お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『伝説の勇者ダ・ガーン』ちょっとした感想 Legend-14(第41~43話)

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今回は、伝説の勇者ダ・ガーン』の感想記事第14回目です。

 

星史の両親である、浩一郎と美鈴。今回ご紹介の3話では、星史自身とともに彼らがその戦いに各々関わることになり、それがドラマを生み出していました。特に、第42話における浩一郎の一時的な生死不明からの、第43話の展開は見事。観る者をアツくさせる、素晴らしいドラマがそこにはありましたね。

 

いつもは毎週金曜日に更新している「勇者シリーズ」の感想記事ですが、今回も先週に続き1日遅れの投稿。今週は事前に予約投稿で遅れることないようにしようとしてたんだけど(普段から基本的にそうしている)、それすらする前に力尽きちゃったよ…。

 

 

 

 

第41話「大接近!オーボス星」

1992年12月5日放送
登場した敵他:シアン円盤形態、戦闘円盤

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「打つべき手は打っておきたいのです。軍隊は、戦わないことが一番の任務ですから。」


STORY:地球防衛機構軍に誘導される形で、はるばるオーストラリアの本部までやって来た星史たち。しかし、その道中では生き物たちの異常行動が頻発しており、彼らに嫌な予感を与えていた。やがて本部についた星史たちは、防衛機構軍から再度協力を申し込まれることに。当初は乗り気だった星史だが、ブッチョが起こした騒動をきっかけに再び仲違いしてしまう。このまま防衛機構軍との協力関係は結べないのか?高杉大佐の、驚くべき決断とは!


オーボスとの最終決戦も間近に迫っているため、今回はその準備段階として、星史たち勇者側と浩一郎たち地球防衛機構軍側の、協力関係を結ぶにあたっての交渉が中心に描かれたお話に。戦闘シーンは終盤にちょこっとしかなく、その分星史と浩一郎のやり取りが濃密に描かれていました。そして、今回も浩一郎の英断が炸裂。彼、星史が言うように、本当に立派な軍人やで…。


前回、地球防衛機構軍と再度接触を果たした星史たち。彼らは防衛機構軍の要請に従い、そのままオーストラリアの本部へ向かうことになります。海上を航行する星史たちは、ビッグランダーの電話を使って、つくしに連絡を取って美鈴たちに無事を報告。とりあえずひと段落する彼らでしたが、たびたび目撃される生物たちの異常行動を見逃してはいませんでした。オーボス星が接近しており、それを倒すにはダ・ガーンたちの協力が不可欠と考えた、地球防衛機構軍。彼らは再び星史たちと接触を図り、星史たちはこれに応じて防衛機構軍の本部に行くことになります。ダ・ガーンたちとの協力の必要性をもうプッシュしたのは、星史の父である浩一郎。彼もそろそろ、星史たちの正体に気づくのかなぁ。そのまま、防衛機構軍の先導で海上を航行しながら現地へ向かう星史たち。彼らは生物たちの異常行動を多数を目撃し、何かこれからよからぬことが起きようとしていることを直感します。彼らが目撃した異常行動は、海を渡る蝶たちや、異常なほど興奮したイルカたちなど。地球の生き物たちがおびえている=地球自身がおびえている、つまり、地球に危機が迫っているということなんですね。そんな中、思いついたように日本のつくしに連絡を取るひかる。彼女は自分たちの無事と最低限のことだけ報告し、そのまま通信を切ってしまいます。ああ、そういえば、彼らにとってはまだ「星史たちはブッチョに誘拐された」と思ったままだったからね…。


