター性が出ていました。ジャグラー、『オーブ』で出始めの頃は変態紳士みたいな感じだったけど、ここまで魅力的なキャラに成長するとはなぁ。
バコさんの誘いで、ドライブに出かけたハルキ。しかし同じ頃、地球防衛軍内ではヨウコがセレブロに憑依され、ウルトロイドゼロを強奪。世界各地の防衛軍監視下の怪獣を襲っていました。そしてとうとう、その矛先はかつてゼットと相まみえたレッドキングへ。すべてを知ったハルキは、ステッグから飛び出しゼットへと変身するのでした。ウルトロイドゼロを見つめるヨウコの横に立ち、「自分の目的は文明破壊だ」と語るクリヤマ長官=セレブロ。「えらく唐突な正体バレ来たな…」と思いましたが、まさかこの直後ヨウコに憑依して自らウルトロイドゼロで出撃するとは思ってもみませんでしたね。ここからデストルドスになって直接暴れまわるのはかなりリスクがあると思うけど、きっとゼット含めて絶対に負けない自信があったからなんだろうなぁ。そんなウルトロイドゼロは、世界各国で暴れまわり、怪獣の力を吸収。ハルキとは因縁深い、レッドキングをも手にかけようとしていました。ウルトロイドゼロの襲撃描写として、北海道の室別(架空の地名)のシーンが挿入。防衛隊員の阿鼻叫喚と断末魔はなかなか悲惨でしたが、同時にかつて防衛隊が普通にあった頃の「ウルトラシリーズ」の最終回間際っぽさを強く感じました。こうした事態をステッグの無線で知った、ハルキとバコさん。ハルキはいてもたってもいられなくなり、無理を言ってステッグから飛び出していきます。ハルキの様子や語気から、すべてを悟った様子のバコさん。ハルキ=ゼットと察するにはいささか急すぎる気もしましたが、グッとくるシーンでした。
ハルキはゼット アルファエッジに変身し、レッドキングの卵を守りながらデストルドスに応戦。しかしその力は圧倒的で、ベータスマッシュにチェンジしても力負けするほどでした。ベリアルメダルがない今、ガンマフューチャーにすべてを賭けたゼットですが、その超能力をもってしても完敗。D4レイの前に倒れてしまいます。ゼットの決断で彼と実質的に別れることになったハルキ。再び目覚めた彼の周りにいた人々は…。ベリアルメダルがセレブロに奪われているため、ゼットは初期3タイプでデストルドスに応戦。それぞれの見せ場はきちんと用意されていましたが、デストルドスの力には及びませんでした。ガンマフューチャーの敗北は衝撃的だったなぁ。TDGの力をもってしても勝てなかったか…。この戦いで深く傷ついたゼットは、ハルキを救うためもう変身しないことを決意。目覚めたハルキの周りにいたのは、離散したはずのストレイジのメンバーたちでした。大真面目な雰囲気からアツい展開へとつながるいいシーンなのですが、ゼットとの別離シーンで初代マン最終回のオマージュやりだしたのには笑っちゃったな。あまりにも露骨だったからさ…。
◎特撮面
ウルトロイドゼロとデストルドスの脅威、ゼットの敗北と、衝撃的&ショッキングな特撮描写が連続した今回。激しい戦いの連続だったため、爆発やCG合成などの特撮も盛りだくさんでしたが、見ていてつらいものがありました。でもやっぱり…特撮パート良かったなぁ。
ジャグラーのゼッパンドンと、セレブロのファイブキングによる、ウルトロイドゼロをめぐる壮絶なバトル!エネルギー切れ寸前のためゼットがほとんど介入できない状態の中、一度は勝利したかに見えたジャグラーでしたが、その優しさ(というべきか)が、一転敗北を呼ぶのでした。ゼッパンドンとファイブキングの戦闘シーンは、CG合成による攻撃シーンが中心。火薬による爆発も多用されていましたが、大爆発のシーンは、わざと遠目から撮ることで「多く火薬を使わなくても大爆発しているように見える」という演出がなされており、この表現には唸らされました。ちなみに、ハルキがこの後ベリアルメダルを奪われてしまう関係で、今回のデルタライズクローの活躍シーンはここのみ。なんか、置いてけぼり感MAXでかわいそうだったな。仕方ないけど。
ヨウコに憑依したセレブロは、ウルトロイドゼロを強奪し、世界各国の監視下にある怪獣を襲撃。日本もその例外ではなく、北海道の室別地区が襲撃を受けてしまいます。っそしてレッドキングの監視区域でレッドキングが倒された直後、ようやくゼット アルファエッジが駆け付けるのでした。室別の襲撃シーンでは、防衛隊の総力戦具合と、それをものともしないウルトロイドゼロの脅威が、破壊描写とともに表現されていてGood。展開的に、見ていて気持ちのいいシーンではないけどね…。そしてこの後、ウルトロイドゼロはレッドキングを襲撃。レッドキングが倒されるシーンは、一瞬骨のようになってから消失する表現になっており、なかなか攻めた描写だなと感じました。
ウルトロイドゼロは、吸収した怪獣の力でデストルドスへと変身。これに挑むゼットですが、アルファエッジ、ベータスマッシュの力ではほとんど歯が立ちません。ガンマフューチャーに変身しTDGの力を使って巻き返しを図りますが、それでも力及ばず、ゼットはD4レイの前に文字通り砕け散るのでした。ゼットのやられシーンが続く後半の戦闘パートですが、各タイプのアクションとしての見せ場はしっかりと確保。宙返りして爆発を回避するアルファエッジ、真っ向からパワー勝負を挑むベータスマッシュ、そしてTDGの力で応戦するガンマフューチャーと、各タイプの特性と傾向がしっかり描かれていました。ガンマフューチャーは超能力攻撃のオンパレードだけでなく、TDGを一斉召喚して必殺技を放つ技も披露。ゼペリオン光線・ソルジェント光線・フォトンストリームの一斉発射となりましたが…、それでもデストルドスには勝てないのかよ…!
デストルドスの前にゼットは倒れ、各国の防衛軍は壊滅した。ハルキたちに残された手段は、防衛軍内に残された特空機しかない。デストルドスを倒すため、ヨウコを救うため、最後の戦いに打って出る!そして決死のゼットへの変身!ハルキたちは、勝利をつかめるのか!?次回のウルトラ最終回を、見逃すな!
次回はとうとう最終回!セブンガーを除く特空機も総登場し、ゼットも復活しそうです。次回予告だけでもわくわくが止まりませんが、きっと更なるサプライズが用意されているんだろうなぁ…!!
そんな第25話(終)の感想記事は、↓コチラだ!
bongore-asterisk.hatenablog.jp
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