お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説』ちょっとした感想

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「おまんら、許さんぜよ!」今回は、1986年放送の「スケバン刑事シリーズ」第2作・『スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説』のレビューです。

 

前作『スケバン刑事』の人気を受け制作された、シリーズ第2作。世間一般でいう「『スケバン刑事』といえばこれ!」という世界観やキャラクターを確立した、あまりにも有名な作品でもあります。前作に比べると敵の規模もキャラクターの数も大幅に大きくなったor増えた形ですが、きちんと原作にあった要素をベースにして作られているのが、興味深いところです。

 

なお、前作(『スケバン刑事』)の記事は↓コチラです。

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

※今回の記事も、全て敬称略でお送りします。

 

 

 

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STORY:「鉄仮面に顔を奪われ、十(とお)と七歳(とせ)、生まれの証さえ立たんこの私(あてぇ)が、何の因果かマッポの手先!けんどなぁ、こんな私でも、愛することの尊さは忘れちょらんき!!」初代スケバン刑事麻宮サキが生死不明となって以降、全国各地の高校は荒廃の一途をたどり、やがて青狼会という組織が生まれ、「ウルフ・レボリューション」と称して、全国の高校支配と国家転覆を狙い水面下で動き始めていた。いち早くそのことを察知した暗闇指令(長門裕之)は、2代目スケバン刑事となりうる人材を探していたが、これがなかなか見つからない。そんな中、エージェントの1人である西脇(蟹江敬三)が連れてきたのは、高知県に住む鉄仮面少女:五代陽子(南野陽子)だった。自分の出生の秘密を知るべく、2代目スケバン刑事の任を引き受けた彼女は、やがて雪乃(吉沢秋絵)やビー玉のお京(相楽ハル子)などの仲間を得て、青狼会に立ち向かっていく。青狼会の真の目的とは何か?そして、陽子の出生の秘密とは―?

 

前作と本作について大きく違う点は、お話全体を通した縦軸の物語も意識して構成されている点。1つ1つのお話を観ていくと、前作以上に単発形式のドラマ作りになっていますが、青狼会の陰謀や狙い、バックにいる謎の存在(=鎌倉の老人)、そして青狼会のトップである影の総統と陽子の関係性など、敵味方共にかなりの謎がちりばめられており、それがストーリーをより面白くしてくれています。1クールごとに陽子たちにかなりのピンチが降りかかるような構成にもなっており、敵味方の優勢・劣勢の描き方も、いい塩梅に仕上がっていると思います。

 

ただ、上記の謎たちの明かし方に、割とお話上で偏りがあったのは残念なところ。こういった謎は当然終盤になって解明されるのがほとんどですが、「えっ、そんなアッサリバラしちゃっていいの?」という感じの明かし方もあり、若干もったいない印象もありました。

 

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キャラクター面においては、メインキャラが1人から3人に増えたことにより、前作よりもにぎやかになった感じ。主役の陽子、マジメな優等生タイプの雪乃、明るくイケイケなタイプのお京と、各々の性格等もきちんと描き分けられており、それによりお話のバリエーションも増えました。

 

これら3人のキャラに対して、エージェントである西脇のキャラが全く負けていないのが、素晴らしいところ。お話上における描き方もそうですが、何より蟹江さんの演技により、西脇という人間の魅力が倍増しているように思います。普段はさえない教師として潜伏しているが、仕事となれば優秀なエージェントに早変わり―。設定としてはそれほど珍しくはありませんが、蟹江さんの巧みとしか言いようがない演技のし分けが、その“ギャップ”を引き立たせてくれています。

 

ストーリー面については、上述の通り縦軸も意識した物語であり、前作に比べるとドラマとしての魅力もアップ。ただ、1年間ドラマを持たせるというノウハウが確立されていなかったからか、中盤になると本筋とはほとんど関係ないお話が入ってくるなど、1話1話を持たせるのに苦労しているのかなと感じるところもありました。まあ、それが逆にお話のバリエーションをより豊かにしてくれているんですけどね。

 

登場する敵たちも、当初は前作と同じく学生や身体を鍛えた大人たちなどでしたが、終盤になると、明らかに常人を超越しているような能力を持つキャラクターが登場。メインキャストたちは後年「だんだん何と戦っているかよくわからなくなってきた」と語っていますが、なるほどその感想はよくわかります。だって、誰が入ってるかもわからない西洋の騎士の甲冑とか、妖術使いとかが敵として出てくるんだよ。もう普通の人が手に負えるような相手じゃないよ…。

 

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そんな『Ⅱ』の結末は、影の総統等の主要キャラの犠牲を出したものの、陽子側のメインキャラたちは存命。陽子は「早乙女志織」という本名とその記憶を取り戻し、戦いに勝って、もとの梁山高校での学生生活に戻るという、割とハッピーな結末。ラストは、彼女がスケバン刑事としての任を解かれて、純粋な一女子高生としてその生活を楽しむ姿が描かれます。次作『Ⅲ』につながるフォーマットを確立しつつ、それほど暗くもなく、かといって明るすぎないストーリー展開…。これらの要素こそ、本作が「スケバン刑事シリーズ」の代表作となった要因と言えるのではないでしょうか。

 

 

 

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陽子たちの活躍で、青狼会、ひいては鎌倉の老人の野望は潰えた。平和を取り戻し、それぞれの未来に進み始めたかに見えた彼女たちの生活だったが、1人の青年との出会いが、彼女たちを戦いの世界へと引き戻す―!

 

…というわけで次週は、本作の映画版である『劇場版 スケバン刑事を取り上げることにしましょう!

bongore-asterisk.hatenablog.jp

 

 

 

 

 

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