オーストラリアの本部につくと、自己紹介をしたのちに、エアーズロックへと案内される星史たち。そこは防衛機構軍が発見したプラネットエナジー開放点であり、オーボス軍に見つからないよう、慎重に調査が進められていました。そして、そこでも生物の異常行動を目撃した星史は、異変が迫りつつあることを確信。同じ頃、オーボスの接近にビビりきったブッチョは、なんとかして螢とともに逃亡しようとしていました。防衛機構軍が星史たちをわざわざオーストラリアの本部まで連れてきたのは、自分たちが発見したプラネットエナジー開放点が、その地下にあったため。地下深くまで掘られた坑道を通りそれを目の当たりにした星史たちは、その直後コウモリの群れと遭遇するのでした。坑道に入る前の自己紹介の際、星史を自分の家来だと紹介しようとしてツッコまれるヤンチャー。お前、まだ星史のことそんな風に思ってたのか…?その後、彼らが目撃したのが、防衛機構軍が発見したというプラネットエナジー開放点。それは防衛機構軍が、かつてばら撒かれたレッドロンアイなどの情報をもとに解析し、探し出したものでした。第27話頃では、レッドロンアイが何なのかすらわかっていなかった防衛機構軍。当時の星史との接触を経てその機能を理解した防衛機構軍は、その後も調査を続け、ようやくプラネットエナジー開放点を発見するまでに至ったようです。そういえば、かつてレッドロンアイが保管されていた倉庫があったのも、ここオーストラリアの本部だったよなぁ。そして、この前後で星史たちが遭遇していたのがコウモリの群れ。異常ともいうべき数のコウモリが一気に坑道から脱出を図っていたことから、星史は地球に危機が迫っていることを確信します。このシーンでは、久々に星史と浩一郎の剣道の技を見せるシーンが挿入。浩一郎はこんな時でもオヤジギャグ言うのね…。


坑道から戻ってきた星史たちは、会議室に通され、いよいよ協力関係を結ぶべく本格的な交渉へ。ところがその最中、ブッチョがひと騒動を起こしたせいで交渉は一時中断。おまけにそれをきっかけに星史たちと防衛機構軍の関係は悪化し、再び協力関係の締結は破棄されそうになります。それを止めたのは…!せっかく会議がスムーズに進み、「さあいよいよ協力関係を結ぶぞ!」って時に、騒動を起こしてしまったブッチョ。彼はオーボスを恐れるあまり単独で逃げ出し、本部内で軍人たちに見つかり包囲されてしまっていました。タイミング悪すぎるぜ、まったく!星史は螢の言葉を受け入れてブッチョを守ろうとしますが、防衛機構軍はブッチョがオーボス軍であったことを知っており、引き渡しを要求。さらに彼らは、星史たちの正体まで詮索し始め、これを機にどんどん両者の関係は悪化していきます。「ブッチョを何としてでも引き渡せ」と強烈に迫り、さらに「協力関係になるのだから、隠し事はよくない」として、星史たちに正体を明かせと迫ってくる防衛機構軍。第27話に続き、防衛機構軍が“厄介な大人たち”として描かれています。大人目線から見れば、防衛機構軍の言っていることもよくわかるんだけどね…。でも、やっぱり強行しすぎな感じはあるよねぇ。これに怒った星史たちは、会議室から退室しようとしますが、それを引き留めたのが浩一郎。彼は星史たちを諭したうえに、オーボスと和平交渉をするために自らオーボス星に乗り込むという、突拍子もない作戦を提案します。このシーンにおける浩一郎の目、そしてセリフはガチのマジ。立派な軍人として描かれており、私もほれぼれしてしまいました。「軍隊は、戦わないことが一番の任務ですから!」ってセリフ、カッコよすぎるよなぁ!


浩一郎の言葉に心打たれた星史たちでしたが、そこへシアン率いる戦闘円盤軍団が出現。直ちに星史たちはグレートダ・ガーンGXに乗り込み、反撃を開始します。しかし、シアンの真の狙いはグレートダ・ガーンGXの誘拐にありました。星史は浩一郎を救出してコクピットに乗せますが、なんと浩一郎は、このままシアンの捕虜になってオーボス星へ行こうと提案します。終盤のシーンで、申し訳程度に戦闘シーンが挿入。今回シアンがあまり攻めてこなかったのは、彼の狙いがグレートダ・ガーンGXの誘拐にあったからでした。浩一郎を救出していたため、当然脱出を図る星史でしたが、浩一郎はなんとそれを拒否。むしろこれはオーボス星へ向かう絶好の機会だとして、そのまま捕らわれの身となってオーボス星へ行こうと言い出します。彼の本気を感じ取った星史は、わざとグレートダ・ガーンGXに抵抗しないよう命令し、そのままシアンとともにオーボス星へ向かうのでした。この浩一郎の決断、吉と出るか、それとも凶と出るか―!?

