お前それ、ゾフィーにも同じこと言えんの?ver.2.0

主にウルトラマン・仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズなどの特撮関係の話題等を扱っていこうと思います。

『銀河烈風バクシンガー』ちょっとした感想 巻之五(第13~15話)


今回は銀河烈風バクシンガー』感想記事第5回目。いつもなら金曜日の21~23時頃更新ですが、今日は予定があるのでかなり早め(寝る直前)の更新です


ゴーショ・シティを守ったことで、さらにバクーフ内での地位が増す銀河烈風。そんな中、チーム内や敵である新惑星系の連中双方の内部で、新たな展開が起きることにより、バクシンガー』の物語はさらに面白くなっていきます。そしてなんと、今回の紹介記事をもって、TOKYO MXでの『バクシンガー』再放送に追いついたことになりました。





13話「サクラ・ゲイトの変」
1982928日放送

「あれが地球か。夢のようだ…。」
 
 
STORY:ゴーショ・シティを救ったことで、俺たち銀河烈風は憧れの地球へ招かれることになった。士郎の容態が気になりつつも、ディーゴと佐馬が地球へ向かうと、タイロン・イーデンというバクーフ筆頭大臣と親密になる。その直後から活発化する、タイロンを狙う謎の動き。一緒にいるディーゴが危ない!銀河烈風、全員出撃だ!銀河烈風バクシンガー、参るッ!
 
 
生まれて初めて、夢にまで見た地球に降り立つことになったディーゴ。しかしその影で動く謎の集団、そして決行される一大事件…。今回のお話はバクーフの筆頭大臣という重要ポストが暗殺されるという大事件を中心に、そこにある悲劇の関係が描かれている、詰め込みまくりながらも深いドラマを描こうとした努力が感じられる一編です。また、士郎の身体にある異変が起き始めるのも、今回からになります。
 
 
ゴーショ・シティを救ったことで、ゴーショ家とアーウィン家から合わせて3億ボールの報奨金をもらえることになった銀河烈風。バクーフの招きで地球に招かれることになりまずが、そんな中士郎は自分の目に違和感を覚えるようになり、とうとう体調を崩し倒れてしまうのでした。銀河烈風がもらった報奨金3億ボール。うちスリーJの手数料10%をのぞいた2.7億ボールは、ディーゴたちによって隊士たちに平等に分け与えられたようです。一方士郎はのちに病魔に侵されることになりますが、その前兆が出るのは今回が初めて。物語も2クール目に突入するということで、タイミング的には今回が良いと判断されたのでしょうか。士郎の介抱としてライラがつきっきりになりますが、彼女曰く「なりゆき」とのこと。士郎が期待したような恋愛感情はなかったようです
 

士郎の代わりに佐馬を随行につけ、地球へ向かったディーゴ。その夜のパーティーでバクーフ筆頭大臣:タイロン・イーデンと知り合いになったり、翌朝は桜の下で団子を食べまくったりなど、かなり地球を満喫。ですがそれが災いして腹を壊し、たまたま通りかかった女性に助けられることになりました。バクーフ中枢の重要ポストの人間が出てきたのは、今回のタイロンが初めて。彼は外宇宙との平和的友好を築くために太陽系の一部惑星の割譲も検討しているようですが、それをよく思わない「外宇宙艦隊討つべし」と考える勢力も多数いるようです。タイロンは今回のみ登場のキャラですが、ディーゴと11の会話パートもあるせいかその存在感は大。彼が語る外宇宙と太陽系の関係構築に関するセリフには、なかなか考えさせられるものがあります
 
 
ディーゴらが地球にいる中、土星の衛星軌道上では、外宇宙のエンゲーレス星艦隊と新惑星系のゴワハンド星艦隊が突如衝突。これに乗じる形で、地球では反タイロン勢力が一斉蜂起。シュテッケンたちが急遽地球へ向かう一方、その報せを聞いたディーゴを介抱した女性は、自分の息子:ニーノがその勢力に加わっており、しかもニーノは自分の父親がタイロンであることを知らずに決行しようとしていることを告白します。なぜエンゲーレス星艦隊とゴワハンド星艦隊が衝突したのか、その理由は全く不明。現時点ではまだ外宇宙勢力は太陽系に侵攻しているわけでもなさそうですし、たまたま境界線近くを航行していたエンゲーレス星艦隊に、ゴワハンド星艦隊がちょっかいだしたという形なのでしょうか。他方ニーノの母親の告白パートは少し短く、もう少し長ければよりこの後決行される事件をより悲劇的に演出することができたようにも感じます。士郎の病気の件で前半パートの半分くらいを使ったのが、ちょっと痛かったですね
 
