今回は、『勇者警察ジェイデッカー』の感想記事第9回目。とうとう物語も後半戦に突入することになりました
勇太たちブレイブポリスに、史上最大の試練が訪れる!今回からご紹介のお話はちょうど夏休み期間中に放送されたお話であり、衝撃の展開が連続する、非常にハラハラさせられるお話が続きます。いや~、子供向けアニメとしてはかなりハードな展開だと感じましたね
なお、前回(第22~24話)の感想記事は↓コチラです。
第25話「デッカード殉職」
1994年7月23日放送
登場した敵他:ビクティム・オーランド/軍事ロボ:チーフテンⅠ・Ⅱの製造
「勇太、心をくれてありがとう。」
STORY:今日は、勇太とデッカードが出会ってちょうど1年の記念パーティーの日。かつてのデッカードの製造工場で楽しむ勇太たちだったが、その裏では大きな犯罪が動き出そうとしていた。かつて、カゲロウ事件に関与したエクセレント社が、ついに心を持った軍事ロボット:「チーフテン」を2体開発。シャドウ丸もガンマックスもやられてしまう。出動したデッカードたちだったが、追い詰められた末、チーフテンの剣が無残にもデッカードを貫いて…。
初放送時は、今回から夏休み期間のはず。それもあってか、デッカード死亡、新ブレイブポリス:デュークの登場、今後さらに待ち受ける大きな展開など、第29話のファイヤージェイデッカー登場まで怒涛の展開の連続となります。あれだけ大破したデッカード、いったいどうやって復活するんだろう!?
勇太とデッカードが出会って、ちょうど1年の今日。彼らは仲間たちを呼んで、かつてのデッカード製造工場で盛大なパーティーを開催します。勇太はあるプレゼントをデッカードに用意していましたが、結局なかなか渡せなくて―。別任務にあたるシャドウ丸、待機命令を受けたドリルボーイ・ガンマックスを除くブレイブポリス、そしてレギュラー・準レギュラーメンバーが全員出席したパーティー。みんな思い思いの時間を過ごし、楽しみます。単なる歓談シーンというわけではなく、きちんと過去に出た要素のその後が描かれていたり(君塚綾子のブレイブポリスルポの完成等)するなど、見逃せない点も多くありますね。勇太はデッカードに対し、自分の描いた絵をプレゼントしようとしますが、タイミングが悪く渡せずじまい。デッカードは勇太などに対し、心を持たせてくれたことに感謝するような言葉を述べます。ああ、こりゃあ鉄板の死亡フラグだ…
勇太たちがパーティーの最中と同じ頃、冴島総監とシャドウ丸はある重大犯罪の情報を入手。それは、エクセレント社が心を持った軍事ロボットを開発したというものでした。シャドウ丸が捜査のためエクセレント社に急行しますが、時すでに遅し。エクセレント社の軍事ロボ:チーフテンⅠ・Ⅱはエクセレント社を飛び立ち、シャドウ丸・ガンマックスを倒して日本へ向かいます。エクセレント社とは、以前のカゲロウ事件(シャドウ丸初登場回)でチラッと登場した企業。新庄健経由で超AIの技術を入手していましたが、それからわずか3か月で超AIの実用化に成功。驚きの技術力ですが、そこにはエクセレント社のAI技術者であるビクティム・オーランドの力が大きいようです。一般技師には手に負えず「心を持った悪魔」とまで表現されてしまうチーフテンⅠ・Ⅱですが、ビクティムの指示はおとなしく言うことを聞くみたい。その理由は後々明かされるのでしょうか。ビクティムより打倒ブレイブポリス、特にジェイデッカーの抹殺を命じられたチーフテンⅠ・Ⅱは、飛行機を破壊するなどして日本へ直行。途中立ちはだかったシャドウ丸とガンマックもなぎ倒していきます。この時の2人の姿は、痛々しいほど大破。戦闘の激しさを物語っています。しかしとどめを刺さなかったのは、上述したようにジェイデッカーの抹殺が最優先事項だったからでしょうか