 

 

 

第42話「出現!伝説の力」

1992年12月12日放送
登場した敵他:キラードールディオーラ(レディー・ピンキー配下)、戦闘円盤

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「時間と空間を超えた営みこそ、宇宙の法則だ!星の数だけ、命の数だけ宇宙はある!」


STORY:地球で異常気象が頻発していた頃、シアンの捕虜となる形で、オーボス星に乗り込んだ星史たち。星史はハッタリをかまして交渉しようとするも失敗しかけるが、そこに浩一郎も加勢し、見事オーボスを引きずり出すことに成功する。彼らと初めて対面したオーボスが語る、伝説の力を求める理由とは何か?オーボス星周辺でセブンチェンジャーたちの激闘が繰り広げられる中、浩一郎とオーボスの考え方が激突する。そして、浩一郎は―!


前回、シアンに拘束されたことを利用し、オーボス星に乗り込むことに成功する星史と浩一郎。今回は、そんな彼らがいよいよオーボスとの対面を果たし、オーボスが伝説の力を狙う理由が明かされることになります。オーボスの身勝手すぎる理由に対し、それを真っ向から否定し、論破してみせる浩一郎。今回は浩一郎自身のカッコよさ、そして星史との親子愛を見せられた、とても濃密なお話でした。


オーボス星接近に伴い、異常気象が頻発する地球。星史と浩一郎の身を案じた美鈴は、単身オーストラリアの地球防衛機構軍本部へ向かうことにします。一方、シアンによってグレートダ・ガーンGXごと誘拐された星史たちは、そのままオーボス星の中に着陸。グレートダ・ガーンGXは拘束されてしまいますが、まずは星史がシアンとビオレッツェとの直接交渉に臨みます。オーボス星が近づくにつれて、あちこちで高潮や突風が巻き起こる地球。星が近づくことでこういったことが起きるということは、オーボス星自身がかなりのパワー(負のオーラと言うべきか?)を持っているということでしょうか。それとも、単に引力の関係か?そして、そんなオーボス星へ乗り込んだのが、星史と浩一郎。グレートダ・ガーンGXごとやって来た彼らは、まずはシアンとビオレッツェと遭遇。何とかしてオーボスを引きずり出すために、半ばハッタリをかましてまずは星史が交渉に臨みます。交渉に臨む直前、カエルとオタマジャクシのたとえ話を唐突に語り始める浩一郎。後半の展開を考えると、彼はこの時点で星史の正体に気づいていたんでしょうね。その後展開される、星史による交渉のシーンは、星史側がかなり苦しい立場に。「自分たちを倒すと伝説の力は発動しなくなるぞ」と言って見せたはいいものの、自分たち自身も伝説の力についてあまりよく知らないため、しどろもどろな回答になってしまいます。ビオレッツェにまであきれられてしまう、星史の回答。しかしここでの彼の回答が、単なる口から出まかせではなく、地球の歴史に関連付けて語るなど、ちゃんと30話台後半で彼自身が得た知識や考え方をもとに話している点には注目させられましたね。


星史がシアンの攻撃に苦しめられる中、自らも外に出ることを決意した浩一郎。彼は持ち前の巧みな話術で、ビオレッツェをあきれさせてしまったものの、オーボスを引きずり出すことに成功します。一方、地球に残っていたセブンチェンジャーとビッグランダーは、残るセイバーズなどの勇者たちを招集。そのままオーボス星へ向かいますが、レディー・ピンキーのキラードールディオーラと、レッドロンのレッドガイストが立ちはだかります。登場するや否や、いきなり宮本武蔵の言葉を語りだし、「何を言っているんだ」という反応をするビオレッツェに対しては、「そんなことも知らないとは無知なヤツだ」として、完全に話のペースを自分側に引き寄せていく浩一郎。一見するとふざけているように見えますが、相手の注意を自分に引き付け、話を聞かせようという方向にもっていっているのが巧みです。その後、唐突にピースサインをして「指をくっつけると伝説の力が発動する」と言ってみせる浩一郎。ビオレッツェはハッタリだとして信じようとしませんでしたが、これに対し浩一郎が指をくっつけた際は少しビビったような態度に。しかし当然伝説の力が発動することはなく、ビオレッツェは強気な態度に出ようとしますが、浩一郎はそれを全く意に介さず、「ハッタリではない、冗談だ」として、完全にビオレッツェたちを手玉に取ってしまうのでした。さすが、自分から交渉の道を提案しただけあって、この後の浩一郎の話っぷりは素晴らしい。しかも、これがオーボスにウケて彼が出てくるのですから、いやもうびっくりしました。そして、ここで見逃してはならないのが、登場直前のオーボスの笑い声を聞いた際のビオレッツェの反応。「下品な笑い声」と表現していたことから、彼がオーボスとほとんど会ったことがないことが窺えます。でもおかしいな、何回か通信はしているはずだから、声を知らないってことはないはずだけど…。


