今回は、『銀河旋風ブライガー』感想記事第4回目です。
キッド・ボウィーに続き、お町・アイザック・メイ&シン姉弟の過去が明かされる今回のお話の数々。メンバーの身の上話だけでなく、そこにリアルタイムで依頼されてくる仕事の依頼や深い内容を絡めることで、メンバーの素性紹介編にとどまらないドラマに仕上げているのが魅力的です
なお、前回（第7～9話）の記事は↓コチラです
第10話「霧に消えた愛」
1981年12月8日放送
依頼内容：自分の息子を殺した「アドルフ」という人物を追え
「忘れるんだ。霧が、流してくれる。」
STORY：「私はアドルフに殺される！」。実業家の、息子が残した最後の言葉。依頼を受けたJ9、アドルフ捜索に乗り出すが、お町の様子が気にかかる。お町の抱える悲恋の過去、その結末はどうなるか？木星第7衛星の、研究施設に隠された、黒い謀略解き明かせ！コズモレンジャーJ9、さあこの始末、どうつける？
J9の紅一点：お町の過去に迫る今回のお話。前回のボウィーの過去に引き続き恋の話がテーマになっていますが、たまたまでしょうか？ 
依頼人であるダン・グラールの発言、そして写真を見せられてアドルフが自分の知人であることに気づくお町。ここからお町の回想が始まります。お町は木星の出身で父親は木星開発局の上層部だったらしい。お町は裕福な家庭の出身でしたが、諸事情によりフリーの工作員になったようです。この「ヒロインは実は裕福な家などと関連がある」という要素は、以後のJ9シリーズのメインヒロインにも受け継がれていきます
木星第7衛星・アドルフの研究施設に潜入するため、ひと芝居打つアイザックとお町。思えば、J9がこういった作戦をとるのはこれが初めてですね。それにしても、アイザックがいつもの彼らしくない演技をしているのに、キッドとボウィーがサッパリ気づかなかったのはなんでだろう…
ブライガーの戦闘シーンでは、第5話に続いてハチ型宇宙船が登場。どうやらこの宇宙船は、バイキング・コネクション独自の使用機のようです。数で攻めてくるヤツらに対し、ブライガーはブライソードの変則技「ブライソード・ビーム」を初使用。スパロボシリーズではブライガーでメジャーな技の1つで、「アイザック、埒が明かんぜ！」のくだりも今回で出てきます
結局はバイキング・コネクションに利用されており、用済みとあらばすぐ襲撃され重傷を負い、お町の眼前で息を引き取るアドルフ。落ち込むお町に対して、アイザックが投げかけた言葉は―。
「心も冷える人無き星に、今は昔の恋心。情けも捨てて恋も捨て、どこに安らぐ女がひとり。星降る空に命を張って、コズモレンジャーJ9、お呼びとあらば、即参上！」
第11話「燃える大雪原」
1981年12月15日放送
依頼内容：地球の影のボス“セルゲイ・ワインベルグ”を始末せよ
「復讐か。だがその復讐も消えた。」
STORY：警察からの仕事の依頼、それは地球の影のボス：ワインベルグの暗殺だ。しかしこれには裏があり、太陽系の運命かけた大仕事。しかもワインベルグとは、アイザックの仇敵だ！父の敵を前にして、心揺れるアイザック。果たして彼の選択は、自分の父の復讐か、それとも銀河の安寧か？コズモレンジャーJ9、さあこの始末、どうつける？
警察からの直々の依頼という胡散臭い仕事、アイザックの過去の判明、そして地球の四大コネクション（ヌビア・ボルガ・オメガ・レッドドラゴン）への言及。1クール終盤のお話として見ごたえ十分なお話である今回は、同時に『ブライガー』のストーリーにおいて欠かせないお話の1つにもなっています
依頼人は当初身分を隠していますが、実はアステロイド警察庁の長官という大物。J9が結成されてからの劇中での経過時間は不明ですが、すでにJ9の名前はアステロイドのアウトローだけでなく、こういった警察機関にまでその名が知れ渡っているようです。
セルゲイ・ワインベルグの名前を聞いて、自身の過去を回想するアイザック。彼の父は、地球連邦政府北欧地区第一事務次官：イワン・ゴドノフ。ワインベルグはイワンの親友でしたが、コネクションからの脅迫を受けてイワンを無実の罪で投獄。その結果、イワンは自殺してしまいます。この過去とワインベルグへの恨みが、アイザックの普段の冷静さを奪ってしまいます