 
事件の決行場所:バクーフのサクラ・ゲイトにて、ニーノの襲撃を受けるタイロン。ディーゴが駆け付けるも間に合わず、タイロンはニーノに襲撃され死亡。しかもその直後、ニーノも謎の巨大ロボットの攻撃の前に死亡します。ディーゴもピンチという時にようやくバクシンバードが到着。バクシンガーにシンクロン合身し、敵ロボットをたたき斬って勝利を収めました。サブタイトルにもなっている「サクラ・ゲイトの変」とは、このタイロン暗殺事件のこと。時間としては短いですが、直前に描写されたニーノの母親の告白パートのおかげで、悲劇的な事件として演出されていることに注目です。ニーノ自身は自分の父親がタイロンであることを知らずに死にますが、互いの死体が折り重なるようにして斃れているのが、様々なことを想像させる深いシーンになっていますね。バクシンガーの戦闘パートで登場する今回のロボットは、「テングーム」型に酷似しているも、おそらく違うであろう謎の武将型ロボ。頭部を破壊されても活動し、武器として大型の太刀を使うなど、量産型ロボにしてはもったいないくらいのデザインです。今回は作画も安定しており、バクシンガーのアクションも桜吹雪と相まって凛々しく見えましたね
 
 
「ディーゴ、生きるも死ぬも人の定めだ。俺たちの敵は、新惑星系の連中でも、外宇宙艦隊でもねぇのかもしれん。時代さ。目に見えねぇ、とてつもねぇ化け物かもしれねぇ。」
「シュテッケン…!」
「潰されてたまるか。ディーゴ、俺たちはなぁ、烈の精神を精いっぱい生きるのさ。」
「ああ、そうだったな。」
 
 
 
 
14話「激闘・花一輪」
1982105日放送

「シュテッケン。あなたに会えただけでも…、幸せでした。」
 
 
STORY:ある日、シュテッケンは河原でアウトローに襲われる女性:リリーを救った。バクシンバードに直接訪ねてくるなど、どうやら彼女はシュテッケンほの字らしい。だが、その後パトロール隊が連日奇襲に遭う事件が起きる。俺たち銀河烈風のあのルートは、内部の者しか知らねぇはずだ…。いや、知ることができたヤツが1人いた!銀河烈風バクシンガー、参るッ!
 
 
佐馬・ライラと続き、今度はシュテッケンの過去と彼があった女性との出来事に関するお話である今回。ストーリーの根幹は悲恋のお話なのですが、珍しく感情豊かなシュテッケンや、おどける士郎たちなど、貴重なメインメンバーの行動が楽しめる回にもなっています
 
 
士郎の容態もすっかり安定し、平穏を取り戻した銀河烈風。シュテッケンが密かに各隊のパトロールの様子を見回りますが、その中で新惑星系のアウトローに襲われる女性を発見。救出した彼は、その女性:リリー・マデラードが自身の母に似ていることに衝撃を受けるのでした。あまり感情を表に出さないシュテッケンですが、リリーが自分の母親に似ていることにはさすがに驚いた様子。彼女を救った後バクシンバードに戻るのですが、そこで彼は母親との思い出を回想します。詳しくは描かれていないので不明ですが、彼の母親は病弱であり、とある手術を受けたらしい。雰囲気から察するに、手術は失敗して母親は死亡、シュテッケンはそのまま叔父夫婦のもとで育てられたようですね。シュテッケンにもなかなか人間らしいところがあるとわかるのはいいのですが、リリーとの去り際に「銀河烈風の副長とでも言っておこうか」って、それほぼ自分の名前名乗ってるようなもんだよ…。
 
 
翌日、新惑星系の連中の不穏な動きが察知される中、バクシンバードに突如訪ねてきたリリー。対応に苦慮したシュテッケンは、とりあえず士郎に彼女をバクシンバード内の見学をさせるように指示。リリーは士郎と見学を終え帰宅しますが、その後銀河烈風の各隊が新惑星系の連中の奇襲攻撃に遭う事件が頻発するのでした。訪問したリリーに対応するシーンでは、士郎たちがシュテッケンの会話を盗み聞きしたり、逆にシュテッケンがムキになったりなど、メインメンバーたちの珍しいシーンを観ることができます。シュテッケンの方はいつもと似たような硬派な感じなのですが、いつもよりカッとなりやすいあたり、彼の心情がよく表れていますね。一方隊士たちを襲う巨大ロボットは、以前登場したロングー星のロボット「ニオー」型に酷似した機体。もしかして改造されたタイプなのでしょうか?この奇襲で多数の負傷者を出ており、そしてそれが描写されていることから、今まで以上に銀河烈風が甚大な被害を受けていることがよくわかります
 