ひかるたちが星史たちの無事を地球から祈る中、ついにオーボスと初対面する星史と浩一郎。彼らはオーボスが伝説の力を狙う理由を訊きだし、その身勝手さに愕然とします。浩一郎は臆することなくオーボスに反論して見せますが、オーボスは途中で撤収。星史たちは、再びシアンの攻撃に苦しめられることになるのでした。現れたオーボスが語った、伝説の力を狙う理由。それは、その力を使って何か成し遂げようとかそういった目的ではなく、ただ単に自分の余生の暇つぶしのためでした。宇宙のあらゆる星を破壊したりなどする中で、あらゆることを経験してきたオーボス。そんな彼が唯一体験できていなかったのが伝説の力であり、彼はその発見を唯一の楽しみとして、ひたすら伝説の力を探し続けていました。ラスボスの目的がまさかの「暇つぶし」だということには驚き。こういうタイプの敵って宇宙征服などを目的としていることが多いですが、オーボスにとってはこの宇宙自体が自分のものであることは当然かつ宇宙の真理であると認識しているため、そういったことを目的にはしていなかったんですね。オーボスの語るその理由に愕然とする星史でしたが、それに対し浩一郎は真っ向から反論。宇宙は命の連続によって生み出されてきたものであり、ゆえに「星の数だけ、命の数だけ宇宙はある!」として、オーボスの主張を論破してみせます。このシーンの浩一郎、前回以上にカッコよかったなぁ。ここだけ見ると、もう彼が主役だよ…。


浩一郎の発言の後に、オーボスは一度撤収。代わりにシアンが星史たちを拘束し、伝説の力のありかを訊きだそうとします。力を振り絞って拘束を解いたグレートダ・ガーンGXは、星史の救出には成功。浩一郎は星史に地球の命運を託し、脱出するよう促します。星史が地球を、そして浩一郎を救いたいと願った時、地球から一筋の光がオーボス星に向かって照射。それは戦闘円盤軍団を殲滅したうえにピンキーとレッドロンを撤退に追い込み、グレートダ・ガーンGXをオーボス星から救い出したのでした。シアンは初めて、円盤形態から西洋のドラゴンのような竜形態へと変身。星史たちを拘束して苦しめます。しかし、グレートダ・ガーンGXと浩一郎の活躍で、星史だけは脱出に成功するのでした。なんとしてでも浩一郎を助け出そうとする星史に対し、彼の名を呼んで地球の命運を託し、先に脱出するよう促す浩一郎。浩一郎が勇者たちの隊長が自分の息子であることに気づいており、そして彼に地球の未来を託すというこの構図が、もう涙を誘いますね。素晴らしいシーンでした。その後星史はグレートダ・ガーンGXの中に戻りますが、1人では浩一郎を救えず、絶叫。その彼の思いが地球へ通じたのか、一筋の光が地球からオーボス星へとはなたれ、一時的にですが戦局をひっくり返します。ヤンチャー曰く、この時の光は「伝説の光」。伝説の力とはまた別のもののようですが、関連する力のようです。ということは、本来の伝説の力の発動は近いということか―!

 

 

 

第43話「隊長、命令を!」

1992年12月19日放送
登場した敵他:キラードールゴルチェス(レディー・ピンキー配下)

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「何が地球を守る勇者だ。何が伝説の力だ。父さん1人助けられなくて、何が伝説の力だ!」


STORY:浩一郎の尽力もあり、命からがら地球へ帰還した星史。しかし彼の心は浩一郎を救えなかった後悔で支配されており、完全に戦意を喪失していた。同じ頃、レディー・ピンキーはダ・ガーンたちを倒すべく最後の作戦に出、さらにビオレッツェはオーボスの真の姿を目撃する。緑ヶ浜がキラードール:ゴルチェスの攻撃にさらされてもなお、戦うことに恐怖する星史。その時、美鈴がとった行動とは?再び立ち上がれ星史!街を、そして地球を守るんだ!