ドリルボーイからの緊急コールを受けたブレイブポリスは、全員出動。ジェイデッカーとスーパービルドタイガーに合体してチーフテンⅠ・Ⅱに挑みますが、全ての攻撃がはじき返されて歯が立ちません。チーフテンⅠ・Ⅱの攻撃が直撃し大破したジェイデッカーは分離しますが、デッカードはチーフテンの妨害を受け転倒。剣を腹部に刺され、その機能を停止してしまうのでした。チーフテンⅠ・Ⅱはその装甲もさることながら、胸部のメカにより相手の攻撃を吸収した加える機能もある模様。ジェイバスター・タイガーキャノン・タイガービーム・マックスキャノン等、今までブレイブポリスが使用してきた必殺技がすべて吸収されてしまいます。マックスキャノンは今後も何回か登場しますが、初登場以来2回目の登場である今回でいきなり技を封じられるという、ちょっとかわいそうな展開に。ピンチを演出するためには仕方ないか…。そして、チーフテンの手にかかりその機能を停止し殉職してしまうデッカード。今までこの『ジェイデッカー』を観てきた者にとっては、まさに衝撃のシーンです。死の直前に一瞬だけ映るパーティーの思い出の映像が、悲しさをより強いものにしています
デッカードが殉職し、万事休すかと思われたブレイブポリス。しかしそこへ、金髪の女性と謎の救急車メカが登場します。救急車メカはロボットに変形し、消防車と合体。チーフテンⅡを破壊するのでした。ブレイブポリス最後の追加メンバー:デュークと、その仲間であるレジーナ・アルジーンが、このシーンで初登場。デュークはさらにファイヤーローダーとも合体してデュークファイヤーとなり、その強さを見せてくれます。デュークファイヤー、カッコよすぎる。こんなのズル過ぎるよ…。てっきり登場は次回だと個人的に思っていたデュークとレジーナ。まあ、OPカットに今回から登場してるから、その登場は予測できたといえばそうか…。
第26話「新しいリーダー」
1994年7月30日放送
登場した敵他:ビクティム・オーランド/ガイゾナイト強奪、海上プリズンNo.6の襲撃
ガイゾナイト/サタンジェイデッカーの製造
「私は、私の勇気が君(勇太)のものであることを誇りに思えた。」
STORY:デッカード亡き後、ブレイブポリスに正式に配属されたデューク。しかし、彼と彼の開発者であるレジーナは、その考え方の違いから勇太たちと衝突を起こしてしまう。同じ頃、警視庁からガイゾナイトを強奪したビクティムは、その力を利用し、ジェイデッカーをサタンジェイデッカーへと変化させてしまった。海上プリズンNo.6を襲撃するサタンジェイデッカーを、止められるかブレイブポリス。立ち上がれ勇太、君に勇気がある限り!
前回に続き、エクセレント社のビクティムとの戦いとなった今回。勇太がじょじょにデュークと打ち解けていくさまが描かれる一方、ジェイデッカーがサタンジェイデッカーとなり敵として立ちはだかるというツラい展開も始まります。要所要所では、今まで登場した犯罪者たちもチラッと登場。中にはセリフがある者もおり、ストーリーに関与していきます。
前回現れたデュークファイヤー。チーフテンⅡを倒した後、チーフテンⅠに重傷を負わせます。あと一歩で倒せるといったときに、ガイゾナイトを強奪したビクティムが、それを利用して防衛軍メカをコントロール。デュークファイヤーはチーフテンⅠに逃がしてしまいます。このブレイブポリスとチーフテンⅠ・Ⅱの戦いは生中継されており、かつてブレイブポリスに逮捕された犯罪者が収容されている海上プリズンNo.6でも放送。新庄健を除く囚人たちが、そろいもそろってチーフテンⅠ・Ⅱを応援しているのが少し笑えます。囚人たちの中には確認できるだけでも、ドクトル・ガウス(第1話)、キャトー・ノリヤス(第2話)、ムッシュ・モンドー(第4話)、幾何井田三兄弟(第13話)の姿がありますね。一方同じ中継を見ていた警視庁では、そのスキをつかれビクティムがガイゾナイトを強奪してしまいます。ガイゾナイトは、第3話で登場した隕石生命体。あの事件以来、ずーっと警視庁で保管されていたんですね。強奪の際ビクティムは、警察拳銃を捻じ曲げるなど人間とは思えない怪力を発揮。コイツ、ただの人間じゃないな?