 
シュテッケンが何かを察する中、士郎は深夜にバクシンバード内に潜入する何者かを発見。その正体は、あのリリーでした。シュテッケンはわざとリリーを一度帰し、初めて出会ったあの河原での再会を約束します。今回の事件に一枚噛んでいたのは、やはりリリー。そりゃあ、バクシンバード内の構造を知ることができた今回の登場人物と言えば、メインメンバー以外には彼女しかいないもんなぁ。彼女がシュテッケンに近づいたのは、メンバーの経歴をすべて調べたうえで「自分の顔」が利用しやすかったのが彼だったから。しかし実際に彼と会ってからは、一目惚れして心変わりした模様。シュテッケンに計画の全容を伝え、シュテッケンを逃がすために新惑星系の連中のコズモバイク部隊と交戦、死亡します。展開としてはありふれていますが、シュテッケンもリリーも直球的に問い詰めるor白状するといったことをせず、遠回しな表現で会話をしていることが、“大人のドラマ”のような雰囲気を作り出しています
 
 
渓谷の狭い道で、新惑星系のロボット軍団の奇襲に遭う士郎ら一番隊。間一髪シュテッケンたちが間に合ったことでバクシンガーにシンクロン合身、ロボットを倒しますが、シュテッケンの表情はどこか暗い。悲しみを振り切るように、彼はひたすら夕暮れの荒野を疾走するのでした。バクシンガーは、今回もバクソード→スピンファイヤーマックスのコンボで勝利。だんだんこのパターンがバクシンガーの勝利スタイルになってきましたね。ラストシーンでは、ひたすら荒野を突っ走るシュテッケンの姿が。「リリー…」と一言だけつぶやく彼ですが、彼がどんなことを考えているのかは容易に想像がつくことでしょう。なんか第8話のエンディングと似てるなぁ
 
 
(エンディングモノローグなし)
 
 
 
 
 
15話「オフス星沖SOS
19821012日放送

「男の友情もあそこまでいくと、まるで恋人か夫婦だぜ。」
 
 
STORY:セゾンJr.の誘いで、シュテッケンと士郎は、外宇宙との自由貿易の窓口になっているオフス星へ向かうことになった。さすがは外宇宙の技術力、俺たち銀河烈風にもほしいくらいの戦力も備えてやがる。やがてセゾンJr.が旅立とうとすると、それを狙って新惑星系の連中が襲撃してきやがった!お前らの好きにはさせねぇぞ!銀河烈風バクシンガー、参るッ!
 
 
シュテッケンの過剰な心配症や、彼とディーゴの面白い掛け合い、銀河烈風初めての外宇宙の異星人との遭遇など、見所盛りだくさんな一編。シュテッケンの掛け合いなどに気をとられて、ある種の「息抜き回」にも錯覚しそうになりますが、今後のストーリーでの重要人物の登場や外宇宙の軍事力の脅威など、ストーリー面で見逃せないポイントも多くあります
 
 
久しぶりにセゾンJr.がバクシンバードを訪問し、面会するディーゴたち。セゾンJr.はオフス星へ外宇宙製の武器の買い付けに行く途中だったようですが、これにシュテッケンが同行したいと提案。彼の目的は、外宇宙の異星人たちの持つ技術力を、自分の目で確かめることでした。約10話ぶりの登場となったセゾンJr.。もともとバクーフとは親しくしている人物でしたが、いつの間にかバクーフの密命を受けた武器商人としての顔を持つようにもなっているようです。一方シュテッケンがこのオフス星へ行くことが、彼にとって初めて「隊を離れる」外出であるらしい。そういえば、会議などで一時外出することはあっても、こうやって数日間にわたる出張のような外出は、彼はしていなかったですね
 