浩一郎を救えなかったことによる星史の葛藤とそこからの立ち直り、そして美鈴に対する正体バレと親子愛の再確認、さらにはオーボスの正体を目撃したことによるビオレッツェたちの心情変化など、敵味方共に見逃せない展開が盛り込まれまくったお話。特に、星史の正体が美鈴にバレるシーンは、「勇者シリーズ」内における正体バレの中でも傑作シーンになっていると感じました。脚本担当の川崎ヒロユキさんのセンスが光りまくりでしたね。


前回、浩一郎の助けにより、オーボス星から奇跡の生還を果たした星史。しかし、彼の心は浩一郎を救えなかった後悔、そして自責の念でいっぱいであり、とても戦える状況ではありませんでした。一方、オーボスの態度に疑義を抱きつつあるビオレッツェは、オーボス星内で、仮面をかぶった見慣れぬ女性と遭遇。たまたまぶつかったことにより仮面の下の素顔を見たビオレッツェは、驚愕するのでした。本編が始まってからしばらくは、星史のセリフはほとんどなし。代わりにダ・ガーンたち勇者が、星史に対する接し方を議論するという形で、彼の心情等を表現しています。ここで特にいいキャラしているのがビッグランダー。「俺も張り切ったら伝説の力が発動するんじゃないか?」と言いだしてエンジン全開にしたときは、クスりとさせられました。しかし、そんな彼らの会話を聞いても、黙って表情ひとつ変えない星史。普段は快活な彼がこんな状態なのですから、いかに彼が前回の件でショックを受けたかがよくわかりますね。同じ頃、オーボス星内にいたビオレッツェは、オーボスの自分に対する接し方が雑になっていることに、疑問を抱くように。それについて考えている途中、ある女性と接触しますが、その正体は、変わり果てたレディー・ピンキーでした。前回辺りから、時々仮面をかぶるようになっていたピンキー。その理由は、老いた本当の顔を隠すため。彼女の美貌と若さはオーボスからの力によって保たれていましたが、オーボス星が傷ついたことでその力が弱まり、本来の老婆の姿に戻ってしまっていました。このシーンの時点では、まだピンキーの本当の顔は明かされず。その代わりビオレッツェの驚きの表情がよく描写されており、その衝撃度が伝わってきます。


何とか日本に帰ってきた星史たち。ひかるは夕食を作って星史を元気づけようとしますが、彼はそれに手を付けず、そのまま公園へ向かってしまいます。やがて、その公園で、自分の思いをぶちまける星史。それを陰からたまたま目撃していた美鈴は、星史の正体を初めて知るのでした。一方ビオレッツェは、オーボスに上申すべく、直接彼の部屋を目指すことに。星の中をさまよってようやくたどり着きますが、そこで彼はオーボスの真の姿を見、絶望するほど驚くのでした。なんとか星史を元気づけようと努力するひかるたちですが、それでも暗い顔のままの星史。彼は夜の公園で、ひかるとヤンチャーに対して自分の気持ちを吐露します。訳も分からず勇者たちの隊長となり、今までがむしゃらに戦ってきた星史。しかし、今回の戦いで初めて自分から近しい人(浩一郎)を失ったことにより、半ば自暴自棄になっていました。「父さん1人助けられなくて、何が伝説の力だ!」と叫び、ダイレクターを地面に投げつける星史。ここで彼が自分の本信をヤンチャーたちに伝えたのもそうですが、ダイレクターを投げつけた彼の行為に対し、あえて何も言わないヤンチャーたちにも注目させられました。この後すぐにひかるは星史を激励しますが、彼の行為が終わるまで黙ってそれを見届けているあたり、彼らのやさしさ、星史に対する思いが現れているように感じました。そして、この一連の流れを偶然目撃していたのが美鈴。これにより彼女は、星史の正体を知ります。これこそが、後半の展開につながっていくんだよなぁ。一方、ビオレッツェは、オーボスの正体を目撃。オーボスの正体自体は明確に描写されていませんが、ビオレッツェのセリフやその様子などから、その容姿が「この宇宙で一番強くて、賢くて、美しい」姿からかけ離れていることが窺えます。