修理を終えてデッカールームに戻ってきたブレイブポリス。そこには、ブレイブポリスのリーダーを自称しデッカードの席に座るデュークの姿がありました。その考え方の違い、そしてデッカードを失った悲しみから、勇太たちはデュークやレジーナと衝突してしまいます。デッカールームになぜかファイヤーローダーまで持ち込んでいるデューク。ジェイローダーの格納庫とかに入れるって発想はなかったのかな?デッカードを失った心の傷は勇太が一番深く、「デッカードの代わりはいらない!」といってデュークを責めたり、レジーナが作ったデュークファイヤーへの合体プログラムも受け取りを拒否したりしてしまいます。感情的になる勇太。それに対してレジーナは異常に冷静で、怒りや涙の心を憎んでいる様子すらうかがえます。なぜ、彼女がここまで怒りと涙に嫌悪感を示すのか?それは次回あたりで判明しそうですね
防衛軍によって回収された、デッカードとジェイローダーの残骸。しかしそれはガイゾナイトに悪用され、サタンジェイデッカーへと変化してしまいます。操られたサタンジェイデッカーは、海上プリズンNo.6を襲撃。ブレイブポリスは囚人たちの救出にあたりますが、サタンジェイデッカーとの戦闘に躊躇してしまいます。ガイゾナイトによって変化させられたジェイデッカー。これ、考え方を変えればガイゾナイトがある程度ジェイデッカーを修復してくれたともいえるんじゃないかな?そのサタンジェイデッカーで海上プリズンNo.6をビクティムが襲撃させた理由は、そこに収監されている新庄を脱獄させ、チーフテンⅠの超AIを完全な悪の心にするため。ビクティムは、チーフテンⅠのⅡに対する相棒を思う気持ちすら、善であり不要と考えている様子。しかしこれに対して新庄はそれを拒否します。悪者どうしの考え方の違いでしょうが、ここで新庄が拒否するとは少し意外でした
ジェイデッカーを救いたいあまり、合体命令が出せない勇太。しかしレジーナからデュークの勇気についての話を聞かされた時、彼は意を決してデュークファイヤーとスーパービルドタイガーへの合体命令を発令。サタンジェイデッカーは取り逃がしてしまったものの、囚人たちを無事救出しました。どのブレイブポリスのメンバーよりも、勇気を持つデューク。そのベースにあるのは、勇太がデッカードに教え、そして教えられた勇気でした。デュークにデッカードの勇気のデータがコピーされているという情報は、実は第24話の総集編回での冴島総監もチラッと発言。それがこんな形で生かされるとはなあ。デュークの勇気が自分の、そしてデッカードのものだと知った勇太は、デュークファイヤーとスーパービルドタイガーにサタンジェイデッカーと戦うよう指示。サタンジェイデッカーは逃亡しますが、勇太はそれを追わせず、囚人たちの救出に専念させました。デッカードと自分の勇気を改めて知った勇太。この時の目つきの変化や、サタンジェイデッカー逃亡時の命令などに、彼の成長を感じ取ることができます。事件が一応決着し、デュークから「君の勇気を持ったことを誇りに思う」と言われる勇太。勇太とデュークも、少し打ち解けてきましたね
第27話「完璧な涙」
1994年8月6日放送
登場した敵他:ビクティム・オーランド/「シンキングソード・断」の製造他
「お嬢ちゃん、じゃあ人間から悪の心を取り去り、善の心だけにできるかね?」
STORY:デッカード殉職以来一睡もしていない勇太、そしてデッカードの敵討ちにはやるビルドチーム。その感情のあまり、勇太は勝気と喧嘩してしまい、ビルドチームは証拠もなしにエクセレント社に乗り込む大失態を犯してしまう。彼らの行動を見て、一層怒りや憎しみを悪の心ととらえるレジーナ。感情の善悪とは一体何なのか?怒りや憎しみは本当に悪なのか?その答えをデュークが探し求める中、チーフテンⅠたちの襲撃がブレイブポリスに迫る!