ワインベルグのアジトに侵入するJ9。ここで彼らは、ハンク・ウォーターが実はバイキング・コネクションやビーナス・コネクションと繋がっていること、そしてワインベルグが地球の四大コネクションの勢力調整を行い、何とか均衡を保っていることを改めて知ります。自分の父の敵を目の前に、自身の復讐心をとるか、それともコネクションの勢力均衡をとるか、決断を迫られるアイザック。結局、アイザックは彼を殺さない選択をします。そこには、自分の個人的な感情よりも地球全体のことを考えたという要素の他に、コネクションの襲撃によりワインベルグの養女：アナスタシアが死亡しワインベルグもまた自分と同じような状況になったことから、情けをかけてやったということもあるのでしょう
バイキング・ビーナスのコネクション連合の攻撃もブライガーであっさり撃破し、自分たちを騙したハンク・ウォーターへの始末もキッチリつけたJ9。自分たちのウルフマークとともに相手の眉間にナイフを突き刺すとは、これまた「仕事人」って感じだなぁ…。
「右も左も真っ暗闇の、宇宙のワルの後始末。流す涙が銀河をよぎる、明日はいずこの涙星。過去の憎しみ宇宙に流し、せめて燃えたい影ポリス。コズモレンジャーJ9、お呼びとあらば、即参上！」
第12話「バルカンの双生児」
1981年12月22日放送
依頼内容：水星・J区101で消息を絶った観測隊員の行方を探れ
「ほ～んと、こうなると俺ちゃんの操縦って芸術品よね！」
STORY：水星の、観測隊員失踪事件。その隊員を捜してくれと、依頼を受けたJ9。だがしかし、保険会社は政府の手先、メンバーどうも乗り気がしない。そんな中、メイとシンがこの依頼にこだわって、水星へ行くと言い出した！今明かされる、メイ・シン姉弟の過去とは何か？コズモレンジャーJ9、さあこの始末、どうつける？
宇宙を舞台にした作品は数あれど、水星を舞台にしたお話がある作品は少ないのではないでしょうか。今回は、太陽から一番近い星にもかかわらず、よく考えるとなじみの薄いその水星のお話です。
『ブライガー』の世界での水星は、太陽に近すぎるため開発が遅れている惑星の1つという設定。しかしその裏では、監視が届かないことをいいことに、各コネクションの武器製造工場が地下に建設されていたのでした。コネクションが武器弾薬に困らないのはこの水星があるからで、キッドの言葉を借りれば「どれだけブッ潰しても減らないわけ」なのです
メイとシンがJ9基地にいるのは、5年前幻のバルカン惑星探索中に水星で両親を殺され、宇宙船で漂流していたところをアイザックに救出されたため。それで、そのままJ9基地に住むことになったようです。姉弟の記憶はその時で止まっているため、今回のサブタイトルは「“バルカン”の双生児」というワケなんですね。メイとシンの過去、そしてアイザックのコズモレンジャーJ9構想が5年前にあったことが分かる描写ですが、アイザックの設定年齢は20歳。15歳の時点ですでにアステロイドに居を構え、J9設立の準備をしていたのか…？ 
冒頭のシーンやキッドの調査により、水星観測隊員は既に死亡。そうとわかればもうやりたい放題。水星各所に爆弾を仕掛けて敵の武器製造工場を破壊。おまけに敵戦艦へもビームやブライソードを駆使して艦内へと突入します。戦艦が大きかったからブライガーの活躍が必要になったものの、やはりその活躍時間は短いです。
仇敵を目の前にし、躊躇しながらも銃を向け、両親の復讐に成功するメイとシン。しかし、彼らにまだ始末屋稼業に似たことは早すぎたようです。キッドが最後にかける優しい言葉が、復讐を果たしたもののなぜか晴れない2人の心に響きます
「恨み晴れても心も痛み、なぜに晴れない無情の銀河。せめて正義のひと明かり、つけて宇宙の闇を行く。コズモレンジャーJ9、お呼びとあらば、即参上！」
今回はここまで。次回は第13話から第15話をご紹介予定です。コズモレンジャーJ9、お呼びとあらば、即・参上！
◎今日の特ソン◎
今日ご紹介するのは、2006年放送の『轟轟戦隊ボウケンジャー』挿入歌「Start Up！～絆～」です。
テレビ版では第3クール以降で使われた挿入歌。最終回近くでのチーフの勇姿を思い出す方も多いのではないでしょうか。
『ボウケンジャー』の10years afterがあるかもしれないというのは、やはりファンの妄想の産物でしょうか。まあ、ブラックの件もあるしなぁ…。
（ニコニコ動画非会員でも視聴できるニコビューアへのリンクです）
それではまた次回、お会いしましょう！
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
Twitterやってます。よろしければ閲覧&フォローの方お願いします