オーボス星を守り、自分の容姿を守るため、ダ・ガーンたちを倒す最後の作戦に出るピンキー。彼女は今までの戦闘データを分析し、攻撃目標を緑ヶ浜に設定し、キラードール:ゴルチェスで出撃します。同じ頃、星史は公園から帰宅。先に帰宅し晩ご飯の支度をしている美鈴と話す中で、彼女が自分の正体に気づいていることを知り、今まで抱え込んできた気持ちを正直に吐き出します。2人が泣きながら抱き合う中、ピンキーの攻撃が開始されるのでした。星史が自宅に帰ってきてからの、美鈴とのやり取りのシーンこそ、今回最大の見どころであり、『ダ・ガーン』の中でもトップクラスの名シーン。カレーを作っていた美鈴は、この直前に星史の正体を知ったため、今まで以上に母親らしく彼に接しようとし、その際星史の苦労に気づけなかったことを悔やむような発言をします。これに対し星史は、彼女が自分の正体に気づいていることを察し、今までの戦いの中でのつらかった気持などを吐き出すのでした。星史や美鈴に「自分が隊長です」や「星史が隊長だったのか」と言ったことを言わせずに、お互いが察し合いながらセリフを選び、それに親子愛を絡めて表現しているのがGood。上述した通り、「勇者シリーズ」の主人公の正体バレのシーンの中でもトップクラスの出来栄えだったと感じましたね。そして、美鈴に対して思いを語る中で、「失うのが怖いんだ」と発言する星史。彼が本当に恐れていたのは、オーボスの力などではなく、戦いの最中、自分の大切な人や物を失うことでした。これに対し、美鈴は「今度は自分が星史を守る番だ」と言ったものの、その直後ピンキーの攻撃が始まり、窓ガラスが破壊されることに。これを見た星史は、再び戦うことを決意します。自分の大切な人、そして街を守るため―!


玄関を出た星史を待っていたのは、ダイレクターを持ったひかる。星史は彼女からそれを受け取ると、ただちにダ・ガーンたちに戦闘を命令、先に現場に向かっていたセブンチェンジャーと合流します。一気にグレートダ・ガーンGX、ペガサスセイバー、ランドバイソンに合体した勇者は、激しい戦闘を繰り広げますが、ピンキーには一歩及ばず。そんな時シアンが現れ、彼がゴルチェスを破壊したことにより戦闘は唐突に終わります。ゴルチェスの爆発に巻き込まれ、負傷するピンキー。彼女を救ったのは―。美鈴とのやり取りの結果、戦意を取り戻した星史。ここで彼が玄関を出ると、彼が復活するのを信じて待っていたひかるが、ダイレクターを持って待っているのがいいですよね~。その後、グレートダ・ガーンGXたちによりゴルチェスとの戦いが繰り広げられますが、ゴルチェスは思いのほか強く、彼らは拘束されてしまった上に、地球を半分破壊できるという爆弾まで積んでいることが判明。打つ手なしかと思われましたが、この戦闘を終わらせたのはなんとシアンでした。地球の伝説の力を狙うオーボスにとっては、ピンキーの今回の行為は完全に作戦から外れた勝手な行為。それゆえシアンが派遣され、彼女の作戦を止めたのでしょう。シアンの攻撃の影響で傷ついた彼女でしたが、それを救ったのはなんとビオレッツェ。あれぇ?なんだか2人がちょっといい雰囲気になってきたな…。

 

 

 

 

 

今回はここまで。次回は第43話から第46話(終)をご紹介予定です。『伝説の勇者ダ・ガーン』。隊長は、俺だいっ!!

 

 

 

 

 

◎今日の勇者ソング◎

今日ご紹介するのは、1992年放送の伝説の勇者ダ・ガーン』EDテーマ「ハレルヤ・パパイヤ」です。

 

登場人物が笑顔で登場したり、途中で皆で踊りだしたりなど、かなり明るめの曲でかつ『ダ・ガーン』のEDテーマである本曲。映像中にはOPと同じく山本ピンク(レディ・ピンキー)が登場していることから、『ダ・ガーン』の主要キャラのほとんどは第1話時点でデザインまで完成していたことが窺えます。

 

歌詞は一見(一聴?)すると楽しげで単純なものに見えますが、よく聴くとなかなか深いことを言っているようにも感じます。両親にあれこれ言われても自由に生きたい(というとちょっと大げさですが)、子供のその心が歌われてるんですよね~。

 

 

 


Brave Fighter of Legend Da-Garn OST 1 Tracks 28-30

 

 

 

 

 

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