怒りや憎しみを悪しき心と考える、レジーナとデューク。しかし今回から、その経験や行動により2人の間に少し溝が生まれていきます。そして、サタンジェイデッカーともついに決着。デッカード復活に向けて、希望の光が見えてきました
デッカードが殉職してから、3日。一睡もしていない勇太は冴島総監の命令で家に帰りますが、家を飛び出してしまい勝気たちのもとへ。しかしデッカードのことで言い争いになり喧嘩してしまいます。同じ頃、ブレイブポリスはついにビクティムの情報を入手。しかしデッカードのことを思うあまり、ビルドチームは証拠もなしにエクセレント社に乗り込むという大失態を犯します。デッカードが本当はサタンジェイデッカーになったということは言えず、つい喧嘩になってしまう勇太。普段は暴力などを振るわない彼ですが、今回ばかりは勝気を殴り、鼻血を出させてしまっています。板挟み状態になっているのはツラいとはいえ、ブレイブポリスのボスなのに暴力をふるってしまった―。この時ばかりは、レジーナの言うことが一理あると言えますね。一方ビルドチームは、証拠もなしにエクセレント社の日本支部に乗り込むという大失態。普段なら冷静なマクレーン辺りが止めてくれるはずですが、今回はそうもいきませんでした。よく大きな責任問題にならなかったな…
勇太たちを見て、やはり怒りや憎しみは悪の感情であり、100%の善の心が必要だと認識するレジーナ。収監中の新庄と面会するもその答えを出ず、代わりにデュークに制御装置をつけることでその理想に近づけようとします。レジーナが新庄と面会したのは、彼が超AIの技術者でありビクティムと知人だったため。レジーナの「ロボットを100%善の心にできるか?」という問いに対し、新庄は無理だと答えます。レジーナの質問を受けた際に新庄が一瞬思い出したのは、前回海上プリズンNo.6内でビクティムが言った「ロボットを100%悪の心にしたい」という言葉。この時の心情は、ビクティムもレジーナも、目的は違えど似たようなものだと思ったのでしょう。そして新庄は、レジーナに対して一言言って去っていきます。人間から悪の心を取り去ることはできない。だからこそ、似たような心を持つロボットからも悪の感情を奪うことはできない…。レジーナがそういった悪の感情の存在を受け入れる日は、近々訪れるのでしょうか
翌日、貨物列車の警護任務にあたることになったブレイブポリス。それを狙ってチーフテンⅠとサタンジェイデッカーが襲来し、彼らの新武器によってブレイブポリスは合体不能に陥ります。しかし、あることがきっかけでビルドチームはスーパービルドタイガーへと合体。デュークもその感情に任せ、デュークファイヤーへと合体。チーフテンⅠを倒します。チーフテンⅠが新しく装備していたのは、前回ビクティムが強奪したガイゾナイトによって作られた、「シンキングソード・断」という剣。これの放つ強力な電磁波により、ブレイブポリスは当初合体不能に陥ります。戦闘が続く最中、損傷した貨物列車の中から露出したのは、デッカードの予備の身体。これに刺激を受けたビルドチームは、自らの性能を乗り越えて合体。デュークもそれに負けない気持ちにより、性能を超えてデュークファイヤーへと合体します。最初はレジーナに教えられた通り、怒りや憎しみは悪の感情としてビルドチームに迫っていたデューク。しかし合体に成功したスーパービルドタイガーの姿を見てその理解に迷いが生じ、今回の戦闘では感情のままに合体します。今までレジーナによって否定されていた感情によって、パワーアップしたスーパービルドタイガーを目撃したデューク。怒りや憎しみは悪なのかという疑問が彼の中に生まれ、これがさらなるドラマを引き出します
チーフテンⅠは倒され、サタンジェイデッカーも勇太の呼びかけによりジェイデッカーへと元通り。一方でレジーナとデュークの間に、怒りや憎しみの感情に対する理解の違いが生まれていきます。デュークファイヤーを倒そうとする直前で、勇太の呼びかけに立ち止まるサタンジェイデッカー。それに応じる形で、元のジェイデッカーへと戻ります。超AIが無事であれば、代わりのボディがあるので生き返るはずのデッカード。デッカードの超AIだけを残しサタンジェイデッカーを破壊するのかなと思いましたが、さすがにそこまでムチャなことはしていませんでした。戦いが終わり、今回の一件で怒りや憎しみの感情に対する認識に変化が生まれ始めたデューク。それでもレジーナは、やんわりと彼を抑え込もうとします。すべての怒りや憎しみが、悪い感情ではないはずなのに―リンク
リンク
リンク
リンク
今回はここまで。次回は第28話から第30話をご紹介予定です。『勇者警察ジェイデッカー』。皆ぁ、観てね~!
◎今日の勇者ソング◎
今日ご紹介するのは、2011年発売のCDアルバム「勇者シリーズ20周年記念企画 HARVEST」収録曲「HEART TO HEART」です。
勇者シリーズの各OPテーマをアレンジカバーした楽曲が収録された「HARVEST」。もちろん『ジェイデッカー』の楽曲も収録されていました。
他の曲に比べて、原曲の原型がかなり残っているアレンジになった「HEART TO HEART」。こちらも悪くないと思いますが、やっぱりオリジナル版の方が好きかなぁ。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
Twitterやってます。よろしければ閲覧&フォローの方お願いします