 
セゾンJr.・スリーJ・シュテッケン・士郎の4人で行くことになったオフス星。土星の衛星軌道にある人工惑星で、途中イビキのうるさい乗客に悩まされるなど行くのにも一苦労。同じ頃、シュテッケンと士郎のことが気になってしょうがないディーゴは、ジューロ・南の勧めもあって、佐馬とライラを連れて遅れてオフス星へ向かうのでした。シュテッケンら4人を悩ませたイビキのうるさい男の名前は、オズマ・ドラーゴ。日本の土佐弁に似た訛りがあり、話し方が豪快な男です。が、セゾンJr.曰く彼はトルサ星出身の活動家とのこと。今後も彼はストーリーに絡んでくることになります。そしてシュテッケンらのことが気になって仕方がないディーゴは、佐馬やライラから密かにからかわれるくらいの心配っぷり。古くからの付き合いとはいえ、ここまでくると確かに常軌を逸してるかも…。その割にはジューロ・南にオフス星へ行くことを勧められた際は、シュテッケンの反応を気にするそぶりも。ディーゴはシュテッケンに比べ、かなり感情豊かなキャラクターになっていますね
 
 
オフス星でシュテッケンらが目にしたのは、外宇宙製の圧倒的な技術力。シュテッケンは巨大ロボを見学し、士郎は診断を通じて医療技術に衝撃を受けます。しかし彼らがそうしている間に、ロングー星のケイ・マローンは、セゾンJr.の奇襲作戦を計画していたのでした…。今回シュテッケンが出会ったのは、外宇宙:エンゲーレス星のエンゲーレス星人。ロボットのような見た目をしていますが、純粋な生命体のようです。彼らが販売する量産型ロボ「クリスタルゴ」は虫のような頭部をもつ特徴的なデザインをしており、ほとんどのビームを走行ではねのけ、「テングーム」型をビーム一撃で破壊してしまうほどの高性能ロボ。ですが値段は変動制らしく、どうやら太陽系の動乱におけるバクーフ側と新惑星系側の戦闘を見ながら価格調整を行っているようです。外宇宙の勢力も、この太陽系の動乱を利用してやろうと考えているんですね。同じころ士郎は医療センターで検査を受診。看護師をしているリリィと知り合いになります。このリリィという女性も、覚えておいた方がいいですねぇ
 
 
シュテッケンたちよりも一足先にオフス星を出たセゾンJr.。しかしそこに待ち受けていたのは、ケイ・マローンが用意した「ニオーム」型ロボの軍団だった!セゾンJr.は窮地に立たされますが、緊急コールをうけたシュテッケンと士郎、そしてギリギリオフス星に間に合ったディーゴらが合流。バクシンガーにシンクロン合身し、「ニオーム」型をなぎ倒すのでした。ケイ・マローンがわざわざセゾンJr.をオフス星出発後に襲撃したのは、オフス星では外宇宙の勢力による治外法権が認められているから。表向きは太陽系と外宇宙の自由貿易の場ですが、その実情は外宇宙の勢力に有利にできているようです。今回のバクシンガーの戦いは、使う武装は基本的に同じですが、スローモーションを使ったりロボの残骸を細かく描写したりなど、普段とは一風変わった戦闘シーンに。「ニオーム」型がやられる瞬間が丁寧に描写されているので、今までとはまた違った“時代劇調の戦闘”が楽しめます
 
 
「俺が言ってんのは、本隊をほったらかしてよく来れたもんだということだ!」
「こうしたことがあるからだろうが!」
「責任はどうするんだ?結束のことも考えろ!」
「俺たちがやられちまったら、結束も何もねぇだろ!」
「俺は納得しねぇぞディーゴ!」
「勝手にしろぉ!」
「あぁ、勝手にするとも!」





今回はここまで。次回は第16話から第18話をご紹介予定です。銀河烈風バクシンガー、参るッ!!








◎今日のJ9ソング


今回ご紹介するのは、1982年放送の銀河烈風バクシンガー』挿入歌「マイ・ソウル・ジャーニー」です。


劇中では次回紹介予定の第16話から使用される挿入歌。『バクシンガー』の重要なシーン要所要所に使用されているので、『バクシンガー』で最もポピュラーな挿入歌といっても過言ではないでしょう。


曲のタイトル「マイ・ソウル・ジャーニー」は、直訳すると「我が魂の旅立ち」といったところでしょうか。この妙な不穏さも感じるタイトルが暗示する、銀河烈風の行く末は―?







 
 
 
 
 
 
 
 
それではまた次回、お会いしましょう!
 
 
 
 
 
 
 
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
Twitterやってます。よろしければ閲覧&フォローの方お願いします→https://twitter.com/CTF_bongore_A