今回は、1990年～1998年まで放送されたロボットアニメシリーズ：「勇者シリーズ」の総括感想記事です。
ロボットアニメでありながら、ロボットを単なる機械や道具ではなく、人間とほぼ同じ「キャラクター」として描いた本シリーズ。このシリーズが長期にわたって放送され、今もなお人気が高いのは、ロボットアニメというカテゴリーの中で、そうしたロボットアニメらしくない要素も両立しドラマを作っていたからだと言えるでしょう。
「勇者シリーズ」の魅力は、なんといっても登場キャラクターたちの個性。上述の通りメインで登場する人間たちだけでなく、ロボットたちにも“人格”を与えてキャラ付けを行い（一部例外はありますが）、彼らどうしを巻き込んでドラマを作っているのが、他のロボットアニメとは一線を画したつくりになっています。
「ロボットにも人格があり、生き物と同等に描いている」というのは、「勇者シリーズ」のベースとなった『トランスフォーマー』でも生かされている要素ですが、「勇者シリーズ」はこれをさらに発展させ、「人間とロボットどうしの絆」、そして「日本のロボットアニメらしいアツさ」をミックスさせていることが、シリーズとしての面白さにつながっていたように感じます。
そして、お話の作りがあくまでも子供でもわかる作劇とし、ロボットのメインモチーフも子供たちが憧れたり、身近にある存在にしたりするなど、「メイン視聴者である子供を重視したつくり」になっているのも魅力的。「子供番組だから当たり前じゃないか」と思われるかもしれませんが、8年にもわたってシリーズを続け、その中で貫き通し続けたのは驚異的だと感じます。ハナから大人向けとして、作られたOVA『ダグオン』や同『ガオガイガー FINAL』は別ですが、純粋なTVシリーズについては『ガオガイガー』でも「子供重視のつくり」はなんとか貫徹し続けていたと思いますね。
基本的にはアツくストレートなお話づくりながら、その中で様々な変化球を混ぜて、独自のカテゴリーを作り上げたといえる「勇者シリーズ」。「J9シリーズ」ほどではありませんが、このシリーズもまた、ロボットアニメというカテゴリーながら、ロボットアニメっぽくないつくりでもあるなと感じます。
なので、ロボットアニメにアレルギーを感じている方でも（かつて私もそうでした）、楽しんで観ることができるシリーズだと言えるでしょう。まあ、全部合わせて350話以上あるから、シリーズ完走にはかなり時間がかかると思うけど…。ちなみに私は、コツコツ観続けて約1年半かかりました。
私が個人的に特に「好きだ！」と感じた作品は、『太陽の勇者ファイバード』・『勇者警察ジェイデッカー』・『勇者指令ダグオン』ですね。でも、他の作品にもそれぞれ魅力があるし、甲乙つけがたいなぁ…。
2018年2月16日の『ジェイデッカー』第1回目投稿から始まり、約2年8か月にわたって毎週金曜日に投稿（ブログ移転のため更新できなかった1週を除く）してきた「勇者シリーズ」の感想記事。もとから長期投稿になるのは覚悟の上で始めましたが、それも今回でとうとう完結です。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
既に次に取り上げる“ネタ”も決まっているのですが、今年も残すところ今週含めてあと10週。というわけで、その“ネタ”については来年年始（2021年1月8日）から始めることとし、それまではつなぎ企画として、来週からは、以前全く別の記事でもちらっと触れた、「スケバン刑事シリーズ」の各作品レビューを投稿していくこととします。作品数的にも、ちょうど年末あたりでスパッと全部終わるほどの数ですからね。
bongore-asterisk.hatenablog.jp
それでは、次週から始まる「スケバン刑事シリーズ」のレビューも、お楽しみに！
bongore-asterisk.hatenablog.jp
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