容疑者の自白させるためには鉄拳もブランデーの使用も辞さない。
それが大門軍団である(PART-Ⅱ第16話より)。
70年代~80年代前半の日本の刑事ドラマは「刑事ドラマ=アクションドラマ」という認識が強く、今では硬派な刑事ドラマとして知られる『Gメン'75』や『特捜最前線』ですら、香港(当時はイギリス領)でアクション満載の海外ロケを行ったりマシンガンを乱射する殺人鬼が登場する話が制作されたほどでした

そのような娯楽性が重視される一方で、同時にこの年代の刑事ドラマの中には、実際の警察のやり方とは違う(というか程遠い)捜査方法が描写されることも多々ありました。
『西部警察』シリーズもその例外ではなく、その過激な描写はPTAでも審議されるほどでした(でも視聴率と人気は好調だった)。
そんなドラマを幼稚園ぐらいの年に初めて観た私(何の問題もないね)。
さすがに取調室での暴力描写や特撮作品顔負けのスーパーマシンの登場に関してはフィクションだろうなと思っていましたが、それでも「あれ、もしかしてこれ実際にやってるんじゃね?」と勘違いしてしまった描写もありました。
今回はそのような“描写”特集です。
①刑事の服装は自由(何着てもOK)
服装がバリエーションに富み、サングラス着用者が多い初期メンバー。
実はこの頃がもっともサングラス率の高かったメンバー構成だったりする。
(無印/PART-Ⅰ第1話より)
今あらためて考えてみると、「刑事の服装は自由!」なんてありえないですよねw
なおこれは有名な話ですが、警察官がサングラス等を着用する場合は「変装届」が必要です。
②地方出張はメンバー全員で行く
国鉄広島駅&広電広島駅電停前を走行する大門軍団(PART-Ⅱ第18話より)。
ある警察署が捜査のために他都道府県警と協力して現地で越境捜査を行う…というのは現実の警察でもよくある話ですが、派遣する捜査員は大体2~3人程度。
少なくとも所轄署の課のメンバー全員で出張…なんてことは現実的ではないですし、ありえません。
でもこのシーンは―結構興奮するんだよなぁ…。
③どうしても停車しない逃走車は体当たりしてムリヤリ止める
トラックに対して体当たり攻撃を仕掛ける、団長の乗る日産セドリック覆面パトカー。
(無印/PART-Ⅰ第10話より)
日本の警察はさすがにここまでしませんが、アメリカの警察は逃走車への体当たりや銃撃は平気でやるので、あながちありえないこととは言い切れません。
まあ『西部警察』という作品のテーマが「コンクリート・ウェスタン」ですし、『西部警察』の前身となる作品である『大都会 PARTⅢ』から一般パトカーサイレンがアメリカンスタイル(「ピーポーピーポー」ではなく「ウーウーウー」という音声)になっていることから、「アメリカの警察をモデルにしてるんだ!」と擁護できないことはないですけどね…。
④令状が無くったってガサ入れはできる
暴力団の本拠地に令状なしで乗り込む大門軍団(無印/PART-Ⅰ第6話より)。
はい、現実の警察がこんなことできるはずがありませんね。
まあ、大門軍団がガサ入れするところは大抵(ほぼ100%)ホンボシのところなので、暴力団側もそう簡単には訴えを起こすことはできないでしょうが。
◎今日の特ソン◎
今日ご紹介するのは、1981年放送の『太陽戦隊サンバルカン』挿入歌「ファイト!サンバルカンロボ」です。
白いシャツに紺ズボンと、飛羽とファッションが酷似しているジン。
どこが違うかわかるかな(ちなみに私は分かりません)?